経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

心が変われば、世の中はポジティブに、サスティナブルに。

【スタートアップのブランド論対談<ペライチ>第3回】

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このネット社会において、企業だけでなく、個人でホームページを持っている人も少なくない。しかしその中で、ホームページを作りたくてもパソコンが苦手で作れないという人もたくさんいる。そんな人のために、誰でも簡単に1ページのホームページを作れるサービスがある。それが「ペライチ」。サービスを運営するのは、株式会社ペライチの創業者である橋田一秀氏、山下翔一氏(写真)、香月雄介氏の3名。事業の立ち上げのきっかけやペライチのユーザーが広がることによって、世の中をどうしていきたいのかなどについて、パーソナル・ベンチャー・キャピタル代表で、BRAND THINKINGでも連載を持つチカイケ氏が迫った。

 

文:BRAND THINKING編集部 写真:落合陽城

 

応援とは見返りを求めない愛。

山下:ぼくは局所的マジョリティという言葉をよく使うんですけど、みんな生まれたときには優しい、みんないいやつなんですよ。でも育っていく環境の中で、「ヘンなクセ」がついてしまうことが多い。「自分のやりたいことをやる前に、まずは売上作ってからにしろ。もっと現実を見ろ」。とか言われるわけですよ。そんな中でだんだん自分に蓋をしていってしまう。「もっと自分のやりたいことをやっていんだよ、蓋を外して、もっと気持ちを解放していいんだよ、みんなで応援しようよ、助け合おうよ」ということが、僕らが言っていることなんですね。このような心理的安全性の担保された相互扶助なコミュニティを全国に作りたいと思っています。全国にこのようなコミュニティを作っていくと何がいいのかというと、このコミュニティの中では、誰かのために何かをしてあげる、応援してあげることが素晴らしいという価値観をもったコミュニティが出来上がるんですよ。世の中的にはまだそういう人たちは少ないかもしれないけど、こういう価値観をもった人たちをギュッと集めたコミュニティを作ることで、コミュニティ内ではそれが正義になっていきます。それを「局所的マジョリティ(局所的に多数派)を構築する」と私は呼んでいます。

香月:サポーターの人たちって基本的に活力のある人が非常に多いんですね。自分で事業をやっている人がいたりするんですよ。こういう人たちを見てすごく思うのは、活力のある人たちが世の中にもっと増えたらいいよねと思います。ただ理想と現実とのギャップがすごくて、経済的なことで会社をやめられなかったり、縛られたりしている人は非常に多い。このギャップを埋めるためのアイデアを今考えていて、そのためには何か動線を作ってあげればいいのではないかと思っています。例えば副業とかマルチワークもテーマの1つかもしれないし、会社で働きながら自分の活動をしやすくなるための何かを用意してあげることかもしれません。今はペライチという事業をやっていますが、ビジョンや価値観があっていれば、ペライチ以外のサービスでも全然ありだよねと思います。とにかくこのギャップを埋める何かを作りたいなということが、最近のホットなテーマですね。

山下:結局順番なんですよね。応援の根本というのは何も見返りを求めない愛という形なんです。例えばコップに幸せの水が注がれていて、それが溢れだしたぶんだけ、それが愛となって幸せを誰かに与えることができる。でも水が足りていなかったら与え続けられないんですよ、疲弊しちゃって。まずこの水が満ち足りている人たちを選別する。その後に、その人たちが活躍できる場所や環境を与えてあげる。そうすることで、幸せを誰かに与え続けることができ、満ち足りる人がどんどん増えていく。いきなり幸せの水が足りていない人たちに、一緒に頑張ろうぜ!と言っても仕方ないんですよ。だからサポーターの審査ってめちゃめちゃ厳しんですよ。審査の通過率はだいたい30%くらいです。サポーターには検定があるんですけど、例えばその人のフェイスブックの投稿を見てみて、利己的な考え方をしているなと判断したら、お断りさせていてだいています。かなりスクリー二ングしていて、現時点で自立して余裕があり、利他的な人だけを認定させていただいています。

 

人の心を整えることがすべて。

山下:僕らがやっていることは全て世界平和につながることしかやっていません。現代の日本は一部の人が多くの人たちを支えている窮屈な社会で、このままだとサスティナブルな社会を作れない。今、僕はペライチを半分くらいで、あとは地方創生に関することをやっていますが、地方創生における国の定義って知っていますか?それが何なのかというと、「地方の平均所得をあげること」なんですよ。それについてかっきーはどう思う?

