経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

すべての総務は、戦略総務へと変わる。

【月刊総務のブランド論 第1回】

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月刊総務は創刊から54年続く老舗雑誌。これまで何回か出版元の会社は変わったものの、月刊総務のブランドはずっと続いている。わかっているだけでも3人の編集長がこれまでいた中で、脈々と受け継がれ、そして何を変え、これから企業の中にある総務をどう変えていきたいのか。総務の未来とブランド論を、現在の編集長、豊田健一氏に聴いた。

 

誰もやらなかったことを、やってきた強み。

——これまでと今で、月刊総務という雑誌の強みを、どう捉えていますか。

幅が広いが故に、総務という仕事を本腰で取り組もうとすると気が滅入るんです。たいてい、何から手を付けていいかわからなくなります。でもそこをなんとか事例を集め、理論化することができないか。その丁寧な整理を続けてきたことがこれまでの月刊総務の強みだと思います。総務も幅が広いですが、経理、財務、人事、広報と分解すればわかるはず。どの企業も、最初は「総務」がこの4分野を一人でやるはず。それが企業の成長に合わせてだんだん分化していくのですから。最近の月刊総務の強みは、これまでの歴史の積み上げを活かして、いろんな人や企業を巻き込んでいくことができているということです。定期的に、月刊総務主催で総務の部署の人たちが集まり、情報交換を行うサロンを開催しています。今まで、総務の人の情報交換の場がなかったので、大変好評で上手に活用されている方もいます。また、2016年9月からダイヤモンド・オンラインとコラボして、経営×総務ということで、発信を行っています「総務」の経営における重要性をより広く伝えることにつながっていると思います。

 

すべての総務は、戦略総務へ変わらなければならない。

——月刊総務としては、「戦略総務」という言葉を最近強く提言されています。

「戦略総務」とは、簡単に言えば、企業を変えるコア部署として、総務自身が戦略性を持ち、存在していくことです。なぜ総務は「戦略総務」にならなければならないのか。それには3つの要因があると思っています。ひとつは、「Attraction & Retention & Innovation」というキーワード。「Attraction & Retention」の具体的な施策としては、ダイバーシティ、健康経営、社内コミュニケーション活性化と言えると思いますが、これらをやるのは誰か?と言えばまさに総務の仕事と思います。また「Innovation」とは、偶発的な出会いや発想をオフィスレイアウトでつくること、などが挙げられます。2つめは「総務のグローバル化とBPOの活用」です。欧米の企業はすでに戦略総務として企業の中心になっているところが多いですね。そしてそのような企業はBPOを積極的に活用しています。一方日本企業はまだ「外注」が中心。BPOとは業務設計、企画、遂行までを外部に委託します。3つめが「総務の重要性、可能性への期待」です。日本企業でも、グローバルで総務を経験したプロフェッショナルを積極的に採用する動きが見られるようになってきました。これはまさに、総務の重要性、期待を如実に表すものと思われます。

 

アメリカでは、ファシリティ・マネジメントとして確立。

——外資の事例や先端理論なども積極的に紹介されています。

残念ながら、日本では、総務が評価されることはあまりないのが現状です。自分自身、リクルート時代、営業から総務に行ったときは、本当にがっかりしました(笑)。でもそこを成長の場として捉えると、総務という場はとても楽しい現場です。なにせ、社内の困ったことがすべて集まる。文字通り「何でも屋」なのですが、社内人脈は増えますし、誰がどのスキルを持っているかも見渡せるようになっていきます。社外とのつながりまで視野に入れれば、仮に転職してもつながる、いわば「自分ブレーン」を構築できる部署でもあるのです。一方で、総務を「誰でもできる」部署としてとらえると、一気に「落ち武者」のように、何も得られない時間になってしまうと思いますね(笑)。こんな日本の現状を変えたい、総務を誰もがスキルアップの場につかえるようになってほしい、という思いを込めて、アメリカの事例なども積極的に紹介しています。アメリカでは総務は「ファシリティ・マネジメント」と言われていて、企業資産をいかに戦略的に活用していくか、という視点で理論構築も進んでいます。専門誌もあり、だいたい活躍しているカッコいい人が表紙に来ています。自分も「ああなりたい」と思わせる、日本におけるそんな総務の専門誌を目指したいですよね。

 

文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

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月刊総務編集長 豊田健一
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長を経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の総務向け専門誌『月刊総務』編集長。総務育成大学校主席講師。総務経験、社内報の企画編集の実績を生かした総務と社内コミュニケーションのコンサルや講演など多数。著書に「マンガでやさしくわかる総務の仕事」(日本能率協会マネジメントセンター)。

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