「個人」から始まるブランディング
近年「パーソナルブランディング」という言葉がよく使われるようになりました。また、似た言葉で「セルフブランディング」という言葉もあります。このように、近年では個人のブランディングをする動きが広まっているのです。では、パーソナルブランディングはどのようなものなのか、メリットや事例を解説します。
パーソナルブランディングとは?
パーソナルブランディングとは、企業や商品、サービスではなく、個人のブランディングを行うことです。基本の考え方は、ブランディングと同様で「あなただから選ばれる」というように、自分自身をブランド化させ、他社との差別化を目的としています。
パーソナルブランディングとセルフブランディング
近年では、SNSを活用したセルフブランディングがあり、パーソナルブランディングとセルフブランディングを同じように捉えている方もいるでしょう。実際、同じような意味合いで使われていたこともありますが、現在は別物とされています。
まず、セルフブランディングとは、企業や組織に属さない個人におけるブランディングで、個人の認知度の向上が目的です。一方で、パーソナルブランディングは、企業や組織に属している個人が、企業や組織のイメージ向上を目的としてブランディングするもの。
わかりやすい例が企業の営業職です。パーソナルブランディングをすることで、顧客を獲得すると共に企業自体のイメージも向上させます。パーソナルブランディングとセルフブランディングは、一見同じように感じますが、目的も結果も異なるものです。
パーソナルブランディングのメリット・デメリット
パーソナルブランディングのメリットは、基本的なブランディングの考えと同様で、以下のようなものがあります。
・信頼を得やすくなる
・他社・他者との差別化が図れる
・社内評価アップ
・モチベーションの向上
・人脈の広がり
パーソナルブランディングが確立されれば、信頼を得やすくなり、その人の発信する言葉の影響力が増します。このことによって、差別化が生まれ、顧客獲得もスムーズになるでしょう。さらに、顧客獲得が増え、売上や利益が上がることで、社内評価も高まります。
デメリットとなるのは、企業あってのブランディングという点です。たとえば、製薬会社にに勤める医薬品に詳しいAさんがパーソナルブランディングを行った場合「製薬会社のAさん」にファンがつきます。もちろんAさん自身の魅力もありますが、製薬会社と医薬品という組み合わせが、ファンにとって重要な部分です。
しかし、もしAさんが独立して、医薬品とは別の事業を行った場合、そこまで大きな効果は見込めないでしょう。この点が、セルフブランディングと大きく異なる部分です。セルフブランディングで個人の認知度を高めた場合であれば、Aさんがどんなことをしてもファンは応援してくれます。
個人でブランディングを行う際は、パーソナルブランディングをするのか、セルフブランディングをするのか、未来を見据えて考えた方が良いでしょう。
パーソナルブランディング成功事例
パーソナルブランディングの成功事例を2つ紹介します。パーソナルブランディングがどのようなものか、どのような影響を与えているか、参考にしてください。
一つは、ソフトバンク代表の『孫正義』氏です。『孫正義』氏に関しては、説明不要の存在でしょう。ただし、彼の名前は、経営者であれば誰もが知る名前でしたが、一般的にはあまり知られていませんでした。多くの人が知るきっかけになったのは、パーソナルブランディングがあったからといえます。
『孫正義』氏が行ったのは、Twitterによる積極的な情報発信でした。現在では多数のフォロワーを持ち、消費者の共感を呼んでいます。
もう一つの例は、BRANDTHINKING内過去インタビュー【Twitter活用は経営判断!大阪で一番オモシロイ会社を目指す 「ブラックな企業」ブランディングの極意。】で紹介している『トゥモローゲート株式会社』です。トゥモローゲート株式会社では、社長の『西崎康平』氏をはじめ、役員や人事、営業からデザイナー、ライターまで、それぞれがTwitterアカウントを持っています。
「ブラックな企業」としてブランディングをしているため、すべての社員のアカウントアイコンは白黒で統一されており、アカウント名も「ブラックな~」と記載されています。それぞれが、個人のブランディングをするとともに、企業のイメージを作り出している、わかりやすい良い例です。
パーソナルブランディングでブランディングは飛躍する
パーソナルブランディングは、ある意味インナーブランディングともいえます。個人が企業イメージ向上のために発信するので、意識の統一や企業イメージの理解が必要です。社員それぞれが企業を理解し、パーソナルブランディングを行えば、企業のブランディングは大きく飛躍するでしょう。
このように、社員にパーソナルブランディングを促すのも一つの方法です。SNS社会と言われている今の時代、パーソナルブランディングのような手法も取り入れてみてはいかがでしょうか。
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