売上に貢献しなければ、「ブランド」じゃない。
ブランド構築=プロモーションではない。
ブランド構築は価格が高いイメージがあるということもありますが、なかなか手を出しにくいと言われることがあります。またそこには明確に売上があがるイメージが持ちにくいニュアンスのことを言われることもあります。この原因として、
ブランド構築=プロモーション
のイメージがあるからだと思います。特にマス媒体のプロモーションを考えると、それをやったから、売上が上がった、とそこに相関が果たしてあるのか、言いにくい面があることも確かです。
広告の分野で言うと、広告効果に関する調査や研究はあることはありますが、あまり発達しているとは言い難い状況です。むしろ、広告が売上に寄与するということよりも、ブランド・イメージを上げていくもの、という論調が主であると思います。
プロモーションや広告のことを持ち出すと、ちょっとわかりにくくなるので、外しますが、プロモーションや広告をこれまで積極的に行わなかった(予算の関係で行えなかった)商品が、ブランディングのプロジェクト後に、劇的に売上が上がった例は確実にあります。
ターゲットと訴求点が明確になったことで、クリエイティブ(コミュニケーション)が際立ち、各部署(営業や広報、マーケティング)の方たちの行動が変化し、雑誌で取り上げられたり、例えば流通主導で、店頭で勝手にプロモーションを行うことが起き、売上が増大したというわけです。結果的に「目立つ」ということはあります。
こうなると、明確にブランディングは売上に寄与する、と言えると思います。
売上増加と理念浸透は相関あり。
本当は仮にプロモーションを行った場合でも、予算投下と売上の伸びに相関があるかどうか、調べればいいだけなんですけどね。業界的にはめんどくさがってやってない場合が多いと思います。(企業側はやっている場合もあると思いますが)
採用の場合は、採用できたかできないかが人数で明確に出ますので、一番わかりやすいです。
一番わかりにくいのが、企業ブランディング。理念を変えたことで、それが浸透していった時に、売上にどう寄与するかどうかですが、売上と理念浸透には相関があるという調査があるので、それは別の機会にご紹介したいと思います。
ただし、50年以上成長する偉大な企業になるためには、理念浸透が大事、というのは、かの有名な「ビジョナリー・カンパニー」にかかれていることでもあるので、偉大な企業になるための、十分条件ではありそうですね。ということは、売上にも寄与しそう、という仮説は成り立ちます。
以前、日本ダイレクト・マーケティング学会にて、前会長で、明治大学で教鞭をとられていた上原征彦先生も言っておりました。
「シェア拡大、差別化ともに実現できる最強の戦略は、ブランド構築である」
と。
ですので、ブランド構築は売上に寄与すると、明確にデータを持って示す私たち業界の努力が必要と感じています。
しかし、実は会社全体の業績と理念浸透には相関がある、というデータがあります。それはまた次回、その2にて紹介したいと思います。
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