2022年9月15日、オンラインにて日本ブランド経営学会サロン第43回が開催されました。
日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。
まず最初はライトニングトークです。トップバッターは軒先珈琲®の創業者、株式会社まちリノベ2級建築士事務所代表取締役の佐藤紘孝氏。千葉での「軒先珈琲®」の試みについて話してくださいました。
次は株式会社クォーターバック代表取締役・山田裕一氏。「オフィス空間を利用したコーポレートブランディングの試み」についてコロナ禍を経て、自社での取り組みに関して、発表くださいました。
3番目は森田蒼良氏。カナメヤ高校生団体高校生会議シャチ校の代表を務めています。愛知県の高校1年生。「高校生ブランド」について発表くださいました。
今日のメイン登壇は、鵜飼哲矢氏。建築家で九州大学大学院芸術工学研究院環境設計学科デザインストラテジー部門教授です。「場の力、見えないものを力にする」がテーマです。「見えないものを見えるようにするのがデザイン」と鵜飼氏は言います。建築家・丹下健三氏の事務所で建築家として研鑽を積みます。丹下氏の代表作、代々木体育館などを例に、その傑出した例で「見えないものを見えるようにするのがデザイン」について説明くださいました。
また、日本の人口が明治維新以降急激に増加し、2006年にピークを迎え、人口が減る中ではこれからの成功体験が通じないということを意味すると言います。しかし、だからこそこれからは何でも出来るチャンスであると学生に伝えているそうです。
通称「原爆ドーム」。これは原爆ドームという建物ではなく、元は広島産業奨励館だった、という話をします。広島県は戦後復興のときに、その目の前にある中之島公園の建築コンペを行います。丹下健三氏が勝利するのですが、川に挟まれた対岸にある広島産業奨励館を活かしたプランだったそうで、だからこそ「原爆ドーム」として、後世に残ったのだと鵜飼氏は言います。
さまざまな丹下健三氏のエピソードを披露しながら、「言われたからやるのではなく、もっとこうしたらよくなる。自分を否定しながらつくる。それがクリエイティブだ」と定義します。丹下健三氏は「作風がない」と批判されることも多かったと話します。「場を見る力、人間を見る力」があったからこそ、代表作が数々生まれ、それが戦後日本のブランドになったのではないか、と指摘します。
このあとはブレイクアウトルームにわかれ、熱い議論が交わされました。
次回のサロンは11月。10/22(土)は年に1回の研究発表会となります。
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