経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

新規会員登録

BRAND THINKINGはFacebookアカウントで会員登録いただけます。今後、会員向けメールマガジンを配信予定です。

イベント・セミナー

【レポート】日本ブランド経営学会Salon #41『コンプライアンス×ブランディング』

2022年7月21日、オンラインにて日本ブランド経営学会サロン第41回が開催されました。

日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。

まず最初はライトニングトークです。トップバッターは土野史隆(株式会社Toreru)氏。知財×ブランドを推進する ブランド弁理士®︎ です。知財、特に商標の専門家であり、オンライン商標登録サービス「Toreru」を運営する会社のCOOを務める傍ら、同社のブランディングにも携わっています。同社で登録した商標、「日本ブランド経営学会」や「採用ブランディング認定ディレクター」の事例を用いて、わかりやすく商標登録について解説していただきました。先日の「ゆっくり茶番劇」が商標登録で話題になった例を出しながら、「これからはブランドに想いがないと批判されてしまう」と指摘します。

次は同社の小室拓巳氏のライトニングトークです。横浜国立大学経営学部2年名古屋わかもの会議代表、一般社団法人名古屋若者評議会評議員兼運営、一般社団法人ACTPORT理事など、若くしてさまざまな役職を担っています。今日は名古屋わかもの会議についての発表。「名古屋わかもの会議」を年間1回開催。すでに会の活動としては10年続いており、「わかもの」の想いを愛知県知事や国会議員に発信していっているそうです。それは「未来をつくる政策の議論に若者がいない」「若者も議論に参加しない」という2大課題があると考えているから。そのために、次世代の声をまちづくりに反映させる公的な仕組みづくりを働きかけ、若者が当事者意識を持てるようにしていくことが重要であると指摘します。「気づいた人から動いていかないと、状況は好転しない」という意識で小室氏は活動しているそうです。


今日のメイン登壇は大西徳昭(Big West Brothers 合同会社)氏。企業コンプライアンスを2大支援領域とする傍ら、物流・港湾・客船・ツーリズム等多様な分野の経営コンサルティングを上場企業を中心とするクライアントに対し行っています。最初にコンプライアンスに関わったのは同氏が日本郵船時代。2017年からは独立します。「修羅場の数は引けを取らない」と話すのが大西氏。ビジネスの現場の平時も有事も経験しています、と自己紹介します。

ふつう、コンプライアンスは法令遵守と言いますが、それは違うと大西氏は指摘します。大西氏は「今のコンプライアンスは誰も幸せにしていない」と問題提起。法令遵守だけがコンプライアンスではない、というのが大西氏のスタンス。法律を守らなければいけないのはミニマムで、コンプライアンスとはビジョン、ミッション、バリューなどの理念系も踏まえるのだから、コンプライアンスは経営そのものなのだ、と話します。「ジブンゴト化+自走化」こそがコンプライアンスのゴールであると指摘します。企業不祥事のアプローチは教科書的にまとめられていて、研修なども行われているけど、そういう整備されているはずの大手企業で不祥事があり、しかも昭和の時代よりもはるかに増えているそうです。

大西氏はコンプライアンス部門には課題が多いと言います。アメリカでは経営の中心。でも日本では管理部門の隅に追いやられていると指摘します。法律問題として出てきたコンプライアンスの問題は氷山の一角で、表出されていないコンプライアンス上の問題は、すべてが経営課題が原因であると言います。そのためにはESG経営の流れやパーパスという視点を無視することができないとしています。そこで大西氏が提唱するのが「パーパスドリブンコンプライアンス」。これまでのルールベース=性悪説でのアプローチではなく、プリンシプルベース=性善説的発想でコンプライアンスを進めていくべきで、パーパスを中心にコンプライアンスを進めていくことは言い換えれば「共感のコンプライアンス」であると定義します。

それを実行するためには「Well Being」とコンプライアンスをかけ合わせる。そうすることで「職場を誰もがそこにいたい場所にする」発想が必要であると説きます。「人事とコンプライアンスの課題はほとんど一緒のはず。ともに取り組んでいかなければいけないこと」と指摘します。周囲への「リスペクト」と「尊厳」が大事であり、枝葉末節にこだわる前にまずこれが大切であると説きます。そうすることで、ハラスメントなんて起こるわけがないし、人が辞めにくくなるという流れを経営に起こすことができると話します。

大西氏の話は従来のコンプライアンスの概念を壊すもの。経営そのものの課題として、部署を超えて取り組まなければならないことだと認識させられます。

このあとはブレイクアウトルームにわかれ、熱い議論が交わされました。

次回のサロンは8/18(木)19:30〜の開催となります。

このレポートのイベント情報はこちら

日本ブランド経営学会Salon #41『コンプライアンス×ブランディング』

その他のイベント・セミナー

()

日本ブランド経営学会サロン#63 採用×ブランディング

2024年8月22日、日本ブランド経営学会サロン#63がオンラインにて開催されました。 日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集ま...続きを読む

thumbnail

()

【レポート】日本ブランド経営学会『JAPAN BRAND MANAGEMENT EXPO2

2024年4月13日、日本ブランド経営学会5周年記念「JAPAN BRAND MANAGEMENT EXPO2024」が愛知東邦大学とオンラインにて開催されました。 日本ブランド経営学会は...続きを読む

2024/02/17

愛知東邦大学/オンライン (名古屋/オンライン)

()

【レポート】日本ブランド経営学会サロン#58 エシカル×ブランディング

2024年2月15日、オンラインにて日本ブランド経営学会サロン、第58回が開催されました。 日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの...続きを読む

まずはこの記事から

新着記事

タイアップ記事

最新連載記事

人物から記事を探す

セミナー・イベント情報

ランキング