【グローバル・リンク・マネジメントの採用ブランド論 第2回】
投資不動産業界の採用はどの企業も苦戦する。業界全体のブラックイメージを拭い去ることが難しいからだ。しかし、3年前から大きく採用方法を変え、継続的に新卒を採用できている企業のひとつが、グローバル・リンク・マネジメントだ。販売だけでなく、開発から一貫した体制を構築し、真摯な営業で成長を続けてきた同社は、1年半ほど前から投資不動産業界ではあたりまえの電話営業さえ止めた。同業界ではどこも苦戦する採用を、なぜ同社は安定的に行えるのか。採用責任者の市村京子氏にその秘訣を聴いた。
聴き手・構成:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城
共感してくれる人を探すという視点。
——–(前回は)説明会のところでの変化をお伺いしましたが、その他で変えたところはありますか。
一次グループワークは営業部の活躍社員に担当してもらい、2次面接は私や採用チームが見ています。そこから3次で部長クラス、4次で営業統括の専務、最終が代表との面接です。面接を通じて、弊社のあらゆるレイヤーの社員と会ってもらうようにしています。この間に食事会を開催したり、営業の現場の人間にリクルーターになってもらって、採用活動全体をフォローするときもあります。採用と言うと、「いい人を選ぶ」という視点になりがちですが、自社の価値観に共感する子を探すという視点の転換に近いかもしれません。こちらの考えをしっかり伝えるようにしていますし、業界のいいところ、よくないところも率直に話すようにしています。会社としてできていること、できていないことも正直に話します。
採用活動と営業は似ている。
——–多くの企業は採用担当ばかりが頑張って採用活動を行っていますが、社内を巻き込むというところにポイントがありそうですね。
ふだんはみんな営業として実績を挙げている人たちばかり。方向性だけしっかりと共有しておけば、結果は必ず出ると思いました。営業を経験した私も思うのですが、採用は営業ととても似ていると思います。「今会っているその人のために何ができるか」、「自分と会うことで何か得てもらえるものがあるか」。そう思って、営業時代にも一期一会を大切にしてきましたが、学生と接しているときも常にそれを忘れずにやっています。おそらく他の社員もそうだと思います。どこの会社でもそうですが、新卒入社で人事担当と一緒に働ける人はほんの少数か、いないのどちらかです。弊社もそこは例外ではありません。そう考えると、現場で活躍している社員が採用に関与して、学生と触れ合う中で、グローバル・リンク・マネジメントの雰囲気や価値観に触れてもらうほうが、入社後のミスマッチもなくなると思っています。
直接会うことで、社風を知ってもらえる。
——–学生を集めるところも非常に多くの企業が苦戦していますが、グローバル・リンク・マネジメントはどのように母集団をつくっているのでしょうか。
ナビ媒体重視から、直接会う方向に大きくシフトしました。イベントに出たり、説明会の集客を手伝ってくれる会社にお願いしたり、こちらからスカウトできる媒体を利用したりと、Webでの待ちの姿勢から劇的に変化させました。採用は営業と似ているという話をしましたが、もしそうであるならば、ふだんの営業でもやはりお会いして、自社商品の魅力をしっかり語るはずです。採用でも、自社の魅力をしっかりと話すようにしたということでしょうか。母集団をいくら増やしても、価値観が合っていなければまったく意味ないですからね。また、数年やっていく中で改善したのは、リクルーターと学生で1対1で会うのを止めたということです。それは弊社の社風によるものですが、社員同士のやりとりを見てもらうとかなりの確率で「仲がいいですね」と言ってもらえるのですが、その強みを見てもらうには、1対1よりも複数対複数の方がいい。自由で風通しのいい雰囲気の中で、それぞれの社員がどのように個性を活かしながら仕事をしているかを見て欲しいと思っています。
第3回「これまでなら絶対出会えなかった人を採用することができた」は7/20に公開します。
市村京子
株式会社グローバル・リンク・マネジメント
営業管理部 プロモーション企画推進課 主任
新卒で入社。その後2年連続で営業成績トップ(MVP)を受賞。例年の受賞者の倍以上の記録を残し、現部署へ。広報やイベントの企画、運営そして採用活動など、会社として表に出る部分全体が業務範囲。採用責任者として活動全体を統括する。市村氏の仕事への想いを聴いたインタビュー記事はこちら。
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