イノベーションをブランド化するとは。
真似されないための防衛手段でもある。
現在のブランド論を体系作ったアーカーは、「イノベーションをブランド化すべき」という主張をしています。「ブランド化しなければ、人々へ伝えるのは難しく、他社は真似や真似らしきことが非常にできていまう」と書いています。
完全究極の差別化の道は、このように市場にイノベーションを起こし、アーカーの言う顧客にとっての「マストハブ」を生み出すことです。マストハブに関しては、以前「カテゴリーのつくりかた」で書いているので参照ください。
ではイノベーションをブランド化するとはどのようなことなのでしょうか。アーカーはなにも難しいことを言っているのではありません。ブランド化するために、要素を整理すればいいのです。例えば、すぐれた自動車用工業用製品があるとします。これを導入すると、自動車の燃費にこれまでよりも50%以上の画期的な省力化を実現できるものとします。ブランド化せず、単に製品をメーカーに売っているだけなら、技術的に真似されることは時間の問題でしょう。そうして多くの日本企業のものづくりが、今、コモディティ化になっていることはあえて言及するまでもありません。しかし、その製品のビジョンを決め、製品のペルソナを決め、開発の背景やストーリー、ネーミング、販売方法、サービス方法。と徐々にブレイクダウンしていくと、開発した自社の営業は、自分たちの製品の「強み」を端的に営業先に説明できるようになります。必然、手に持っている製品パンフレット、HPでの製品情報もわかりやすく、買い手のメリットもしっかりと明示されるでしょう。これらをしっかりと行い、BtoB製品としてブランド化に成功したのは、以前も例として登場したインテルです。
アーカーはブランド化にとっての差別化要素を次のように挙げています。
特徴
成分
技術
サービス
プログラム
最後のプログラムだけわかりにくいので補足すると、例えば顧客同士の「つながり」を促進するためのイベントやアプリ開発などが挙げられます。どのように顧客に浸透させていくかのプロセスとも言い換えることもできるでしょう。
文:BRAND THINKING編集部
- BtoB企業こそ、ブランディングが必要な理由。
- アイデンティティがないから、ブランドにならない。
- いい表現にあるX=YZ。
- カテゴリーのつくりかた。
- ケラーのブランド・レゾナンス・ピラミッドとは何か?
- ターゲットを明確化できない病。
- だからブランド構築はうまくいかない。
- どう言うかより、何を言うか。
- なぜブランディングで売上が上がるのか。
- なぜブランドにビジョンが必要なのか。
- なぜプロモーションとブランディングを混同するのか。
- なぜ一貫性を保つのは難しいのか。
- なんかカッコイイのつくってよ、でブランドはできない。
- ブランディングに即効性は出せるか。
- ブランディングを、数学の証明のように説明する。
- ブランド・ストーリーはつくるものか。
- ブランドが消える理由。
- ブランドとブランド構築の違い。
- ブランドは、何をマネジメントするべきなのか。
- ブランドは売上に貢献するか。その1
- ブランドは売上に貢献するか。その2
- ブランドは想いによってつくられる。
- ブランドは意志を持って成長させろ。
- ブランドは日々のオペレーションでできていく。
- ブランドを、理論とかフレームワークだけで語るな。
- ブランド構築はお金次第か。
- ポジショニングが大事か、リソースが大事か。
- 心の底に想いがあるブランドは、きっとうまくいく。
- 独占状態をつくれたら最強。
- 理念と戦略と現場。どれが一番大切か。
- 知名度さえ上がればいいのか。
- 組織の価値観で差別化できたら強い。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して弊社は一切の責任を負いません。