企業や商品はもちろん、最近では個人・フリーランスの間でも、集客や広告の効果も期待できる「ブランディング」の必要性はますます高くなっています。
ブランディングをする上で、重要なプロセスはいくつかあります。強みを知る・差別化をする・ポジショニング・ゴールを決めるなどいくつかのプロセスを経て、ブランディングの基礎が出来あがります。
そのプロセスの軸とも言えるのが「ペルソナ」です。ターゲットをより明確にし、強みを理想のお客様へアプローチする狙いです。
ブランディングに欠かせないペルソナの設定ですが、どのように考えるのか?共感できるブランディングのためにペルソナがどのように役立つのか?解説していきます。
ペルソナとは?
ペルソナとは架空の人物を作ることです。名前や年齢、職業や住所、ライフスタイルや価値観など、細かく設定していきます。
ターゲットとよく混同しがちですが、ターゲットは「20代 女性」というように、ざっくりとした大きな枠組みです。一方ペルソナは、「都内に住み、電車で30分先の勤め先のクリニックで医療事務をして働く一人暮らし28歳女性」のように、より詳細な人物をリアルに作り上げます。
さらに名前や趣味・休日の過ごし方などを設定し、ペルソナの価値観や悩みまで深く考えていきます。
ブランディングとペルソナの関係
ブランディングにはペルソナが欠かせません。
ブランドには理想とする世界観があります。ブランドの世界観に共感してくれる人とはどんな人なのか。どのような人にブランドの価値を届けたいか。ターゲットを絞り、ペルソナを設定し、より心に響くブランディングをしていきます。
機能性や効率、価格など商品を選ぶ基準は様々です。現在は良いものがすぐ手に入る時代となり、消費者の商品を選ぶ基準も「コト消費」と呼ばれる体験に価値をおく傾向があります。さらに「エモ消費」と呼ばれる感情を重視した消費行動も広がっています。
このような価値観を重視する消費行動では、ブランドのストーリー、世界観、親近感が選ばれる大切なポイントとなるでしょう。ブランドの強みがどんな人に価値を提供できるのかを見極め、より消費者の心に響くブランディングをするために、ターゲットを絞ったペルソナの設定は必要です。
ペルソナの設定方法とは?
ペルソナの設定項目に決まりはありません。あらかじめターゲットを決めたら、さらに詳細に人物像を作り上げていきます。
ペルソナの一般的な設定項目は以下の通りです。
◆名前
◆年齢
◆性別
◆職業
◆年収
◆家族構成
◆世帯年収
◆居住地域
◆趣味
◆好きなコト
◆平日の過ごし方
◆休日の過ごし方
さらに設定したペルソナのライフスタイルや価値観をより具体化するためにペルソナのストーリーを考えます。日頃からペルソナが感じている思いを言葉にし表すことで、ペルソナの持つ価値観が見えてきます。
注意すべきことは、ペルソナを設定する側にとって都合の良いペルソナとならないようにしなければなりません。理想のお客様像であっても、理想だけで作らず客観的な視点を取り入れるよう心がけましょう。
ペルソナの悩みを見つけ共感力をつける
ペルソナを設定したら、ペルソナの深い悩みを探ってみましょう。ペルソナの悩みを見つけ解決することは、共感力のあるブランディングにつながります。
ペルソナの潜在的な悩みが何かを考えると、そこにブランディングのヒントが見えてきます。潜在的な悩みとは、悩んでいるけれど日々の生活は困っていない、当たり前のことすぎて本人は悩みとは感じていない、無意識のレベルで感じていることです。
また、なぜその商品を選んだのか?カスタマージャーニーと呼ばれるペルソナの行動を見える化したマップを作成し、商品購入時の行動や気持ちを分析します。
当たり前のことすぎで「これがあったら or なかったら便利なのに」と気づかない日々を過ごしがちです。ペルソナのライフスタイルや気持ちに寄り添い、何に悩んでいるのか。どうしてその商品を手に取ったのか分析し、ブランドがどんな価値を提供できるのか。強みはどんな形でペルソナに役立つのか考えるきっかけとなります。
消費者自身も気づいていない悩みを理解し解決する。共感力のあるブランディングをするための大切なプロセスといえるでしょう。
ペルソナを設定し共感力のあるブランディングを目指す
SNSやインターネットの発展により、ブランディングは企業だけではなく個人にも必要なスキルとなっています。
理想をかかげるだけではなく、どんな人の役に立てるのか or 立ちたいのか。どんな人にブランドを知って、使って、喜んでもらいたいのか。自身の強みはペルソナにどんな価値を提供できるのか。ペルソナを設定し詳細に考えると、軸のあるブレないブランディングが可能になります。
ペルソナは、より人の心にささるブランディングを目指す上で欠かすことのできない重要な人物像です。ペルソナをつくり、共感力の高いブランドを目指しましょう。
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