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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

子どもの”好き”に真摯に向き合い、好奇心を未来に繋げる。

ピープル株式会社 取締役兼代表執行役 桐渕 真人インタビュー【前編】

桐渕 真人代表

ピープル株式会社は、乳幼児玩具メーカーのなかでも、ロングセラー商品を多く開発している企業です。「やりたい放題」や「お米のおもちゃシリーズ」、「ピタゴラス」に「ぽぽちゃん」など、子どもがいる家庭なら一度は名前を聞いたことがあるおもちゃばかりでしょう。では、なぜそのようなロングセラーの商品を生み続けることができるのか、また、そこにある想いはどのようなものなのか、ピープル株式会社代表の桐渕氏にブランドに欠かせない「想い」について聴かせて頂きました。

 

私達が、子どもの時代から変えていかなければいけない

–ピープル株式会社の使命や、大事にしている想いを聴かせてください。

 

桐渕:弊社では、おもちゃを通して、子どもの個性を伸ばしていきたいと考えています。自身が子育てをしていくなかで、日本は画一教育が弊害になっているのではないかと感じた経験が一つの理由です。これは、現代の子供だけではなく、画一教育で育った大人、私たち自身にも弊害であると感じました。
とくに私達の仕事は、子どもや家庭に楽しんでもらう仕事ですから、発想が飛躍していたり、自由であったりしなければいけません。しかし、画一教育によって、考え方が縛られているように感じたのです。画一教育というのは、教師側、学校側が管理しやすい仕組みであって、子どもの個性を伸ばすための仕組みではないので、そのままでは個性を伸ばす教育にはつながりません。そのような世の中だと感じたときに、子どもも大人も自ら「私はあれが好き」「私はこれをやりたい」といった個性や主張がなければ、社会のなかで役割がなくなってしまうのではないか……と不安に感じたんです。
そこで、私が会社の代表になった際、まずは会社の中から自由にしようとしたのですが、上手くいかきませんでした。きっと、今の大人が画一教育で育っているからだと思います。では、子どもの頃から変えていかなければいけない、そのために子どもの好奇心を爆発させなければいけない。その役割を担うのが弊社であり、同時に使命だと考えています。

 

好きを好奇心へ、好奇心を可能性へつなげるおもちゃ作り

–ピープル株式会社が大事にしている”個性”とはどんなものですか?

 

桐渕:弊社が考える”個性”とは「何が好きか何が得意か」です。子どもたちに「何をしたいのか?」という質問をしたところ、答えられない現状がありました。しかし、本当ならば好きなものや得意なものは、自分でわかっているはずです。ストレートに答えられないのは、好きを好きでいられない現状があったからではないかと思ったのです。
たとえば、弊社の商品で『ぽぽちゃん』という人形があり、私の次男はぽぽちゃんが大好きでした。しかし、3歳になると、隠れてぽぽちゃんで遊ぶようになり、5歳になると興味がない素振りをしました。これはきっと、周りの環境から「男の子だから」や「子どもっぽい」という圧力がかかったのではないかと思っています。また、仮面ライダーにハマった時期もあるのですが、小学校にあがる頃には「子どもっぽい」と仮面ライダーを遠ざけてしまいました。でも、もし仮面ライダーを好きなままでいたら、いつか本当に変身できるベルトを作れたかもしれませんよね。
このような可能性、個性を、社会が潰してしまっていると思うんです。だからこそ、子どもの可能性を広げる、子どもの好奇心を思う存分やらせてあげられるような社会にするための、おもちゃ開発に取り組んでいます。

 

本当に喜ばれるおもちゃは、細部までこだわらなければ作れない

–ピープル株式会社のおもちゃのなかで、とくにこだわっている部分について聴かせてください。

 

桐渕:とにかく時間をかけて、子どもも親も、本当に喜ぶモノを開発することに重点を置いています。赤ちゃんや幼児は、大人の予想外の反応をとるものです。赤ちゃんのためにおもちゃを買って与えても、おもちゃよりオムツで遊んだり、リモコンで遊んだりしてしまいます。そういった風景を見たときに「じゃあリモコンをおもちゃにしてしまおう」と、子どもの喜ぶものに対して真摯に向き合うおもちゃ作りをしています。では、実際にリモコンをおもちゃにする際、ただリモコン型のおもちゃにするだけではなく、より喜ぶ形にするためにはどういう形が良いのか、どの位の重さが良いのかなど、そういったテストを日々行っています。
たとえば、弊社の『くにゃかる!かみかみガラガラ』という商品は、「赤ちゃんは32g以上のおもちゃを持つのは難しい」とテストでわかったので、32gという重量にこだわりました。また、ロングセラーの「やりたい放題」という玩具は、数年ごとにモデルチェンジを行っていて、コードつきの電話からパカパカの携帯電話、携帯電話からスマートフォン、今ではタブレットに進化しています。その時代の赤ちゃんの興味に合わせて、本当に赤ちゃんが喜ぶものを作るために、開発に時間をかけています。

 

【プロフィール】

桐渕 真人代表

桐渕 真人
ピープル株式会社 取締役兼代表執行役

2005年3月:ピープル株式会社へ入社
2016年1月:自転車事業部長 就任
2016年4月:執行役 就任
2017年4月:取締役兼執行役 就任
2019年4月:取締役兼代表執行役 就任

名城政也

 
名城 政也

SEO記事からオウンドメディア、脚本や台本、HP文章までweb媒体の記事を多く手掛けるwebライター。 多趣味で幅広い知識を基にさまざまな記事を執筆。

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