経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

1000円出しても、食べたいハンバーガーを広めたい。#2

【バーガー研究家・白根智彦のバーガー・ビジョン 第2回】

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今や「ハンバーガー」のお店は日本全国にあり、誰でも手軽に食べられる。ハンバーガーを食べたことのない人はごく少数だろう。そんな中「正しいハンバーガー」の認知を広めるために「バーガー研究家」として活動している人物がいる。その名も「黄色い社長」こと白根智彦氏。株式会社イエローズ/株式会社シェアハピネスの代表取締役として飲食店も経営している。白根氏に飲食店経営やバーガー研究家になった経緯や、今後の展望を聞いた。

 

和食屋でプロデュース感覚が身についた。

——-先程、「1つ目のターニングポイント」と仰っていましたが、他にターニングポイントがあったということですか?

商品開発をやって15年後くらいに、JRが駅ナカといって駅の中にお店を作るということをやり始めたのですが、プロデューサー的な立場として和食屋を作ってほしいと、いきなり上から言われました。ものすごく驚きましたがその事でまた人生が変わったかもしれません。それが2つ目のターニングポイントですね。

——-どのように人生が変わったのでしょうか?

先程の話とも関わるんですが、和食というものを全くできない僕が、和食屋を起ち上げるにはどうすればいいかなというプロデュース感覚がその時に生まれました。これまでファーストフードに関わってきて、全てマニュアルがある中で、それに沿って仕事をしてきたわけですが、急に和食になるとこれまでのことは白紙になり、一から考えないといけません。価格のイメージやマーケティングなど、そういうところからです。それを実際にお店で働く店員や料理人に動いてもらう前提で考えないといけないわけです。例えるなら、僕が監督で、1つの映画をつくるために、役者に動いてもらうような感覚です。全く視点が変わりました。

——-できないことにも果敢に向かっていくタイプなんですね

果敢に向かっていかざるを得ないんです。もうそういう流れになってしまっているから。だから良いのか悪いのかわからないですけど、会社を作るまでは、全て会社からの任務なので自分の意思はなかったですね(笑)。

 

学校に通ったことが起業のきっかけ。

——-どこで起業しようというふうに心変わりしたんでしょう

スクーリングパッドという飲食ビジネスの学校があって、そこに通っていた時期がありました。そこにはデニーズやファーストキッチン、ロッテリアやモスバーガーの人など、ここはヤポネシアンクラブという業界の商品開発者の勉強会の人たちです。飲食業界の人たちがたくさんいましたが、みんな飲食の会社を起ち上げようとしている熱い人たちでした。その中で僕も自分でお店を経営してみようかなと思うようになりました。今でも彼らとは付き合いがあり、今の会社の株主はこのときの仲間です。

——-創業当時の苦労はありましたか?

自分が料理長としてお店にたつわけではなくて、チェーン展開をする前提なので、何をいくらでどのように売って、といったようなフォーマットを作ることが大変でした。割烹料理屋の「賛否両論」の笠原さんが18席までのお店しかやらないと言っています。なぜ18席しかやらないかと言うと、18席までだったら、職人全員がお店にいなくて、仮に自分ひとりになったときのお店を回せる限界が18席ということらしいです。でも僕は料理はしないので、僕がいなくてもお店を回せるようにしないといけない。その視点で考えないといけませんでした。

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1000円出しても食べたいハンバーガー。

——-今度はハンバーガーについて深掘りさせてください。ハンバーガー研究家になったきっかけは何なのでしょうか?

ハンバーガーを正しく理解している人はあまりにも少ないです。そもそもファーストフードのハンバーガーと、グルメバーガー、もしくはプレミアムバーガーというものは全く違う食べ物です。どこのハンバーガーが好きですかと質問したときに、大体が某ファーストフードのハンバーガーを答えます。それはそれでいいとは思いますが、ファーストフードのハンバーガーとグルメバーガーは違う食べ物として定義しています。そこがなかなか伝わりません。テレビとか雑誌のメディアでは聞かれることはどちらかというと、ファーストフードのことが多いんですが、本業はグルメバーガーを研究することです。1000円出してでも食べたいハンバーガーがあることを皆様にわかってもらいたいと思っています。

——-そもそも1000円だしても食べたいハンバーガーがあることを広めたいと思ったのはなぜですか?

今から8年前、もう会社に学ぶことはないと思い、辞めようと考えていましたが、そのときに社内でグルメバーガーをやろうという企画があったんです。そこの会社での卒業制作と思って、その案件に携わろうと思ったところが最初です。もう今はなくなってしまったんですが、「THE BEAT DINER」というお店を作りました。その当時、ハンバーガーの高級化が始まりだしたころでした。でもグルメバーガーのお店を企業でやっているところはどこにもなかったんです。みんな個人経営で、自分が職人としてハンバーガーを作る前提で起ち上げているんですよ。でも僕はあくまで企業として、グルメバーガーのお店を何店舗も作ろうと考えました。そこで誰でもグルメバーガーを作れる仕組みを作りました。今のベッカーズはその時に僕が考えたことが生かされています。

——-先程仰っていたプロセスを考えることが活かされているわけですね。

そうです。マニュアルに従って、もともとプロじゃない人でもグルメバーガーを再現できるようにしました。自分の技術のすべてを棚卸しして、店としての収支とか原価率などのリストをいろいろ作ったりもしました。この経験が、その後のお店をつくることのコンサルタントをする上で非常に役に立ちました。

 

(第3回へ続く)

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株式会社イエローズ 代表取締役・バーガー研究家
白根智彦
大学卒業後、ハンバーガーチェーン「ベッカーズ」の創業メンバーとして入社。
幅広い店舗のプロデュースの経験をきっかけに、株式会社イエローズを設立。
同時に、社内でハンバーガーの商品開発を行ったことをきっかけに、バーガー研究家となり、正しいハンバーガーの認知を広めるために活動中。

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