スタートアップのブランド論対談<ロッキンプール西川隼矢>第3回
ロッキンプールというスタートアップ企業をご存知だろうか。元スイマーで代表の西川隼矢氏(写真左)が、「もっとプールに人と笑顔を集める」の理念のもと、つくった会社だ。現在はプールでの撮影、水中ウェディングフォト、プールアイテムの開発など、プールを中心に多岐にわたる。超独自性を持ったロッキンプールに、スタートアップのブランディングの第一人者、チカイケ秀夫氏(写真右)が迫った。
撮影:落合陽城
イメージしたものは、素早く実現する。
チカイケ:西川さんは、人と会うときも、ちゃんとビジョンから話しますよね。
西川:そうですね、それは心がけています。
チカイケ:スタートアップの経営者としてはとても珍しいと思います。でもだから、色んな人が西川さんの話に引き込まれて、協力してくれる人が出てくるんだと思うんです。
西川:そこは、緩やかにチカイケさんにコントロールされているのかもしれない(笑)。
チカイケ:イメージしていることを実現していく力って、どこから来ているんでしょうね。
西川:もともとモノを作るのは好きで、例えば高校の頃付き合っていた彼女にそこらへんに落ちていたナットをヤスリで一生懸命削って贈りました。
チカイケ:ヤスリですか!?
西川:そう。ちゃんと立体的にデザインされていますよ。
チカイケ:早く自分の眼でイメージしたものが実現した世界を見たくなっちゃうんですかね。
西川:そういうところはあるかもしれませんね。
チカイケ:わくわくする力があるというか。西川さんがイメージを巡らしている時に、価値生まれる。だから顔を見て、一番やりたそうなことをいつも感じてアドバイスするようにしています。
西川:ありがとうございます(笑)。
(撮影:西川隼矢)
水中ベンチャーを貫いて行く。
チカイケ:水泳の選手の頃から、練習を自分で工夫したりとかしていたんですか。
西川:はい。大学時代はほとんど自分で練習も組み立てていました。福岡大学が先進的な練習をしていたので、それを取り入れたり。真ん中のコースに、床に鏡があったので、それを見てフォームをチェックしたりしていましたね。
チカイケ:自分で試行錯誤する習慣は昔からなんですね。それから人を引き寄せる力もすごいですよね。
西川:Poolnoの話ですね。
チカイケ:はい。
西川:開発しようとしていた発想の原点が、サップヨガだったんですね。あれをプールの上でできないかと。それでいろんな人にそんなアイデアを話していたら、たまたま同じようなものをつくろうとしていた人に出会って、つくれることになりました。
チカイケ:今は事業も広がってきていて、これからどんなふうに展開していきますか。
西川:水中ベンチャーを貫いていきたいですね。プールのことはよくわかっているので、そこでできることをどんどん考えていきたいですね。もちろんビジョンとの一貫性は大事にしながら。
(撮影:西川隼矢)
スケールに向けて、どんなストーリーを紡ぐか。
チカイケ:事業をどのように社会と結びつけるかが、これからとても大事だと思います。そうじゃないとスケールしないし、ただ面白いアイデアをやって終わっても、しょうがない。
西川:社会の中でどういう文脈でやれるのか。ストーリーが大事ということですよね。
チカイケ:はい。でも西川さんは2手先くらいまで読んでますよね。
西川:そうですか?
チカイケ:今、事業がどんどん広がっています。カメラマン、広告代理業、イベント、ウェディングフォト、プールアイテム。これをどんな理念を土台に、どのようなストーリーで世の中へ打ち出していくかで、スケールしていくのだと思います。ここからまた勝負ですね。
西川:嬉しいことに、いろんなメディアでも取り上げてもらえるようになりました。
チカイケ:どんどん誰もやっていないことをやっていきましょう。そして世界へ!
西川:そうですね!走りながらまた、面白いこと考えます!
(おわり)
文:BRAND THINKIKNG編集部
撮影:落合陽城
(写真左)株式会社ロッキンプール 代表取締役CEO 西川隼矢
鹿屋体育大学卒。9歳の頃から大学卒業まで水泳を続ける。アテネ五輪代表選考会出場や、200m自由形の香川県記録を10年間保持。独学で覚えたカメラで水中フォトグラファーとしても活躍。2015年、株式会社ロッキンプール設立。
(写真右)パーソナル・ベンチャー・キャピタル 代表 チカイケ秀夫
デザイナーの経験を経て、株式会社GMOで新規事業などさまざまな事業を経験。2015年よりパーソナル・ベンチャー・キャピタルの代表として活動開始。スタートアップ企業にブランディングを広めることを使命に、数多くのサポートを行っている。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して弊社は一切の責任を負いません。