経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

強みを組み合わせて、弱点をゼロにするチームをリアルにつくる。

【シンクスマイル「HoooP~フープ~」のブランド論 第2回】

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ショップカードやポイントカードを一括してスマートフォンに入れることができる「Ziriri~ジリリ~」、ネイルや美容室などのお試し体験サイト「torakore~トラコレ~」などさまざまな自社サービスの開発・販売を手がけるシンクスマイル。これまで多くのメディアで取り上げられた注目の理念浸透ツール「HoooP~フープ~」がさらなる進化を遂げている。今回は「HoooP」のブランド論を掘り下げるとともに、今後の展望を代表取締役・新子明希氏に聴いた。

 

離職率30%から8%。業績177%アップ。

——「HoooP」を導入することで具体的にどんな効果が得られるのでしょうか。

「HoooP」のルールは、たった一つだけです。全社の価値観に沿ってつくったWeb上の「バッジ」を社員同士で送りあってもらうだけです。例えば弊社なら「自分経営」というバッジがあります。これは「自ら決め、自ら動く」という意味を込めていて、主体的に動こう!というバッジなのですが、これに沿った行動を取ったと思った人にこのバッジを送りつつ、感謝や褒めのポイントも書き込みます。私たちはクライアントさんに1人、1日1回、誰かにこのバッジを送りあってください、とお願いしているんです。たったこれだけのこと、と思うかもしれませんが、これだけのことでとてつもない効果が出ています。例えば、とあるクライアントの結果ですが、1年間続けて30%だった離職率が8%に下がりました。また別のクライアントでは求人への応募が315%アップ。業績が177%アップした会社もありました。自社の価値観に合う「バッジ」を「感謝」や「褒める」のコメントともに贈り合うだけで、これだけ変わるんです。なぜか。そこには明確な理論があります。

 

企業文化は、普段のコミュニケーションがつくる。

—— 理念を決めても、決めただけでなにもしない企業がたくさんあります。

ビジョン、ミッション、クレドやバリューと言われるような理念体系を整備しても、それが企業内に浸透する「文化」にならなければまったく意味がありません。しかし現実的には理念が掲げられているだけの企業が多いように思います。ハーバード大学の研究では、企業の成長は「事業領域」✕「企業文化」だと定義しています。つまりこれを言い換えると「何で戦うのか」✕「どんなチームをつくるのか」ということです。しかも、企業文化が及ぼす影響が8割との結果も出ています。どんなにいいサービスをつくっても、いいチームでなければそれは広まりません。私は、いいサービスは、いい企業文化がつくる、と言っても言い過ぎではないと思っています。では、その企業文化は何が作るのか。それは社員同士の普段のコミュニケーションです。しかし、コミュニケーションはこれまで見えませんでした。見えないから、コントロールできなくなるんですよね。だから極端に言えば、社長の思いつきや気分が、その企業の文化にさえなってしまうこともある。売上の話ばかりになれば、そういう企業になるし、お客様の話を積極的にすれば、そういう文化がつくられていくのです。

 

強みを組み合わせれば、弱点はゼロになる。

—— コミュニケーションを見える化するところに「HoooP」の強みがあるんですね。

まずは「HoooP」でふだんの社員のコミュニケーション量を見える化してほしいですね。そうすると、その個人が得たバッジの数に応じた「波形」が出るんです。例えば「熱血」というバッジがたくさんの人は、当然熱血のところが「尖る」。面白いもので、だいたい2つくらいがその人の「個性」として浮かび上がってきます。ここから当然、部署ごとや企業全体の「文化」が見えるようになってきます。どんな「バッジ」が多く送られているのかで、その企業の現在の状態まで見えるようになってきます。私たちが思う文化をつくる究極は、このコミュニケーション量を測定し、同時に評価制度に落とすことだと思っています。そうすると例えば、「リーダになるには◯◯のバッジを◯個以上もらうように動いてみて」というふうに定量的に人のマネジメントを行うことができるようになるんです。曖昧さが排除されますし、言われた部下も具体的な目標ができる。弊社では実際にそういうマネジメントをしています。結果、新卒入社5年目の社員が新規事業を立ち上げたのですが、その事業でもうすぐグループ会社の社長になります。人の強みが見えるから、その強みを組み合わせて、弱点をゼロにする。ドラッカーがその昔言っていた話が、現実的に可能になるんです。

(第3回は12/26月に公開です)

 

***
_46a7668株式会社シンクスマイル 代表取締役 新子明希

19歳で営業代行の仕事を起こす。2007年、コンサルティング会社の設立を経て、2011年、シンクスマイルに商号変更。「HoooP」は2010年に自社の理念浸透目的で開発したのが始まり。褒めるを可視化する、というコンセプトが注目を集め、さまざまなメディアで取り上げられる理念浸透ツールである。

 

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

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