モモハナ 竜沢華林
【ストーリーは必然だ 第3回】(最終回)
若干19歳。山梨県立大学に通う2年生。高校時代、多くの同級生が東京をはじめ県外に進学する中で、「山梨の良さを伝えたい」と県内に残ることを決意する。2017年4月、山梨県大月市の桃太郎伝説にちなんだ「桃太郎もち」を発売。多くのメディアに取り上げられ、予想以上の売上を記録している。経営の世界に突如現れた期待の新星。現役女子大生でモモハナ代表、竜沢華林氏に、事業立ち上げの経緯や今後の展望についてたっぷりと聴いた。
出ていった人が、残らなかったことを後悔するくらいに。
——–改めて、その若さでそこまでやり抜く原動力はなんなのでしょうか。
山梨が好きだから、恩返しがしたい、という気持ちですね。桃太郎もちが出てからは大月と山梨を元気に。好きだから。その気持だけです。山梨を出ていった人が、残らなかったことを後悔するくらいその良さを伝えていきたいという想いです。でも実際は前回お話したように、とっても身近な人たちを思い浮かべながら商品開発をしていきました。まずは自分たちの目の前にいる人たちに「いいね!」と言ってほしいですし、山梨に住んでいることを誇らしく思ってほしいですよね。大学には県外の友人もたくさんいるんですが、「山梨ってマジ何もないよね」と言われるのがショックで。「うちの県にはこんないいところがある」とだいたいみんな言うんですよ。でも不思議と山梨の人は自分たちの県のことは褒めない。県民性もあると思いますが、いいところは確実にあるんだから、積極的に伝えていきたいです。
甲州名産の印伝に欲しいものがない。
——–今後の展望についてぜひ教えてください。
山梨の名産、印伝を使って新しい商品を開発したいと思っています。印伝というと、かなり年代が上の人たちを対象にしたデザインや価格帯が多いのですが、やはり狙いたいのは、同世代の女子です。私たちの世代が「これかわいい」と思える印伝は残念ながら今はありません。どんな商品になるのかまだ決まっていませんが、名刺入れやペンケース、メガネケース、財布など、これから社会に出ていく私たちが身近に使えるものがいいな、と思っています。印伝の柄には勝負にちなんだものが多いので、受験とか、仕事とかここぞで使えるアイテムを開発できたらうれしいなと思っています。それから、これらの開発ももちろんですが、大学生活が終わるまでに「桃太郎=山梨」というイメージをつくっていたいですね。いや、つくります!
(おわり)
聴き手・構成:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:大堀力
竜沢華林
モモハナ代表 山梨県立大学国際政策学部総合政策学科2年
山梨県立甲府南高校出身。県内屈指の進学校で、多くの同級生が東京をはじめ県外に進学する中で、山梨県立大学への進学を決断。1年生の頃は地域活性サークルを立ち上げる。「山梨の良さを多くの人へ発信したい」とモモハナを立ち上げ。2017年4月には父方の祖母が営んでいた大月市の旅館、桂川館で大正時代に売られていた「桃太郎もち」を復活させ、多くのメディアの注目を浴びる。
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