ターゲットが明確になった企業広報。つまり・・・
人生を過ごす仲間を見つける。深く濃いコミュニケーションが大前提。
多くの企業にとって採用難が続く現状で、採用ブランディングという言葉が少しずつ露出し始めています。では採用ブランディングとは何なのでしょうか。採用分野におけるツール類とブランディングという言葉を合わせて「採用ブランディング」とする向きがありますが、それはブランディングの本質ではありません。
ブランディングとは、企業視点の言葉です。もう少し丁寧に噛み砕けば、ブランド・マネジメント。企業視点でブランド構築を日々、どうしていくか、ということです。ブランディングに関しては、多くの書籍で解釈がわかれるところですが、ほぼ一致しているのは「売れ続けるしくみづくり」ということ。これをさらに噛み砕くと「ファンづくり」ということになります。ファンがいれば売れ続けます。Appleしかり、NIKEしかりです。
これを採用ブランディングという分野に当てはめれば、採用市場におけるファンづくりです。一方、すでにある「インナー(インターナル)ブランディング」という分野では、従業員に向けてのブランド構築が言われています。この点はアーカーもすでに当初から指摘していて、従業員が「ブランドを演じる存在になれ」と書いています。ブランドのビジョンを共有することがとても重要だ、ということです。インナーブランディングは日本でも2000年ころから言われてきていますが、発祥はロンドンビジネススクールのTim AmblerとSimon Barrowの「The Employer Brand」が始まりとされています。
従業員にブランドビジョンを共有することで、業績が上がり、魅力的な企業づくりができて、いい人材が入ってくるようになる、と非常に単純化すれば、採用段階から企業(や事業)のビジョンを共有することは理にかなっています。それこそまさに採用ブランディングの本質です。つまり、インナーブランディングの延長に、ないしはその入り口が採用市場でのブランディングと考えることができます。
採用での広報(コミュニケーション)の多くは、企業広告や商品・サービスの広告と同様につくられている向きもありますが、一緒に人生の一時期を自社で過ごす、という前提で考えると、単なるインパクトや浅いコミュニケーションで人の心を動かすこと(=自社へのエントリー)はできないと考えるべきです。知名度のある大企業はもちろん例外。採用市場のコミュニケーションは人生の変わる場。だとすれば深く濃いコミュニケーションが必要なのです。
文:BRAND THINKING編集部
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- 採用を成功させるためのブランド論。理論編
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