【TBI JAPANの採用ブランド論 第2回】
飲食、不動産、内装、美容、インバウンドなど多事業展開を進めるTBIグループ。「100社長輩出」「社員全員社長」を掲げる同社は、世界に誇るリーダーの輩出を目指し、常に「人」に投資してきた。内定承諾ゼロという危機的状況から、京大や名古屋大、慶応、早稲田など多くの優秀な学生集まるようになったTBI JAPANにおいて、入社1年目から人事部に配属され、同社の採用を劇的に改善させてきた木村リカルド氏に、TBI JAPANの採用におけるブランディングの重要性について聴いた。
足りなかったのは自分の言葉だった。
——採用担当として、どんなところに苦労しましたか?
1年目の頃はとても苦労しました。今思えば、学生目線に立ち切れていなかったのだと思います。説明会で会社の説明をしても、まったく伝わっていない。志望度も一向に上がらないという状況でした。何がいけなかったのか。その当時、採用活動で使っていた資料は先輩が作った資料でした。これが上手くいかない原因でした。その資料には自分の言葉がない。人の作った資料では、自分が本当に伝えたいことを伝えられないと気づきました。ある時、予定していた説明会に上司が出席できず、私一人で行かなければならない日がありました。これはチャンスだと思い、資料をすべて作り直し、自分が本当に伝えたいことだけを並べて説明会に臨みました。面白いことに、学生からの評価は上々。自分のスタイルを開拓すればいいと上司からも褒められました。これを機に、学生が何を感じていて、どうしたら興味を持ってもらえるかについて、かなり意識するようになりました。
「キッカケ」の数で人生は決まる。
——学生と接する際に、どんなことを心がけていますか?
その人の夢は何か。将来どうなることを望んでいるのか。まずはしっかりと聞いてあげることが大切だと思っています。もちろんその時に、私自身の経験談もお話します。合格・不合格の判断だけならそれほど時間は必要としません。でも必ず時間をとって、その人の人生にとってプラスになるような何かを残したいと考えています。私自身、学生時代にイベントビジネスをする機会があり、多くの経営者に触れる中で、たくさんのポジティブな「キッカケ」をもらいました。自分も人に影響を与えられる人になりたい。それが、私が経営者を志した理由なので、何か少しでもその学生にとって前向きな「キッカケ」を与えられたらと思っています。
尖ったメッセージだから刺さる。
——木村さんが採用を担当されるようになって、一番変わったことは?
学生の集客は、かなり変わったと思います。インターンの集客一つとっても、当時は「そこに予算をかける意味はあるの?」という反応が社内で多かったように思います。どう集めるかについて頭を悩ませていたとき、企業側から学生にアプローチする「逆求人」という方法を知りました。できるだけ学生の目線に立ち、メッセージを尖らせること。その2点を強く意識した結果、エントリー数が倍以上に増え、優秀な学生、理想のターゲット像に近い学生だけに絞って選考できるようになりました。インターンに関して言えば、「自社のことを一方的に伝えるもの」と「話題性重視のもの」と2種類あると思っています。TBIは後者を進めていたのですが、そうするとTBIに志向性のない学生も多くなってしまいます。それでは意味がありません。うちの会社は、リアルな経営のケースを通して実践的にビジネスを学べる「VABS」という実践経営大学(ビジネス・スクール)を展開しているので、それをブラッシュアップさせ、コンテンツの内容に自社の事例を入れることで、インターンの質も向上し、集客へと繋がったと思います。
(第3回につづく)
第3回「ターゲットを明確化することで、 本当に伝えるべきことが見えてくる。」
聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城
株式会社TBI JAPAN インフルエンサー・マーケティング事業部 事業責任者 木村リカルド
2015年TBI JAPAN入社。入社後、人事部に配属。入社1年目からTBI JAPANの採用責任者として、あらゆる採用活動の企画から実施までを担当。当時高かった内定辞退率を下げ、優秀な学生が集まる現在の採用活動の基礎を築いた。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して弊社は一切の責任を負いません。