経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

採用ブランディング式、効果の出る制作物とは。後編

頭の中に「強くて、好ましくて、ユニーク」な印象をつくるために。

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パンフとホームページどっちが重要か。

採用の二大ツールとして、パンフとホームページがあります。この2つは盾と剣みたいなもので、どちらも重要です。しかし、予算の関係でどうしてもどちらかしかつくれないという場合もあるでしょう。そういう場合、おそらく多くの制作会社は、「ホームページを優先すべきです」と言うはずです。それは「今どき採用専用のホームページがないのはふつうじゃない」という考えがあるはずだからです。言われた方も、そりゃそうだと思うでしょう。時代の流れからして、紙よりもウェブである、と考えてしまいがちです。

しかし、実はそうでもないのです。採用人数が5〜10名の場合、会う求職者の数はそれほどでもありません。エントリー数が集まらないので、リクナビやマイナビを使用する会社も減り、そのくらいの採用数であればイベントを中心に母集団を確保することが通常モードになっています。私の経験値になりますが、内定承諾率の高い会社(70%以上)で100名程度、安全を考えるのであれば300名に会えれば、5~10名は十分に採用できます。もちろん「採用ブランディング」という考え方を実践してのことです。やみくもにやっても、ただ労力をかけてしまうだけになります。

そうなると、Webを見る人はかなり限られますし、会うことが採用の中心になりますから、パンフレットのほうが直接渡せますし、話した後、読み返すことで、企業の印象度を強くすることができます。パンフレットとホームページでは役割がそもそも違うのです。母集団が多い場合、その母集団の質を整えるのがホームページ。パンフレットは通常、会って渡すので、求職者の興味が湧いた状態。だから狭くても深い情報を提供しなければ興味換気という点で意味がありません。ですから、ホームページとパンフレットの情報の重複は無駄。特に会社概要は、毎年変わる可能性もあるのですから、ホームページに委ねるほうが圧倒的に効率的です。その分、パンフレットは深く突っ込んだ文章、デザイン、手触り(紙質)に徹底的にこだわることで、強い印象を残すことができます。捨てられてしまうようなペラペラの紙でA3二つ折りのリーフレットをつくってもあまり意味はありません。

 

役割が違う。

パンフレットとホームページは、一貫性を出す意味で、当然同一コンセプト、同じトーンのデザインを採用すべきです。この2つを別々の会社に発注する例も多々ありますが、ブランド論的に言えば、「強くて、好ましくて、ユニーク」なイメージを頭の中に形成してもらわなければならないのに、それをしないようにする行為は予算の無駄遣いです。

では、パンフレットはどの程度深い情報を込めればいいのか。私たちがよく提案するのは、社員インタビューや座談会に特化した構成で、だいたい1人あたり1500〜2000文字/2Pという感じです。それを16P〜24Pくらいでつくることが多いです。多くの先輩事例を、失敗、乗り越えた経験、成功事例、その工夫、目標などを織り交ぜて書くことで、「自分だったらこの会社でどうするか?」ということを考えやすくなります。そうすれば、勝手に会社理解も深まりますし、いいイメージもつくられやすくなります。ホームページでこれをやっている会社も散見しますが、あれはあまり意味があるとは言えません。ホームページは「ちょっと気になる」程度の興味で見に来たときに、2000文字で深い情報を与えられてもかなりお腹いっぱいになってしまいます。しかもそれが何人もいるのです。母集団が集まりすぎて、応募者を選別したい企業なら効果を発揮するでしょうが、多くの企業はそうではないはずです。ホームページの情報はなるべく軽く(軽すぎてもダメです)、でも広く。これが原則です。

そして毎年つくるのもまた無駄です。その企業の本質を表現できていれば、先輩社員を変えることはあっても、コンセプトから作り変える必要はほとんどないはずです。

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むすび株式会社 代表取締役
深澤 了

ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター、BRAND THINKING編集長。2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。採用領域だけでこれまで1000社以上に関わる。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で開発した「甲州富士川・本菱・純米大吟醸」はロンドン酒チャレンジ2018銀賞、2019金賞、フランスKura Master2019金賞。埼玉県戸田市では「埼玉戸田・かけはし・純米吟醸微発泡」と、立て続けに日本酒をプロデュース。山梨県都留市ではネクタイブランド「TSURUIKI」の立ち上げも行う。著書は「無名✕中小企業でもほしい人材を獲得できる採用ブランディング」(幻冬舎)

むすび株式会社




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