就職活動を通して自分を探す学生と変わらない企業。
上から目線の採用は失敗する。
いよいよ今日からリクナビやマイナビなどナビ媒体もオープンし、本格的な就職活動がスタートします。しかし、誰もが指摘していることですが、例年よりも早い企業の動き(インターンシップ)につられて、水面下で動く学生も増えていますので、「いよいよ始まるか」というのが学生、企業側双方の気持ちではないでしょうか。
この就職活動を通して、学生が一番多く聞かれることが「志望動機」「自己PR」です。そのために自分のこれまでの半生を振り返り、自分の強みや弱みなどを棚卸しして、志望動機や自己PRを磨き上げます。マスコミや商社など人気企業ほどこれらを磨き上げることで内定にも近づいていきます。人気企業や業種は相変わらず倍率も高いので、運の要素も多分にありますが。
一方、企業側はどうでしょうか。今も変わらず「集まる前提」の母集団至上主義による採用活動が主流で、集まってきた学生をどのように「選別」するか、という部分に採用は多くの労力を割くことになります。しかし、実際のところ、そもそも母集団を集めることが困難になってきているため、このやり方は多くの企業にとって破綻しています。今までも何千人という母集団を集められている企業は、これまでと同様のやり方でもどうにかなりますが、知名度のない企業は、人が集まらないのでどうすればいいのかわかりません。だから企業側から会いに行くダイレクトリクルーティングが主流になってきてます。数年前から採用業界はちょっとしたバブルがやってきている状態です。
集まらない=知られていない、のであれば、知ってもらう他ありません。数少ない接触人数を確実に振り向かせる。そうすることで、自社に興味を持ってもらう。そして選考ではなく、採用フローは自社の(理念)教育だと思って行う。これまでの「選別」ではなく、「採用は教育」だと思って行うと、母集団はそれほど重要ではなくなります。
少ない人数でも、知ってもらいさえすれば、どんな会社でも興味を持ってくれる人は必ずいます。そして新卒採用で苦しむのは、10-30人以内の採用目標の企業がほとんどです。このくらいの規模の会社は、知名度はないけど、新卒を採用したいくらいですから成長企業。魅力なんか掘ればいくらでも出てきます。
そのために必要なのは、何をどう伝えればいいのか、つまり学生と一緒に、企業側の魅力の棚卸しです。自己分析です。そこがまずは採用できるようになる出発点。これこそが、採用ブランディングの考え方でもあります。学生にだけ自己分析を強いてはいけないのです。採用が「結婚である」とするならば、企業側も自己分析を頑張らないといけません。
どうか、みなさんの企業の魅力が、一人でも多くの学生に伝わっていくことを祈っています。
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