健康に配慮した会社が求められている
前回、『健康経営によるブランディング「健康経営で企業価値と社会的評価が高まる」』として『うぇる・なす』の笠井篤氏のインタビューを掲載させて頂きました。今回は、「健康経営」が採用においてどのような効果があるのか、「採用」と「健康経営」について掲載いたします。
就活生は健康に配慮した会社を求めている
――前回は、「健康経営とブランディング」の関連性についてお伺いしましたが、健康経営は採用、つまり「採用ブランディング」にも関わってくるのかなと思うのですが、笠井さんは健康経営と採用についてどうお考えでしょうか?
笠井 健康経営は、採用ブランディングの一環となると思いますね。経済産業省で、就活生とその親御さんに「どんな企業に就職したいか?させたいか?」という調査を行ったものがあるんですが、いくつも項目があるなかで、だんとつで「健康や働き方に配慮している」が選ばれているんですよね。
大学の就職課に行くと、学生が企業検索できる端末があって、企業を検索するときの項目のなかに、「健康経営に取り組んでいる」という項目があるそうです。つまり、学生にとって「健康や働き方の配慮」が企業を選ぶ上での基準、デフォルトになりつつあるんですよね。
――凄いですね。データを見る限り、就活生は1位に健康、2位に福利厚生となってますね。では、反対に健康に配慮していない企業だと、離職率は高くなってしまうと思いますか?
笠井 必ずしもそうとは言い切れませんが、健康に配慮していないと会社に対するエンゲージメント(愛着や信頼)は薄くなってしまうかなと思います。コロナ禍で初期の頃に、自宅待機やリモートワークなど従業員の感染対策を十分取らずに働かせていた会社では、その後従業員の離職が増えたというニュースも目にしました。
従業員が「健康を配慮されていない」と感じてしまうと、企業への愛着や忠誠心が薄れてしまうので、結果的に不満となって退職に繋がる可能性はあるのかなと思います。
――じゃあ、採用だけではなく、離職率を下げるためにも、健康経営が必要なんですね
笠井 そうですね、健康経営に取り組んでいる会社の方が、従業員が安心して働けると思います。実際に『うぇる・なす』でも社員採用に積極的な企業だったり、従業員の定着率に悩んでいる企業に、健康経営をおすすめしています。
笠井篤氏の人事経験から
――笠井さんは、『うぇる・なす』の前は人事を担当していたんですよね。その経験から、笠井さんの考える「採用」についてお伺いしたいと思いますが、笠井さんの考える”採用に強い会社”とは、どんな会社だと思いますか?
笠井 会社の信念を発信している会社、共感度の高い会社だと思います。採用って、経験や能力といった自社の採用基準で応募者を選別していくことが多いと思うんですが、それだけでは良い採用に繋がらないと思うんですよね。
採用に強い会社は、自社の信念や想いを発信していて、それに共感した人が応募し、入社していると思います。なので、前提として発信する想いや信念がなければいけませんよね。
――やはり「採用ブランディング」というブランディングは、必要だと思いますか?
笠井 必要ですね。とくにベンチャー企業や知名度がない企業は、物凄く重要というか、むしろそれしかないと思います。
健康経営はブランディングになる
今回は、健康経営と採用についてお話を伺いました。笠井篤氏が言うには、「健康優良企業」「健康優良認定法人」などの認定を取得したくて、健康経営の取り組みを始める会社も少なくないそうです。それだけ、健康経営がブランディングになる証拠といえるでしょう。
笠井篤氏は「最初はマークを取得したいという気持ちで取り組んでも良いと思う、結果的にそれが社員の健康に繋がる」とお話されていたので、まずはブランディング目的で健康経営に取り組んでみるのも良いかもしれません。
【笠井篤】
うぇる・なす共同代表
医療関連上場企業での、人事や広報職を経て、うぇる・なすを創業。
家族ががんになった体験から、「仕事も生活も全ては健康あってのこと」を痛感し、予防医療・企業向け健康経営支援事業を行っている。
うぇる・なすの福利厚生サービス
・健康研修の講師派遣
・企業への出張運動指導(キックボクシング・ヨガ等)
・健康関連コンテンツの企画・制作
・食生活改善個別指導
・健康経営優良法人認定取得のサポート
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