経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

おもしろくできなければ、新規事業はやらない。

【GMOペパボのブランド論対談 第4回】

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企業の価値観を根付かせていくことは、すべての経営者にとって、非常に骨の折れることだ。あらゆるインターネットサービスを提供する巨大なGMOインターネットグループにあって、GMOペパボという会社はその名前からして独特の色を放っている。レンタルサーバー「ロリポップ!」やハンドメイドマーケット「minne」など、「インターネットと表現の可能性を追求し、誰でも活躍できる機会を提供したい」という想いの下様々なサービスを提供しているGMOペパボ株式会社代表取締役社長、佐藤健太郎氏(写真左)にパーソナル・ベンチャー・キャピタル代表、チカイケ秀夫氏(写真右)が迫った。

 

ペパボ独自の価値観を尊重してくれた。

チカイケ: GMOグループにジョインすることになったきっかけは何だったのでしょうか。

佐藤: まずGMOグループに入るというのには、2つの理由があります。1つは、インターネットは大きな企業にどんどん集約する流れになっていっているということです。ペパボは「ロリポップ!」を始め、多くのサービスを作り上げることができたと思ってはいましたし、1社だけでも戦える自信はありました。

チカイケ:確かに、そう思います。

佐藤:しかし、さらに大きなうねりが続いていくだろうと思っていました。そこで、GMOグループにジョインすることで、より大きな信頼を得た上で、もっとおもしろいことをしていこうという考えでした。

チカイケ:「ペパボ」のロゴもとても「ペパボ」らしいなと思うんです。

佐藤:これは僕らもそう思いました。GMOの熊谷もペパボ独自の価値観を消す必要はないととても尊重してくれています。

 

新規事業の基準は、おもしろくできるもの。

チカイケ:なぜこれだけBtoCのサービスを提供できているのでしょうか。BtoBよりも遥かにハードルが高いように思います。

佐藤:レンタルサーバー「ロリポップ!」等の月額制ビジネスモデルが得意で、安定したサービスを提供ができているからこそ思い切ったチャレンジができるんですよね。

チカイケ:チャレンジした結果失敗することもあるわけですよね。

佐藤:はい。泣く泣く終了しなくてはいけないサービスもありました。しかし、サービス終了も2,3年スパンで考えます。今使ってくれているユーザーのみなさんに不便がないようにしたいからです。

チカイケ:随分長いですね!半年とか1年じゃないんですね!

佐藤:ユーザーのみなさんに対して誠実でありたいと思っています。オンラインでのやりとりなので、なおさら丁寧にというのを心がけています。

チカイケ:新規事業をやるときの基準ってあるんですか。

佐藤:流行っているとか流行っていないという基準では決めないようにしています。楽しくないものはやらないということです。サービスを提供する者として「おもしろい」と思ったものをやるということですよね。

PC画面(写真提供:GMOペパボ株式会社)

作家さんたちが表現できる場にこだわった。

チカイケ: 今後の展望について考えていることはありますか。

佐藤: 僕らが会社をつくったころは、PCが中心でしたが、今はスマホになっています。そうなると、新しいユーザーさんもたくさん増えてきています。PCの頃は、デザインでもわかりやすくペパボらしさを出せたと思っているのですが、スマホのデザインの流れはよりシャープになってきていると思いますので、より洗練されていかなければならないし、使いやすいものにしていかないといけないでしょうね。

チカイケ:「minne(ミンネ)」はいかがですか。

佐藤:もともとはハンドメイド作品を月額定額で登録できるという、我々が一番得意とするビジネスモデルでスタートする予定でした。しかしサービス提供直前に手数料型に変更したんです。より多くの方にサービスを使っていただきたいという想いがあったので、これからもいろいろ変化をさせていく可能性はありますね。

チカイケ:最後発にもかかわらず、ナンバーワンになれたのはなぜでしょうか。

佐藤:どこか一点突破で勝とうとこだわったからでしょうか。私たちは作家さんの数にこだわりました。

チカイケ:作家さんが増えれば、作品数が増えて、見てくれるユーザーも増えますもんね。

佐藤:そうですね。私たちがやらないといけないのは、作家さんたちが制作に集中でき、簡単にインターネットに作品を掲載できること。購入者はメディアに露出を増やせばある程度獲得できますが、作家さんはそういうことで増えるわけじゃないんですよね。作家さんが使いやすいインターフェースを整えることにとことんこだわっています。

チカイケ:インターネットで表現する人をサポートするという考えをまさに体現しているんですね!今日はありがとうございました。

 

(おわり)

 

第3回「もっとおもしろくできる」を実践するためなら、ヘビメタにだってなる」。

第2回「価値観を浸透させるために、制度のネーミングにこだわる

第1回「クリエイティビティを刺激するための「もっとおもしろくできる」。

 

聴き手:チカイケ秀夫 構成:BRAND THINKING編集部 撮影:落合陽城

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GMOペパボ株式会社 代表取締役社長 佐藤健太郎
2003年、GMOペパボの前身、有限会社paperboy&co.の時代に創業者・家入一真氏に誘われて入社。そこからともに二人三脚で会社を成長させていく。社長室長や経営企画室長などを経て、2006年取締役経営企画室長。2007年取締役副社長経営企画室長。2008年代表取締役副社長経営企画室長。2009年より現職。

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パーソナル・ベンチャー・キャピタル 代表 チカイケ秀夫
デザイナーの経験を経て、GMOクラウド株式会社で新規事業などさまざまな事業を経験。2015年よりパーソナル・ベンチャー・キャピタルの代表として活動開始。スタートアップ企業にブランディングを広めることを使命に、数多くのサポートを行っている。さまざまな企業のチーフ・ブランディング・オフィサー(CBO)を務める。

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