法律で決まっているわけでもないのに、ほぼ同じフロー。
フローに「違い」が出るから、差別化される。
BRAND THINKINGでは、採用領域でのブランディングは、企業ブランド構築の入り口であるとして、これまでも採用領域のブランド構築に関して度々扱ってきました。採用は実務的には個人レベルでさまざまな工夫やノウハウがありますが、研究や理論として発展していないがために非効率な面が多々あると思っています。
その中でも「採用フロー」に関しては、なぜかどの企業も「1次面接→2次面接→最終面接」と版で押したかのようなフローがよく見られます。誰にも「3回の面接で決めなさい」とは言われてないはずですが、多くの企業はそうします。もちろん応募者によっては面接を飛ばして、本当は3回だけど2回で終わる、ということはあるでしょう。
ブランド論的な側面から言えば(わざわざブランド論を振りかざさなくても)、ほとんどの企業がこのような採用フローになっていること自体「差別化されていない」と指摘することができます。法律で決まっているわけではないのですから、各社自由に自社の特徴を出した「採用フロー」を構築すべきなのです。
私たちがサポートした会社には「応募者に面接者を選ばせる」、「自社の商品(ラーメン)を食べながらの説明会」など、とてもユニークな企画を実践しています。重要なのは、突飛なアイデアではありません。その企業「らしさ」、もっと言えば採用全体を貫くコンセプトに沿って、採用フローが組み立てられ、その中でそのコンセプトに合致した企画が展開されていることです。
ブランド論的には、「強くて、豊かで、ユニーク」なブランド連想がユーザーの頭の中にできれば、人はそのブランドのファンになります。つまり、まったく他社と同じフローではこのブランド連想を養うことができないのです。採用フローという自社の採用のしくみさえも、まるごと独自性が出ているから、その企業のことを「感じられる」のです。そんな視点で採用フローを組み立てると、自社の「らしさ」が応募者にも伝わっていくのだと思います。
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