ブランディング視点のダイレクトリクルーティングとは。
金融系の採用数アップが中小企業の採用を圧迫している。
とりあえず、学生とLINEを交換する。仲良くなる。メシを食べる。そういう接点ばかりを重視していないでしょうか。接した社員の人間性(もちろんこれも重要です)で採用できても、一緒にずっと働けるわけではないので、もしかしたらすぐに辞めてしまうかもしれません。入社後のギャップが心配です。採用数に追われる採用担当者に多い例です。
経団連の決めた就職活動もそろそろ終盤戦。超大手企業の内定が出揃う頃です。今日のテーマはダイレクト・リクルーティングです。
これをしっかり守っている企業は日本を代表するような超大手企業で、99.99%の企業と金融系は企業の大小に関わらず必死になって人材の確保に走っています。
昨年頃からナビ媒体と言われるいわゆる「リクナビ」、「マイナビ」で予想以上に集客(母集団形成)ができなくなった、という声が本格的に聞こえるようになりました。
これはどういうことかというと、
1,世の中の学生が、より大手志向になっていること
2,金融系をはじめとして採用数を大幅に増やしていること
が挙げられます。つまり超簡単かつ乱暴に書けば、金融系で早々内定をゲットできたので、小さな会社まで人材が回ってこないということです。2020年までは、人材確保に苦労するという対局予想が出ていますが、朝日新聞の調査では、3割の企業ではまだ増加させるとのことで、採用活動の激戦はまだまだ続くでしょう。
その中で今後、さらに加熱しそうなのが、ダイレクト・リクルーティング。数年前から注目され始めていましたが、人事や他部署の社員と学生の直接接点を増やして採用していく手法です。営業力があり、より学生とのリアルな接点を重視している企業はとても効果をあげています。ここで社員の言葉や行動が異口同音で一致していることで、採用のブランディングになりやすく、昨年以上の効果を挙げている企業もたくさんあります。裏を返せば、従来通り、ナビ媒体で集客して、説明会の開催を待っているだけの企業は、説明会すら開催できない状況がふつうにある、ということです。
今年の反省を踏まえて、企業はナビに頼らない採用方法を模索するでしょうし、そのニーズを汲んで、いろんな採用系の会社が採用イベントを増加させることでしょう。
しかし企業側はだからこそ、ここでやみくもにイベントに出まくるのではなく、自分たちの強みは何なのか。一番欲しい人物像は誰なのか。彼らにとって重要なことはなんなのか。そして彼らに、「自社の強みをどう伝えればいのか」。
ブランド論でよく言われるこれを最低限確認して学生との接点を作りましょう。メシを食べるだけでは自社の価値観や強みは伝わりません。どこも同じことをやっています。来年度の19採用以降も、ダイレクトリクルーティングに正しい手間暇をどれだけかけられるかが、採用の焦点になっていくことと思われます。
文:BRAND THINKING編集部
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