経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2021.05.10

ブランド価値を高めるストーリー|ストーリーテリングの主な3つの手法

ストーリーをどう聞かせるかが重要な課題となる

前回「今ブランディングに最も必要なのは「ストーリー」である」において、ブランドはストーリーが大事であること、ストーリーを伝えるために「ストーリーテリング」が重要なことを解説しました。この「ストーリーテリング」というのは、読み聞かせという意味があり、ユーザーに対して印象を残す伝え方です。今回は、ストーリーテリングの具体的な手法を解説します。

フライタークのピラミッド

「フライタークのピラミッド」は、ドイツの作家『フライターク』が提唱したフレームワークです。「ドラマは5つに分割でき、それぞれに機能がある」という考えに基づいて作られており、シェイクスピアもこの構造を使用していたといわれています。具体的には、以下の5つです。

1.序章(状況説明)
2.上昇(事件発生)
3.クライマックス
4.下降(落とし込み)
5.破局(目的達成)

簡潔にまとめるならば、物語には始まりがあり終わりがあるという基本中の基本です。実際に多くのCMで、フライタークのピラミッドの構造が使われています。

ストーリーフォーミュラ

「ストーリーフォーミュラ」は、コピーライティングでも使われるフレームワークです。具体的なフレームワークは以下のようになっています。

1.読み手と同じ位置からのスタート……共感を誘う
2.失敗や挫折……興味を誘う
3.きっかけ……現状打破の希望
4.成功体験……成功の未来を見せる
5.ノウハウを伝える……専門性・権威性を高める
6.他者の成功……信憑性を高める
7.行動促進

これは、コピーライティングのテクニックである「PASONAの法則」とよく似ています。PASONAの法則から、さらに具体性を高めたものが、ストーリーフォーミュラだと考えて良いでしょう。PASONAの法則は、以下の通りです。

1.Problem(問題提議)……例:こんなことで困っていませんか?
2.Affinity(親近感)……例:私も同じ状況でした
3.Solution(解決策)……例:こんなことをしたら改善されました
4.Offer(提案)……例:悩んでいるならまず利用してみてはいかがでしょうか
5.Narrowing Down(絞り込み)……例:とくにこんな人にはおすすめです
6.Action(行動)……例:今だけ限定!

ストーリーを聞かせるだけではなく、より訴求効果を高めたいときには、ストーリーフォーミュラのフレームワークを使うと良いでしょう。

神話の法則

神話の法則に関しては、前回の「今ブランディングに最も必要なのは「ストーリー」である」でも解説しましたが、復習しておきましょう。神話の法則は「神話はなぜ人の心を惹きつけるのか?」を分析した方法です。主に映画やドラマに使われています。前回は簡潔にしましたが、具体的には以下の流れになります。

1.日常
2.冒険への誘い
3.冒険の拒絶
4.賢者との出会い
5.第一関門突破
6.試練・敵・仲間
7.危険な場所への接近
8.最大の試練
9.報酬
10.帰路
11.復活
12.宝を持って帰還

以上が神話の法則の基本的な流れです。アクション映画やSF映画でよく見かける流れではないでしょうか。『ハリー・ポッター』シリーズを思い浮かべると、わかりやすいかもしれません。『ハリー・ポッター』シリーズは元々小説であるため、上手にフレームワークが使われています。

ストーリーテリングで注意したい3つ

ストーリーテリングのフレームワークを利用するにあたって、注意するべき3つがあります。注意点を知っておかなければ、せっかくのストーリーテリングの手法が台無しになってしまうでしょう。主な注意点は以下の通りです。

・時系列で語る
・関連性のないことを語る
・自分を主人公にする

まず、大前提にストーリーテリングの目的は、情報をストーリー化して印象的にすることです。そのため、時系列で語ったり、関連性のないことを語ったりするのは、本末転倒になってしまいます。また、場合によっては自分を主人公にすることも良いですが、あくまでメインは自分ではありません。自分自身の経験を元に、相手に伝えることが目的です。ただの自分語りになってしまうのは、ストーリーとは言えません。

ストーリーを活かしてブランド価値を高める

ストーリがブランド価値を高めるということを前提に、より印象的に伝えるための「ストーリーテリング」の手法を解説しました。ストーリーテリングのフレームワークを利用すれば、より効果的に自社のストーリーを伝えられるでしょう。ただ、ストーリーテリングというのは、元々小説家や脚本家が使っていた手法です。当然、私たちは小説家でもなければ脚本家でもないので、完璧にする必要はありません。しかしながら、価値を伝えるために「どのように伝えれば良いのか?」という課題は、どんな企業についてくるものです。完璧にするまでいかずとも、今後のブランド価値をあげるための方法として、ストーリーテリングの手法を覚えておくと良いでしょう。

名城政也

 
名城 政也

SEO記事からオウンドメディア、脚本や台本、HP文章までweb媒体の記事を多く手掛けるwebライター。 多趣味で幅広い知識を基にさまざまな記事を執筆。

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