香月:お金というところにフォーカスするのが、完全に間違っているわけではないんですけど、地方にいくと、その地方の人たちは別にお金が幸せの軸じゃない人もいる。じゃあなんで所得をあげるの?と言ったら、根本、国民の一人ひとりの幸せを追求することが政治家の役割ですよね?ということはつまり、所得があがるとういうことは大前提として、人が幸せになるためという仮定があるわけです。となると、全国の中で一番幸せなのは東京に住んでいる人になるということが言えます。でもそれって本当なのかと言われると、僕はそうではないと思っています。平均所得をあげるということを掲げるのは、政治家としては仕方ないことで、じゃあそれをどう実現するのかという「How」の部分が必要だと思います。で、Howの部分を実現するためにはどうすべきか。

山下:そうだね。私は田坂広志さんの著書の「目に見えない資本主義」の中にでてくる「目に見えない資本」ということが大事だと思っていて、例えば、情熱ということが資本だとしたら、国民一人ひとりの情熱の総量が増えることによってGDPがあがっていくとか、一人ひとりの、「誰かを助けたい」「何かをしてあげたい」という情熱が大きくなって、そのために新しいビジネスができて、産業が育って、その結果、平均所得があがるというのは意味がある上がり方だと思うんですよ。ただ単に産業が育って売上があがりましたよとなっても、その成功者たちが例えば日本中にいるホームレスの方々や生活困窮者の方々に手を差し伸べることってほとんどないわけですよ。だからそういう一人ひとりの優しさや、思いやりを大きくしていくことと、うまく経済を回していく仕組みの両方とも大事だと思います。結局、仕組みだけ導入しても、ベースである「人の心」を整えていかない限り、それは上手くワークしなかったり、その影響は小さいものになってしまうんですよ。

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サスティナブルな世の中のきっかけがペライチ。

橋田:だから僕らのアプローチは「心」と「仕組み」の両方を整えることが大事だと思っていて、両方が整っていくと歯車が噛み合っていきます。それを企業は「仕組み」の部分だけやろうとしているからうまくいかなくて、IT化を活用しようとしても、すごく表面的なエゴなやり方しかしない。だって困っている人たちからしたら別にペライチとかどうでもよくて、この人の状況に応じて何をしたらいいかってそれぞれ違うわけじゃないですか。お医者さんがなぜ信頼されているかというと、自分に応じた最適な処方や診断をしてくれるから信頼できるわけで、自分の得意な手術だけを勧めてきたら、その医者のことを信頼できないじゃないですか。

山下:だからペライチというサービスの前に、信頼できる人と繋がって、この人たちが評価されるような世の中をつくっていくことが第一。そこからペライチサポーターのような人たちが、親しみがあって、尊敬できる存在を育てていく。この人たちが人として尊敬される存在で、かつITとか経営もわかるような人たちがどんどんそこから増えていって、その人たちがコアとなって、コミュニティが形成されていく。そしてそのコミュニティに触れた人たちがどんどん優しくなったり、利他的になったり、思いやりを持てるようになったり、このようになっていくことが理想です。それができるようになると、いろんな問題が解決するようになります。例えば僕は、地域問題にとことん向き合って解決していくという財団の代表もやっています。そういう経験からも、地域課題の解決において、相互扶助なコミュニティを形成することの重要性が高まっていると言えます。

橋田:人の心が変わることによって、おじいちゃんおばあちゃんたちや介護が必要な人たちを、周りにいる人たちがちょっとでも気にかけてコミュニケーションをとっていくと、おじいちゃんたちもだんだん元気になっていく。対処療法ではなくて、根本的に健康寿命をのばしていくこともやっていかないといけないし、それを一部の専門家だけでやろうとするからすごく無理がある。根本的に世の中の構造自体を変えていかないと、サスティナブルな世の中になっていきません。そのきっかけがペライチでいいと思うんです。むしろそうだからこそ、いろんな人の共感を得ていて、我々はペライチを広めてくださいとサポーターに一言も言っていないんですよ。目の前のひとたちの悩みを聞いて、寄り添ってあげてくださいとか、自分たちの地元を盛り上げてくださいねとかしか言ってないけど、彼らはペライチの想いに共感してえ、広めてくれているんですね。でも、ペライチじゃないもののほうがいいと思ったら別のものを使うんですよ。彼らは中立だからこそ、ここはペライチのほうがいいけど、ここはペライチじゃないほうがいいと教えてくれます。だからこそ我々も成長する。サポーターとはそういう関係性なんです。

 

(つづく)

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代表取締役 橋田一秀(写真中央)
東京理科大学卒業後、株式会社NTTデータに就職。1年半で退職し、株式会社うるるでほぼ未経験ながらエンジニアとして就職。4年3ヶ月の勤務後、山下氏、香月氏を誘い、株式会社ペライチを創業。

取締役 山下翔一(写真左)
広島大学卒業後、株式会社ライツアパートメントにて、プロデューサー、WEBチームリーダーを歴任。中小企業から上場会社まで30社以上の経営戦略、マーケティング、PRを請け負う。株式会社ペライチでは、長期的なミッションやビジョンの言語化、経営戦略、マーケティング・PR戦略、サポーターコミュニティやセミナー周り運営、法人支援部および省庁や企業や自治体等とのアライアンス等を担当。

取締役 香月雄介(写真右)
中央大学を卒業後、新卒で制作会社にiOSエンジニアとして勤務。その後1年ほどフリーランスを経験し、エレビスタ株式会社の設計・開発・運用を担当。
株式会社ペライチでは、主にプロダクトの開発を担当。

chikaike

 
チカイケ 秀夫

パーソナル・ベンチャー・キャピタル代表。企業ブランディングパートナー/社外CBO(チーフ・ブランディング・オフィサー)。一部上場IT企業でベンチャー立ち上げ、グロースハック、企業理念策定や代表直下でグループでのさまざまなプロジェクトを担当。そこでの『ブランディング』を通して、現在は、個人/スタートアップ/ベンチャーへの支援を行う。




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