採用難から逆転する唯一の方法は理念である。
採用に知名度は関係ない!
12/6の東洋経済の記事で、「丸亀製麺社長『高時給だけで人は集まらない』」が公開されました。時給だけではない採用の鍵として、制度面の設計や自由に発言できる社風、「一緒にお店を作りましょう」という姿勢を粟田社長自ら挙げています。
丸亀製麺はその店舗数やCM露出などもあり、誰でも知っている店名です。ですからもちろん人も他よりは集まりやすい傾向にあることはあるでしょう。その上で、制度設計やその姿勢があれば、さらに集まりやすくなるはずです。アルバイトやパートでも安心感があります。
制度設計やそのような姿勢を押し出すことは、大企業以外の企業も見習うべきだと思います。姿勢を押し出しても、それを風土にするのは時間がかかりますが、まずトップがそう決断しなければいつまでたっても浸透はしません。
しかし、そのような制度設計、姿勢を丸亀製麺と同じように押し出しても、同じような業態の店舗なら、やはり応募者は丸亀製麺に行ってしまうでしょう。アルバイトなら「場所✕時給✕時間」で決める傾向が強いと思いますが、もしそれらが同じなら知名度の高いところに行きがちですし、そもそもアルバイトでの求人検索で丸亀製麺の名前を入力して調べるかもしれません。アルバイトが知名度に影響をうけるのだとすれば、新卒、中途社員であればなおさらです。
採用難に悩む中堅・中小企業が大企業に勝つための方法は、粟田社長の言う「姿勢」がヒントになります。この文脈で言われている、単に直接的に従業員にメリットのある姿勢ではなく、企業としての姿勢、つまり理念です。
制度や給与で勝てないのだとしたら、それは志に訴えるしかありません。いや、それが制度や給与に勝てる唯一の方法なのです。そしてそれはデータにも現れています。これまでも何度も紹介してきたデータですが、リクルートマネジメントソリューションズが示したデータ、「ビジョン共有力が業績指標の向上の起点になっている」ということです。制度や給与で仮に入社したとしても、同じように制度や給与のいいところがあればそちらへ行ってしまいます。その意味でも、実は制度や給与のみを押し出して採用をしても非効率になってしまうのです。
ということはつまり、社内でのビジョン共有、理念浸透はさることながら、最初から(採用時)から理念に共感する人を集めれば、強い会社がつくれるはず、という理屈になります。ではそれをどう実行するのか。長くなりましたので、ぜひ下段にある各記事を参照してみてください。採用ブランディングのヒントがそこにあります。
文:BRAND THINKING編集部
- 一貫性のある組織の成否は、採用から始まっている。
- 戦術ばかり学んでも活かせない。
- 採用において、条件勝負は必ず負ける。
- 採用における会社説明会の理想的構造。
- 採用ブランディングの出発点はインナーブランディングだ。
- 採用を成功させるためのブランド論 実践編①〜独自の採用フロー構築
- 採用を成功させるためのブランド論 実践編②〜コンセプトの重要性
- 採用を成功させるためのブランド論 実践編③〜こんなツールは失敗する。
- 採用を成功させるためのブランド論。理論編
- 採用力を高めることで、企業の成長を後押しする。#3
- 採用広告はなぜ制作者によって結果が大きく違うのか。
- 採用広報を通常の広報と一緒にすると痛い目に会う。
- 組織の価値観で差別化できたら強い。
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