経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

ブランド構築はお金次第か。

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プロモーションはファンづくりの手段でしかない。

ブランド構築というと、とにかくお金がかかるイメージがあるようです。それにはブランド構築についての、間違った認識やイメージがあるように思います。ブランド構築とは、複数媒体にまたがるプロモーションのデザインやコンセプトを統一して行うもの。そんなイメージが多いように思います。

ブランド構築とは、「売れ続ける仕組みづくり」です。売れ続ける仕組みとは何かというと、つまりは「ファンづくり」を行うことです。ということは、上記の間違った認識は、あくまでファンづくりの「手段」であり、ブランド構築そのものの目的ではありません。つまり、多くの人たちは、その手段を、目的だと思ってしまっているきらいがあります。

プロモーションをデザインやコンセプトを統一して行うことは、莫大な予算がかかります。ですから、大企業しか行うことができません。中小企業でも行えないことはないかもしれませんが、予算の面で、大企業に負けてしまいます。出稿量が多ければ、多くの人の目には止まりますから、それだけで認知は上がります。だから、どうしても出稿量至上主義になっていきます。

ということは、極端に言えば、制作物の内容がどうであっても、出稿量が多ければ、認知は上がる、ということです(もちろんいい認知になるかどうかは、内容次第ですが)こうなると、もはや予算の勝負です。それにプロモーションは目立ちますし、だから、ブランド構築は、お金がかかると思われているのかもしれません。

しかし、本当のブランド構築は、最初から、思っているほどお金はかかりません。ファンづくりのために、まずは想い=理念をしっかり固めることが重要だと以前書きました。その先、CI(ロゴ)や社名、スローガンなどの変更に移っていくのが通例ですが、大きな会社はここで一気にプロモーションをかけます。

ファンづくりに重要なのは、自分たちの想いを、外へ向けて発信し、そこに共感してくれる人を集めることです。それは事業と結びついているとなおのこといいでしょう。そう考えると、会社案内やホームページの改定がまずいちばん最初に着手すべきことです。また、会社によってはブランドブックを作成し、経営陣が各部署を回って、理念について語り合う、という地道な活動をするところもあります。

 

まずは従業員の行動を一致させる。

ブランド・エクイティ論を形作ったアーカー氏の理論をあえて数式化すると、ブランド構築の方程式は、ブランド構築=従業員の行動×ツール(やプロモーション)の完成度なので、制作物だけよくても何の意味はなく、やはり従業員の人たちの行動が一致しないと、ブランドにはなりません。飲食やアパレルなど、店舗型で展開する企業ほどより重要になってきます。

会社として、予算があるのであれば、プロモーションをかけてもいいかもしれません。それも、そのブランドの理念や価値観を反映したものが理想で、ただのインパクトを狙っただけの広告では、ファンを増やすことにはつながりません。スティーブ・ジョブズがAppleに復帰した以降の一連の広告はまさにそのお手本と言えます。Appleの思想が、広告や商品にまで貫かれていました。ですから、プロモーションを行うにしても、内容はさておき、出稿量にこだわれば、ブランド・エクイティで言うところの認知は獲得できると思います。

もしこれが、ブランドの価値観を表したいい広告だとすると、認知だけでなく、ブランド連想や知覚品質まで影響を及ぼせるかもしれません。しかも、いい広告であれば、出稿量はそこまで必要はないかもしれません。(すでにそれだけで深く訴求できるので)

プロモーションを中心に話を展開してきましたが、もうひとつ、ブランド構築にはお金のかかる要素があります。コンサルティング料です。理念や戦略を決めるときに、かなり高価なコンサルティング料が発生します。これはブランド・コンサルティングがしっかりできる会社の数が限られていて寡占状態になっていることが大きな要因かもしれません。だから、大手企業しかお願いできない嫌いがあります。

ブランド・コンサルティングは、しっかり理念や戦略まで構築できる反面、それがクリエイティブまで一貫しにくい部分もあります。ブランド・コンサルティングが制作部隊を持たない場合もありますし、あっても、プロモーションやツール制作は他の会社になる場合も多々あるからです。これだと、ブランド構築の公式で言うところの、「ツールの完成度」にブレが生じてしまいます。

 

文:BRAND THINKING編集部

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