成功しているブランドは揺らがない価値がある。
ブランドの要はどこにあるのか?
ブランディング戦略において、ブランドの確立とブランドを守り続けることは、とても難しいです。新しいブランドはどれだけ計画的に進めても、なかなかユーザーに浸透していきません。また、ブランドを確立しても、時代の変化によって軸がブレてしまうことも多いです。
そこで大事なのは、ブランドの要はどこにあるのか?という考え方。自社のブランドは、どこに強みがあるのか?何をユーザーに提供できるのか?守り続ける価値はあるのか?この3つがなければ、ブランドは成立しないでしょう。
もしブランディングが上手くいっていなのであれば、どこかが欠けているのかもしれません。ブランディングにおける要素は、ロゴやキャッチコピーなどがありますが、極端に言ってしまえばそれらは体裁です。本物のブランドとしての価値を高めていくためには、ブランドの要を理解し、育てていかなければいけません。
レッドブルから学ぶ「新しいターゲティング」
レッドブルは簡単に言ってしまえば、栄養ドリンクです。栄養ドリンクと言えば「タウリン〇mg配合」などの言葉を想像する人も多いでしょう。栄養ドリンクのイメージは、「サラリーマンが疲れた時に飲んでるやつでしょ?」というイメージ。この時点で「栄養ドリンク」自体のブランディングは成立していました。
しかしそのブランディングを打ち破ったのがレッドブルです。レッドブルは、今まで当たり前のように使われていた「タウリン〇mg配合」などという言葉は一切使っていません。テレビCMでは、アニメーションを使い、ポップなイメージに仕上げています。今までの栄養ドリンクのように、疲れたサラリーマンが飲むイメージを一新したのです。栄養ドリンクではなく、エナジードリンクと呼ばれ、スポーツイベントなどにも多く協賛し「若者が飲むかっこいい栄養ドリンク」という新しい価値を生み出しています。
レッドブルから学べるブランディング戦略は、ポジショニングです。従来の栄養ドリンクの概念を崩し、新たなターゲティングをすることで、レッドブルというブランドを確立させました。「こうでなければならない」という概念は、既存のブランディング戦略に乗っかっているだけであり、自社のブランドではなくなってしまいます。自社のブランドを確立させるには、レッドブルのように新しい物を生み出すことも大事です。
ディズニーランドから学ぶ「組織力」
サービスブランディングのお手本としてあげたいのが、ディズニーランドです。「夢と魔法の国」といえば、誰もがディズニーランドを思い浮かべるでしょう。言葉の通り、ディズニーランドにいる間は、夢の中にいるような気分になります。実はディズニーランドが主に提供しているのはこの雰囲気がメイン。ディズニーランドには「日本一の〇〇」というアトラクションはありません。あるとすれば「日本一のサービス」です。
このサービスが、ディズニーランドというブランドを守る重要な役割を担っています。そこで大事なのが「組織力」です。どんな大企業でも、組織が同じ方向を向いていなければブランドは崩れてしまうでしょう。ディズニーランドのスタッフはというと、全スタッフがブランドを守るために自発的に動いています。これは働く全スタッフがディズニーランドを好きだからこそ生まれる形です。
好きだからこそディズニーランドの世界観やブランドを誰よりも理解し、その形を崩さないようにしています。全スタッフが同じ方向を向いていること程、強いブランドはありません。もちろん、ディズニーランド自体の魅力が前提にあります。ブランディング戦略は、外(ユーザー)に向けて発信するものですが、外に発信するためには内側(組織)がどれだけブランドに対して理解を深めているか、どれだけブランドを大事にしているか、大きければ大きい企業ほど組織力を高めなければいけません。
生み出す価値と守り抜く価値
今回は有名な2つのブランドを例にあげましたが、2つの例を簡潔に説明するのであれば、レッドブルは「生み出す価値」、ディズニーランドは「守り抜く価値」。ブランディング戦略において、大きな間違いは、「ただユーザーにイメージを連想させれば良い」という考えです。この考え方ではブランディングは失敗してしまうでしょう。
価値があるからユーザーはブランドと認め、価値があるからそのブランドを守り抜こうとするのです。0から生み出し守り抜く部分に、ブランディングの難しさと面白みがあります。
「自社の何がブランドなのか意識すること。それが強いブランドをつくる。」の中でも強いブランドを作るための内容が書かれているので、こちらも合わせて読んで頂きたいです。
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