2021年5月20日、オンラインにて日本ブランド経営学会サロン第29回が開催されました。
日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。
ライトニングトークでは、ヤマグチ タツヤ(ヨハク代表/日本ブランド経営学会理事)とあいざわ ゆういち(市民団体パパレヤマ共同代表)さんが登壇してくださいました。
まずはヤマグチ氏の発表です。自身の趣味でもある「歌詞解釈」のYouTubeを題材に、自身の視聴者とのコミュニケーションから、ブランディングしていくときの大切な点について発表していただきました(下記図版-ヤマグチ氏作成)。
次はあいざわ氏の発表です。普段はAI分野でのエンジニア。そして休日は千葉県流山市でパパレヤマを運営するパラレルワークをされています。自身の育児休業の経験を題材に、「人は自分自身の機能に目を向けさせられ、自分のあり方を忘れてしまうのではないか」と問題提起します。土曜日朝の対話など、取り組みの事例や、その運営での発見をいくつも発表していただきました。
そしてメインの登壇は鵜川 洋明(ミラクカンパニー株式会社/代表取締役)氏です。1996年に化粧品会社に入社。ミラクカンパニーを2013年に起業し、「場をデザインする」をテーマに組織へのファシリテーションや個人へのコーチングなどを行い、年間約2500人のみなさんと接しています。
今回のテーマである「組織のビジョンVS個人のビジョン」。しかし、組織のビジョンと個人のビジョンはまだ「VS」の領域に行っていないと鵜川氏は指摘します。また人には「つながりの実感」が大切であるとし、「存在意義」、「仲間/チーム」、「希望/可能性/意味」、「影響の波紋」と4つのポイントを示し、この4つの総量が大きいと、個人も社会も幸せになれる、と言います。
前職時代、「期待が強迫観念」に変わってしまった経験があり、1ヶ月位会社に来られなかったことがあったそうです。「会社の枠を取っ払って自分が本当に何をしたいのか」これを考える時間が必要だと鵜川氏は訴えます。会社を期待を考えるのではなく、心の底から自分は何がしたいのかを考える時間。それには心理的安全性が重要なのだそうです。
さまざまな自身の経験や研究を経て、鵜川氏は個人がビジョンを生み出し、書き出せるようになるワークを開発しました。「why→Key idea→vision→happy」という4段階のフレームに沿えば、ビジョンの解像度が上がっていくと言います。
そして、内省と行動を繰り返すこと。それが組織と個人の重なりをつくることにつながるのだそうです。
その後はいくつかのブレイクアウトルームに分かれ、それぞれのルームでディスカッションが行われました。
毎回このディスカッションでは、成功話だけではない、苦労や失敗などのブランディングの実践における、生々しい議論が繰り広げられています。次回のサロンは6/17(木)19:30〜の開催となります。
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