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イベント・セミナー

【イベントレポート】日本ブランド経営学会Salon #10「マーケティングとブランディング」

 

日本ブランド経営学会は、毎月定期的にサロンイベントを開催しています。

このイベントでは、主にブランディングの現場で働く方をお招きして、現場の知恵を語っていただくことで、

日本の経営をブランディングによって変えていく志をもつ出席者で学びを共有するものです。

 

2019年5月23日(木)に開催されたサロンのテーマは、「マーケティングとブランディング」です。

極めて大きな概念をかけあわせたテーマですが、これらの関係性はみなで考えるプロセスは避けては通れません。

ブランディングにおいて純粋なアカデミズムでは切り込むことが難しいテーマと、どう向き合うのか?

 

開催前に、出席者のひとりKさん(広告代理店勤務)は、期待を次のように語ってくれました。

「義務ではなく自主的に集まった仲間たちですが、常連さんも多く、そうした方のなかには私と同じようにブランディングと関わる仕事をしている方もすくなくありません。生々しい苦労話を聞き、感想を仲間で共有するのが楽しみです。今回の、マーケティングとブランディングというテーマですが、最前線で活躍する他社の考え方からの学びを期待しています」

出席者は飲み物を片手にリラックスしながら、真面目な思いのまなざしを注ぐなかでトークがスタートです。

 

B to Bのメーカーがブランディングに目覚める時代

今回、メインスピーカーとして登壇してくださったのは、東証一部上場の化粧品メーカー・ミルボンにて、ブランディングの責任者を務めている竹淵さんです。

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ミルボンは、理美容の店頭のみで販売される化粧品を扱っています。エンドユーザーは一般消費者ではあるものの、顧客は理美容の事業者です。B to Bの営業スタイルをとっているため、元々はブランディングの必要性が重視されていなかったとのこと。

しかし、数年前に会社が危機感に目覚めます。理美容の競争が激化するなかでは、エンドユーザーに認知していいただくことが不可欠だと、会社が感じるようになったのです。

営業マンにブランドが浸透した鍵とは?

エンドユーザーに認知してもらい行動の変化を促す仕掛けとして、ミルボンはコーポレートブランディングに取り組み始めました。

ミルボンでは商品の販売プロセスを大きく担うのは、営業マンのセールスです。

 

そのため、ブランディングをすすめるうえでは、組織内での共通言語づくりにエネルギーが注がれました。

ブランディングを支える共通言語を、ミルボンは「約束」という概念にまとめました。

 

ただ、営業マンが重視される社風から、理念の浸透は丁寧にコンセンサスをとって進められました。

具体的には、ワークショップ、社内向けブランドブックの配布、社内勉強会などの方策がとられたとのことです。

 

浸透のプロセスは「手間も時間もかかった」と竹淵さんは当時を振り返って語ります。

しかし、「約束」が人的要因でぶれることがあっては、効果がでないと考え、労力を惜しまず取り組んだとのこと。

 

竹淵さんは、ブランディングにおける生々しい知見として次のようなことを語ってくれました。

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「正直なところ、研修やワークショップをすれば、研究者や営業マンに響くかといえば、そんなことはありませんでした。ただ、相手の立場を考えれば、そのような反応もうなずけます。ですので、ブランディングをすすめる立場の私たちから顧客に働きかけることが、ブランド浸透には効果的でした。特に、営業マンは顧客のことを第一に考えている。彼らを動かすために、顧客の行動を変えたことがブランディング成功の一因だったと思います」

B to Bビジネスのマーケティングをブランディングが加速させる

今回は、「ブランディングとマーケティング」というテーマにて、ミルボンのブランディングを中心になって担う方にお話いただきました。

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「マーケティングとはセリング(人的販売)を不要にするものである」とは有名なテーゼではありますが、ロジカルなプロセスを経て購買がなされるBtoBビジネスでは、やはり営業マンは欠かせません。今回のトークでは、BtoBビジネスにおいてのマーケティングを機能させるうえでの、ブランディングの重要性とその方法について学びがありました。

終了後、出席者のFさん(通信販売会社勤務)は次のように感想を語ってくれました。

「駆け足でしたが、もう少しじっくり聞きたくなるくらい興味のあるテーマだと改めて気づかされました。私がいた席のまわりには、メーカーの方が偶然多かったのですが、そうした方との交流でさらに知見を独自に掘り下げられてよかったです」

 

さて、次の日本ブランド経営学会Salon #11のテーマは「広報とブランディング」。

開催は、6月27日(木)19時30分から。hoops link tokyo(渋谷区宇田川町28−4)にてです。

 

(写真・文章:長尾和也)

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