経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2018.07.06

新しい文化をつくる。それが、誰かを救う力になる。

【BRANDING PERSON 第3回】 テーブルクロス 城宝薫

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BRANDINGに携わる人に焦点をあてる「BRANDING PERSON」。第3回目は、社会貢献できるグルメアプリ「テーブルクロス」を運営する株式会社テーブルクロス代表の城宝薫氏。外食をする時にアプリから予約をすると、予約した人数分の給食が途上国の子どもたちへ届けられるというのが同アプリの特長だ。大学在学中に起業し、日本の寄付文化を変え、「貢献することが当たり前の社会」の実現を目指す彼女の原動力を探った。

 

飲食業界のIT×寄付という発想。

祖父が起業家で社長だったこともあり、小さい頃から社長になりたいと思っていた城宝氏。中学・高校時代から生徒会長を務めるなど、組織のトップに立つことを学生時代から経験してきた。大学在学中に起業し、テーブルクロスを設立。予約した人数分の給食が途上国の子どもたちへ届けられるという発想はなぜ生まれたのか。「小さい頃からよく海外に行っていて、途上国ではゴミ山からスパゲッティを引っ張って食べるようなストリートチルドレンも目にしていました。現実を知ってしまった責任もある。これはなんとかしなければと感じました」。高校生の時には、文化交流の一環で親善大使としてアメリカ フロリダ州のオーランド市を訪れ、そこで利益を出しながら障害者支援をしているNPO団体と出会う。「課題を解決するため仕組みをつくることこそ、これからの日本には必要だと」感じたと城宝氏は言う。日本の中で寄付への考え方を変えられれば、それは大きな社会貢献につながる。「誰もやっていないし、やるしかない」。そう考えて仲間を集めた。もともと、飲食業界のITの底上げをしたいと考えていた。飲食業界はまだまだIT化が発達していない。「シンプルで、分かりやすくて、誰もが使えるようなものがあればと思っていました」。

 

寄付文化を変えるインフラをつくりたい。

途上国の子どもたちに沢山の給食を届けるために、「テーブルクロス」を始めた城宝氏。「食べるために働かないといけない子どもたちに給食を届けることで、学校へ行くきっかけをつくることができます。私が実際に現地で救うことができる子どもの数は限られている。だからこそ、より多くの方々と協力をして、たくさんの企業が参加できるインフラをつくることにしたんです」と話す。子どもたち自身が夢や未来への希望を描けるような世界をつくりたい。そのために、日本の寄付文化を変えようと考えた。「お店の予約が、誰かのためになる文化づくり」。他社の予約アプリにはない大きな特長は、こうして生まれることとなった。「今後は、飲食ではない分野への展開も考えています」と城宝氏は言う。日本の寄付文化を変えるためには、飲食業界だけにとどまってはいられない。そこに市場があれば打って出る。そうすることで、日本の社会が、そして世界が変わっていく可能性が広がっていく。起業時には、夢を語ることでしか人を集められなかった。ただ、「一つの組織を作っていく上では、この指とまれと言って、向かうべき方向を指し示すことが大事」。現在地はどこで、これからどこに向かうのか。同じ志を持つ仲間とともに、常に先頭に立ち、新しいことへと挑戦を続けていく。

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文化をつくり、支援する。民間企業だからできること。

テーブルクロスのターゲットは、ペットボトルを捨てる時にキャップを外して捨てる人だと城宝氏は言う。キャップを外して捨てる人にメリットはない。それは習慣であり、少しでも良いことをしたいというモチベーションだ。「キャップを外して捨てることは、私たちのサービスの予約と似ていると思うんです」と城宝氏は言う。「特別自分のためにならなくても、誰かの役に立つならやってみよう」という考え方だ。習慣の中にあり、金銭的負担もかからない。手軽に始められる社会貢献として、日本人の気質に合っているとも言える。国と国同士の取り組み・支援ではできないことも、民間企業ならできる。一人でも多く賛同してくれる人を集め、寄付文化を変えることを目指す。「来日した外国人が、ここから予約したら自国のためにも日本のためにもなると思ってくれたら嬉しいですね」と城宝氏は話す。目標は、年間4000万食の給食を世界に届けること。つまり、4000万人の予約が必要だ。その夢を実現するために、ITの力を駆使しながら新しい文化をつくり続けていく。

 

文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

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城宝薫
株式会社テーブルクロス 代表取締役

1993年生まれ。立教大学経済学部在学中に企業と提携して新商品開発を行う学生団体「Volante(ボランチ)」を創設し、関東、関西、台湾に支部を広げて活動。中高生時代の生徒会活動や浦安市とアメリカフロリダ州オーランドを繋ぐ親善大使活動などを通じて、ビジネスと社会貢献の融合への関心が高まり、テーブルクロスの事業を考案。社会人や投資家などの支援により、大学3年生の時にサービスを本格始動させ、現在も精力的に活動中。7月9日(月)より、「商品・サービスグランディング」で全3回のインタビュー連載が始まる。

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