経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2018.10.12

即実践!小さなブランディング #01 「企業の清掃活動」

当メディアではブランディングについての情報発信を行っていますが、「うちにはブランディングなんてできない」という声をいただくことがあります。様々な事情がありますが、その多くが資金的な要因にあるようです。しかし、ブランディングとは派手なプロモーションが必ずしも必要なものではありません。ブランドと顧客との関係性をつくることがブランディングの本質です。そのための方法は、予算をかけたものでなくても良いのです。考え方次第で、ちょっとしたことをブランディングとして行うこともできます。こうしたブランディングを当連載では「小さなブランディング」としてご提案していきます。

「企業の清掃活動」は不要なコスト?

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私が住んでいるエリアの地場の不動産会社は、毎朝、社員が周辺の清掃活動を行っています。こうした地道な地域貢献活動は、費用対効果の適正化の大義名分で姿を消しつつあるように感じられます。

特に、働き方改革が要請されている昨今では、かつては社員のサービス時間外労働として行われていた早朝の清掃活動にも手当をつけなければなりません。

時間外労働に相応の報酬を支払うのは当然ですが、同時に、企業の清掃活動がコストとして切り捨てられている現状は勿体ないように思われます。

確かに、コストとして企業の清掃活動を捉えたとき、明確な目的がなくては継続は難しくなってくるでしょう。

私は、企業の清掃活動にはブランディングの意義があると思っています。美徳の情景として企業の清掃活動を懐かしんでいるのではありません。すぐに実践できるブランディングとして捉えているから、企業の清掃活動がもっと行われてほしいと考えています。

挨拶=ブランディングのきっかけ

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企業の清掃活動も、実は、ひとつの顧客接点です。特に地場に根差した会社であればあるほど、清掃活動は顧客接点としての意味合いが強くなります。

通勤途中の顧客が、清掃風景に出くわすことも少なくありません。実際に、冒頭で例にあげた不動産会社は、私が今住んでいる部屋を紹介してくれたところです。

ある時、部屋を紹介してくれた営業の方が私を見つけ挨拶をしてくれました。私も挨拶を返します。それから何気なく今住んでいる部屋についての話へと発展し、別れ際には「何かあったらお気軽に言ってくださいね」と言ってくれたのです。「同じエリアで部屋を選ぶならその会社にしよう」とごく自然に思ったことを覚えています。

すれ違った顧客と挨拶を交わすことは顧客との関係性を深めるきっかけになります。すなわち、企業の清掃活動はブランディングのきっかけであると言えるのです。

「清掃活動」を知名度アップのきっかけに

企業の清掃活動は、「知名度」を採用活動においてのネックとしている企業にとっては効果的であるように思われます。「知名度」が低い理由として、企業間取引がメインなため求職者との接点が少ないことが挙げられます。

接点が少ないのであれば、企業の清掃活動のようにコストがかからない方法で、自分たちから求職者の前に姿を見せてはどうでしょうか。例えば、清掃活動の際には、企業の名前が入ったユニフォームを着用して、企業名を覚えてもらうとう地道な方法があります。

もし清掃活動の様子が求職者の目に直接触れなかったとしても、清掃活動を地道に続けていれば、レピュテーションとして採用ブランドを支えてくれることが期待できます。

「小さなブランディング」は継続が必須

今回、「小さなブランディング」としてご提案した清掃活動のような取組は継続することが大切です。コストをかけないことはすぐに実践できますが、即効性は難しいのです。ただ、逆を言えば、他社に先んじて「小さなブランディング」を始めれば、お金では買えないものを積み重ねられます。

今ではめっきりと数が減ってしまった「企業の清掃活動」ですが、他社が行っていない今だからこそ、地域におけるユニークなブランドイメージを「小さなブランディング」で構築していくチャンスなのかもしれません。

 

長尾和也

 
長尾 和也

コンテンツクリエイター。トレンドとアクセス動向を踏まえた記事コンテンツを、30社以上の企業オウンドメディアにて発信。誌面では月刊文藝春秋にて無記名の観光コラムを掲載中。「世の中をもっとチャレンジングに」という思いからクラウドファンディングに関心をもち、クラウドファンディングライターとして邁進している。早稲田大学大学院商学研究科マーケティング・コミュニケーション専攻修了。修士論文は「消費者の独自性欲求」。

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