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【レポート】日本ブランド経営学会Salon#6 地域ブランディングは目的を明確に!

 

11月29日(木)にhoops link tokyo(渋谷)にて開催された「日本ブランド経営学会Salon」の第6回目に参加してきました!(次回は1月31日です)ライターの1人としてブランドシンキングにも寄稿させていただいている長尾が、日本ブランド経営学会Salonの模様をお伝えします。

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今回は4人もの講師に登場しました。特別に濃厚な内容を期待して、30名近くの来場者が集まりました。

今回は、ブランディングに期待されるシーンが近年増えている「地域」が講演の共通テーマです。

私自身も、故郷の鳥取の地域づくりに関わることがあるので、「自分だったらどうするのか」と自分ゴトとして考えることができて興味深いコンテンツでした。

冒頭ライトニングトーク:観光プロデューサー&地域ブランドデザイナー

冒頭では2名の方が、ライトニングトークとして短い持ち時間で登場してくださいました。

1人目が、観光プロデューサーの和田哲郎さん。日本橋や赤坂など、東京の町々の街歩きを提案されているとのことで、今回は街歩き案内の正装である和服で登場。地域のブランドブックをつくるなどの貢献をされているとのことでした。和田さんの取り組みの特徴は、「歴史」をテーマにしている点です。現代に残る歴史の名残をたどっていけば、何気ない街並みも観光地に変わるということでした。「歴史」というのは、一見すると地味なケースが多いのですが、ブランディングによって意味づけを現代感覚にアジャストさせていけば、ミドルやシニア層だけでなく若者にも響くコンテンツになり得ると思いました。

2人目が、地域ブランドデザイナーの青柳徹さんです。栃木県で伝統食の「しもつかれ」のリブランディングをされている方です。「しもつかれ」というのは非常に深い伝統がありながらも「まずい」「くさい」「ださい」と負のブランドが若者の間では定着している食品でした。それをパッケージングを変えたり、調理法のコンテストを開催したり、フェスティバルを開催したりと工夫することで、若者の間でも伝統食の良さが見直されているとのこと。興味深かったのが、ヨソ者である青柳さんが地元に入って徐々に活動を広げていくプロセスです。日本ブランド経営学会サロンでは、現場で実際に動いている人と距離を間近に話すことができる点も魅力のひとつだと思いました。私も、今後の活動の参考になるかと思って、名刺交換をさせていただきました。

登壇者1人目:岩林誠さん(四街道市経営企画部シティセールス推進課長)

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1人目の登壇者は、 Vodfafon時代に世界初のサービスとしての「写メール」をプロモーション担当者として仕掛けるなど、広告に関する実績をお持ちの岩林さんです。現在は、その手腕を買われて四街道市にて、シティセールスを担当されています。

講演のテーマは「プレイスブランディング」です。地域ブランディングではなく、あえてプレイスブランディングという言葉を使う意味から始まり、プレイスブランディングと通常のブランディングの差異について解説していただきました。

そのなかで印象に残ったことが、「企業のブランディングでは目的が利益追究と言う風に明確。しかし、プレイスブランディングでは目的が多様。はっきりさせることが成功させるうえで大切」ということでした。

プレイスブランディングは自治体が担い手となることが多いのですが、公的セクターの性質上、公平性を担保しなければならず「地域の活力を創成する」のような曖昧な目的が定められていることが少なくありません。

目的がはっきりしていないために大胆な投資ができないという問題があるのかもしれません。実は、プレイスブランディングにおいても、ブランドステートメントといった表面上のことよりも、内部の合意形成のプロセスがとても大事なのかもしれないと考えさせられました。

登壇者2人目:伊藤陽平さん(新宿区区議会議員)

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2人目の登壇者は、最年少で新宿区議会議員となった(しかも無所属)伊藤陽平さんです。ハイテクシティとして新宿のブランディングを手がけておられます。

地域ブランディングといえば、過疎地域など賑わっていない地域で取り沙汰されることが多いのですが、実は新宿もブランディングを必要としている側面があるとのことでした。

それが伊藤さんの手がけておられる「ハイテク」という側面です。実は新宿は、国内有数のハイテク化が進んでいる都市なのですが、職員すらもそれを知らない。これはもったいないということで、伊藤さんが着眼して、現在盛り上げているところです。

マイナスをプラスにするようなシーンでのブランディングが注目されることが多いのですが、辛苦区のようにプラスをもっとプラスにするというようなブランディングの話を聞けた貴重な機会でした。

ブランディングを事業として営んでおられる方にとっては、今回のような事例を押さえておくことは、優良顧客をつかむきっかけになるので重要だと思いました。

日本ブランド経営学会では今注目のテーマに切り込んでいます

今回の日本ブランド経営学会サロンでは、地方創生などで賑わっている「地域ブランディング」がテーマでした。次回のサロンでは、「インナーブランディング」をテーマとして1月31日に開催されます。インナーブランディングは従業員満足度に影響を与えて、定着率を上げることのできるアクションです。また、インナーブランディングが進んでいる企業ほど利益を上げているという研究も出てきています。人手不足の今、現在の従業員をいかにフル活用するのか考えている経営者も少なくありません。次回の日本ブランド経営学会サロンをお楽しみに!

ちなみに、12月13日(木)には忘年会を兼ねて、ミートアップが開催されます。

https://jbms-meetup2018.peatix.com/(時間、会場等については左記リンクを参照)

ブランディングの現場で動く関係者も多数集まるとのこと。ビジネスチャンスやアイデアをブランディングに求めている方は、足を運んでみてはいかがでしょう。

 

取材/撮影 長尾和也

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