経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

辞めない会社は、採用でつくっていく。<前編>

オフィスボストンの採用ブランド論 前編 

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サービス業界はとりわけ人材難が叫ばれる業界。パチンコとなるとさらに人材を確保する難易度は増して行く。その中で大阪において20年以上前から毎年新卒採用を行い、ほとんど入社した人が辞めない会社が存在する。それがオフィスボストン。パチンコ・スロットのマジックバード10店舗を中心に、カフェレストラン4店舗、コーヒーワゴン事業を9店舗など、パチンコ・スロットで培った接客や店舗づくりを活かし、さまざまな業態を展開する。今回はその驚異の人材確保術について、総務部の採用研修課、外川優子氏に極意を聴いた。

 

会社の文化に合う人を説明会から動員する。

——ほとんど人が辞めない、というのは業界においてとても珍しいのではないでしょうか。

ここ最近の離職率は2割も行っていないのではないでしょうか。社長も「なんで辞めないんだろう」と言うくらい(笑)。ただし業界的にはとても人材は流動的です。私たちには文化になっていることなので、あまり気づきませんが、その要因として考えられるのは、仕事もプライベートも一緒にして「楽しむ」スタンスであるということ。例えば私はJ-ROCKなどの音楽好きが集まる社内サークル「ライ部」の部長でもあるのですが、後輩たちと一緒にライブによく足を運びます。そうした時間の共有が、仕事のチームワークにも現れると思っています。だから採用時点から趣味の合う人を採用するための説明会も開催しています。「J-ROCK好き説明会」や「マンガ・アニメ大好き説明会」、「阪神タイガース大好き説明会」などです。これも会社の文化なので、文化に合う人を採用する、という考え方です。そこで共感できれば、きっと仕事も楽しくなるし、頑張れる。というのが私たちの考えです。

 

来る人の「質」は上っている。

——業界的に採用は苦戦しそうですが。

苦戦していないといえば嘘になります。20人内定出しして7人内定です。でも業界全体を見渡せば、なかなか新卒採用できない企業も存在しますので、かなり善戦しているほうだと思います。しかも毎年、自社にマッチする学生の質は向上していると感じています。それは当社の社長もそう感じていて「年々顔つきがよくなっている」と言われています。また母集団に関しては、毎年説明会の回数やイベントへの参加回数を増やしているので、他社ほど大きく人数を減らしているわけではありません。毎年1000人前後はナビ媒体のエントリーや合説イベントでの接触で確保できていいます。ただ難しいのは、競合企業への対策よりも業界的に親への説得。年々その傾向に拍車はかかっています。本人が行きたいと言っても、親の猛反対で辞退するという例もあります。これに関しては「あの会社、イイじゃない」、と親御さんに思ってもらえる企業に弊社がなっていかなければいけませんね。

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社員の1割が採用に関わっている。

——最終まで面接が4回あります。2回とか3回で終わる企業多いですし、業界的に早めに人員を確保したいので、なるべく回数を少なくする企業も多いと思いますが、このあたりは何か考えがあるのでしょうか。

最終的に5回、6回と会う学生もいます。やはり会社の価値観とか文化に沿うとか、そこに共感してから入社してもらわないと、ミスマッチになりますし、結局辞めてしまうと思うんですね。ここを丁寧にやることはもしかしたら、その後の離職率の低さにつながっているのかもしれません。採用フローでは、選考の中に私が入ることはありません。1次面接が現場に近い責任者。2次面接が店長もしくは課長。3次面接が課長、最終が部長です。私は採用全体のフローをコントロールするだけでなく、誰に誰をリクルーターとしてつけるかなどを調整しています。また自身もリクルーターとして、面談を重ね、学生の不安を払拭したりする動きをしています。弊社のリクルーターは17名。そう考えると、社員の約1割が採用に関わっていることになります。これも、もしかしたら離職の低下に一役買っているかもしれません。「なんで入社したんですか?」とか「仕事のやり甲斐はなんですか?」とか学生から聞かれますからね。それに答え続けることは、自分の仕事人生を肯定していくことですから。社員からすればいい振り返りの場かもしれません。

 

文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

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株式会社オフィスボストン 総務部採用研修課 外川優子
1996年オフィスボストン入社。パチンコホールで店長を経験後、2007年から人事採用担当。社内では「音楽をこよなく愛し、音楽をこよなく楽しみ、音楽で元気をもらっている」ライ部部長。部員(社員)とともによくライブ会場へ足を運ぶ。

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