社長がつくれば速い。メンバーを絡ませたほうが長い目で本質的。
つくるところから、浸透もはじまっている。
理念の重要性は、BRAND THINKINGでも再三指摘してきました。それはブランド構築がまさに「理念の浸透」であると言えるからです。この点での論理や整理は他の記事などを参照していただくとして、今日は理念は誰が作るべきか、という話を書いていきたいと思います。
理念とは、事業の目的。「なぜその事業をやるか」ということです。例えば、「カニ缶」をつくる会社であれば、「なぜ私たちはそれをやるのか」を明確に示したものになります。そのとき当然、社長にその答えがあることが求められます。創業社長であればなおさらでしょう。「自分はなぜやるのか」を徹底的に掘り下げて考えるべきです。
1人での起業であれば、1人で考えなくてはなりません。現実は走りながら考えることになるでしょう。同様に、2人で起業するなら、3人で起業するなら、そのメンバー全員で理念について定める必要性があります。創業メンバーが一枚岩でないことは、スタートアップ時は致命的です。人が増えていくにつて、急速に成長していくスタートアップであればなおさら、ブレは一気に大きくなっていきます。
理念変更の需要は、代替わりの時にも多い傾向にあります。先代までの理念を変更し、自分たちなりの腹落ちした理念で会社を束ねていきたい、という背景です。この場合も、社長の心のなかに理念のおぼろげながらの姿があれば理想的です。もちろん明確にある方もいます。しかし、ある程度社員数のいる企業で社長のみで決めてしまうのはおすすめしていません。私たちのような外部のパートナーと社長だけでつくりあげていくこともありますが、なるべく社員を絡ませて、ワークショップのような形で理念をつくりあげていくことをおすすめしています。それは、理念という会社の背骨を自分たちの手で作り上げていく重要性を、次を担う社員のみなさんに体感してほしいのと、理念浸透を考えてのことです。いきなり社長や経営層から降ってきた新しい理念よりも、社員を絡ませてつくりあげたほうが、メンバーになった社員がインフルエンサーとなって他の社員への伝道師役となるからです。
経営者は、ある程度自分の中で答えが決まっていても、あえて社員を絡ませる方式を選ぶ人も多くいます。それは自分たちで決めた実感を持ってほしいから。上記のような説明にとても大きく頷いてくれます。そして、巡り巡って、今と変わらない理念だったとしても、このプロセスにこそ、意味があると言った経営者もいました。
理念は、つくることが目的なのではなく、達成することが重要です。だとすれば、つくることがすでに、浸透活動のはじまりなのです。
- アイデンティティがないから、ブランドにならない。
- エントランスも、社長の発言も、コンセプトに紐付けろ。
- クレドはいくつがベストか。
- さすが◯◯らしい!と言われるまでやり抜くブランドが強い。
- スタートアップが最初に言語化しておくべき7つのこと。
- すべての経営判断を、理念につなげられるか。
- ソーシャルエコノミー時代こそ理念が武器になる。
- その言葉は、企業の未来を切り拓くか。
- だからブランド構築はうまくいかない。
- なぜインナーブランディングは進まないのか。
- なぜブランドにビジョンが必要なのか。
- ブランドは、何をマネジメントするべきなのか。
- ブランドは売上に貢献するか。その1
- ブランドは売上に貢献するか。その2
- ブランドは想いによってつくられる。
- ブランドは意志を持って成長させろ。
- 制作物だけでブランドはつくれない。
- 理念と戦略と現場。どれが一番大切か。
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