経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2017.05.26

なぜ自分たちの強みは気づきにくいのか。

「自分のことはわかりにくい」には理由があった。

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「解釈レベル理論」で説明できる自分のことを考える難しさ。

就職活動を経てきた方にはわかっていただけると思いますが、自分の強みに気づくことはとっても難易度の高いことです。自分の強みを元にした自己PRや志望動機づくりというのは、今も変わらず難しいことなのだと思います。

同様に自社の強みに気づくこともかなり難しいと言えます。外部の人間が入ることによって、「うちの強みってこんな感じなんですね!」と驚く方が多いという話をよく聞きます。

では、なぜ自分(たち)の強みにはなかなか気づけないのか。誰もが実感としてはわかるのですが、なかなかこれを明確に論理立てて説明することは難しいと思います。実は、このもどかしさを一発で消し去ってくれる理論があります。

それが、解釈レベル理論です。社会心理学で発達してきた理論ですが、近年ではマーケティングの分野でも応用が進んでいます。詳しくは、ぜひ早稲田大学の守口先生のブログを御覧ください。

早稲田大学商学学術院教授 守口先生のブログ
https://www.kanko-sp.co.jp/cooperation/sp/130924_1352.php

解釈レベル理論は、対象や出来事に対して感じる心理的距離によって人の解釈の仕方が異なり、距離が遠い場合には高次レベル、距離が近い場合には低次レベルの解釈がされやすい。

という理論です。

つまり、これを「自社の強み」を発掘するという作業に例えると、社員同士、自社のことを知りすぎているために、細かいところばかりに目が行って、とかくすぐにできる「改善」やもしくは「できない理由」を並べることが起きがちです。大局的なものの見方がどうしても難しくなるわけです。だから、強みにも気づきにくいわけです。

 

外部の人間は、客観的に気づけることが多い。

しかし、外部から来ている人間が見ると、その組織に所属していませんから、心理的な距離が遠いために、客観的に強みの発見がしやすくなるというわけです。

企業とはいえ、そこで働いている人間が判断することですから、「ブレ」が起きます。それは目の前の状況が変化し、大本の軸をブラしてしまうことで起きがちなのですが、これも、その状況の渦中にいるがゆえに、近視眼的なモノの見方になってしまっているのだと思います。

ブランド構築は、企業やそのブランドの「目的=軸」を決める作業ですから、そこはどんなことがあっても、ブレてはいけないところです。「一貫性が勝利をもたらす」とは、ブランド論をつくったアーカーも言っています。状況によって可変していいのは、手法の部分。どんな手段でブランドの目的を達成するのか。そこは、無数の打ち手があるはずで、むしろ変えていかなければなりません。

解釈レベル理論を理解すると、コンサルティング的な仕事の意義もよくわかります。しかし、高額なコンサルティングを行い、戦略だけは描いたけど、実行されない例はよく聞きます。そういう企業ほど、またコンサルティングをしてしまう。実にお金のムダです。ブランド論的な考え方からすると、価値観に合っていない(浸透していない)やり方だから、実行されないというわけです。

自分たちの価値観をしっかり理解してもらえる外部パートナーを探し、一緒にビジョンをまずは構築するのが得策です。

 

文:BRAND THINKING編集部

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