イメージが良くなければ意味はない。
「あの広告よく見るけど、意味わからないよね」、「あの広告嫌いだけど、最近よく見るよね」という言葉を聞くことがあります。「でも、知名度が上がるからいいんじゃないか」という言葉を聞くこともあります。 プロモーションに「単純な知名度」を求めるのであれば、正解かもしれません。
しかし、ブランド論の観点からすれば、これは大きな間違いです。
アーカーの言う、「ブランド・エクイティ」(ブランド資産)には、4つの大切な視点があります。
1,認知
2,連想
3,知覚品質
4,ロイヤリティ
以上を簡単に説明しますと、
1はどれだけの人が知っているか、ですが、単純に車と聞いて、「プリウス」と答えるのと、選択肢を与えられて「プリウス」と答えるのとでは、前者のほうがより強い認知を持っていることになります。
2はそのブランド名を聞いて、どれだけの連想が働くかです。例えば、「プリウス」であれば、地球にやさしい、燃費がいい、セレブも乗っている・・などなどです。
もちろんこの数が多いほど、顧客にとって、そのブランドとの結びつきが強いことになります。
3はそのブランドの品質がどのように思われているかです。
4は単純に言えば、リピートの度合い。使用経験をベースに、次回も買うかどうかの態度のことを言います。
1〜4に共通して言えるのは、消費者にとって、そのブランドのイメージが、「強くて、好ましくて、ユニーク」であることがブランド・エクイティの向上につながっていきます。
つまり、単に知名度を上げるためを狙ったプロモーションがブランド的な見地から見ると、本当に意味のないことがわかって頂けると思います。人にプラスのイメージを与えないプロモーションは、ブランド・エクイティにつながっていかないのです。もちろん、自分が不快に思っても、ターゲットにはプラス、ということもありますが、その場合は、もちろんブランド論的には正しいということになります。なぜならターゲットがしっかりと絞られているという証明でもあるからです。
ブランド・エクイティを管理していくうえでは、細かなターゲティングが表現の出来栄えを左右しますから、ここには密接な関係があるのです。
文:BRAND THINKING編集部
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