経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

どんな行動にも、必ずそれをする目的がある。

【アドラー心理学が組織を変える 第2回】

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これまでアドラー心理学は子育て論などに応用されることが多く、企業への応用は少ない。しかし以前より数多くの企業研修にアドラー心理学を応用し、「しなやかな」組織づくりを支援してきた岩井俊憲氏。50冊を超える著書があるアドラー心理学の第一人者だ。ブランド論にアドラー心理学を応用し理念浸透を推し進める「ブランド・ラクティス™」理論を構築した嶋尾かの子氏が聞き手となり、理念浸透や組織づくりに重要な考え方、在り方を聴いた。

聴き手:嶋尾かの子(むすび株式会社) 構成:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

人にはそれをする目的がある。

嶋尾:岩井さんといえば、これまでにアドラー関連の著作を50冊も出しており、わたしもたくさんの本を読ませていただきました。そもそも岩井さんがアドラーを学ぼう、活かそうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。

岩井:外資系企業で13年間務めて、会社の業績悪化に伴い、リストラをしなければなりませんでした。断腸の思いでやったわけですが、人を切る以上、まず自分が早期退職しなければならないと考え、自分が率先して退職し、知り合いがやっている不登校支援の塾のお手伝いをしていました。そこでは勉強はあまり教えないんです。生活をともにして、とにかく話を聴く。それまでひたすら競争の世界で生きてきた私にとっては意味がわからないことばかりでした。そもそもなぜ学校へ行けないのかも理解できないというか。原因論で探っても何も出てこない。

嶋尾:そこでアドラー心理学ですか。

岩井:来る日も来る日も、不登校の子たちの話を聞くうちに、原因論ではなく、目的論で話すと、いろんなことがわかるようになりました。どんな子にも不登校になる目的があるのです。母親と一緒にいたいとか、先生に復讐したいとか。マンションの一室で不登校の子と寝泊まりしながら向き合う日々を過ごしていました。

原因論のマネジメントは部下を壊す。

嶋尾:アドラー心理学は主に子育てに応用され、さまざまな論文や書籍が出てきましたが、組織に応用されていくのは、まだまだ発展途上な気がします。その中でも岩井さんはさまざまな著書や研修を企業や組織でされてきましたよね。

岩井:日本は古くから原因論でのマネジメントがずっと行われてきました。「なぜ間違ったの?」、「なんで見落としたの?」、「なんで言い訳するの?」。挙げるとキリがないですが、こう言われたらどう思います?

嶋尾:どんどん自分の殻にこもり、困ってしまうというか、何も言えなくなってしまいますね。

岩井:実態が浮かんでこないんです。お前のせいだと攻撃されている気がしますよね。問題の解決にならないんですよ。これは部下を壊してしまいます。

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人は目的論、モノは原因論。

嶋尾:一方、アドラー心理学をベースにすると、まったく違う問いになりますよね。

岩井:まず部下が悪い報告をしてきたとします。そしたら「報告ありがとう」、「もうちょっと聞かせて」、「どういう対応がいいと思う?」、「それいいね、何か私にできることないかな」。こうして聴くと、とても建設的な話になります。もしかしたら会社のしくみがそこからできてくるかもしれません。

嶋尾:人に対して「なぜ」を繰り返すと人格否定になってしまうかもしれない。トヨタがよく「なぜを5回繰り返す」と言いますが、モノやシステムのブラッシュアップにはいいんだけど、人にやると、岩井さんの言ったように、なにもそこから生まれなくなってしまうと思います。

岩井:まったくその通りです。なぜと言われると、防衛の意志が出てきてしまいますから、その場をどんなふうにやり過ごそうか、となります。前向きにならないんですね。

(つづく)

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岩井俊憲
有限会社ヒューマン・ギルド
代表取締役
1947年、栃木県に生まれる。早稲田大学卒業。外資系企業を経て、1985年有限会社ヒューマン・ギルドを設立。中小企業診断士、上級教育カウンセラー、アドラー心理学カウンセリング指導者。ヒューマン・ギルドでカウンセリング、カウンセラー養成や公開講座を行うほか、企業・自治体・教育委員会・学校へカウンセリング・マインド研修、勇気づけ研修、リーダーシップ研修や講演を行う。「勇気の伝道師」をライフワークとしている。『人を育てるアドラー心理学』(青春出版社)、『「勇気づけ」でやる気を引き出す!アドラー流 リーダーの伝え方』(秀和システム)を含めてこれまでの著書は50冊以上。

嶋尾かの子

むすび株式会社 ブランド構築研究開発室 室長/ブランディング・ディレクター
嶋尾 かの子

大阪府大東市出身。大阪芸術大学大学院博士課程修了。芸術文化学博士。思春期真っ只中の小6男子、小5女子の2児の母。子育て中に出会ったアドラー心理学の学びを深め、全国で講演、講座を開催。これまで1000人以上に自身の経験を踏まえ、子育てや女性のキャリアについてアドラー心理学の観点から伝える。現在はアドラー心理学をブランド論に応用し、ブランド・ビジョンを効率的に社内に浸透させる新概念「ブランド・プラクティス™(ブランド実践)」理論を構築中。戸板女子短期大学講師。アドラー心理学講師。アドラー心理学会、日本マーケティング学会、日本ブランド経営学会会員。日常会話レベルで話せる言語は、英語、ラオス語、タイ語、大阪弁。

むすび株式会社




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