経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2017.10.24

成功する地域活性は自治体に頼らない。

自治体が主体になると本末転倒。

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やまなしサイクルプロジェクト、ワインツーリズム、ONOMICHI U2。みんな自主的にやっている。

全7回に渡って、「まちいくふじかわプロジェクト」の本菱の復活を書きました。今思えば、まったく無名の日本酒を1000本売るということ自体、無謀にも思いますが、現実的に売れました。最初から自治体の予算には頼らないと決めていましたし、民間の力だけでやる地域活性のモデルをつくりたいと思ってやりましたが、やはりそれは正しかったと思っています。

昨日から連載が始まった駒澤大学の青木茂樹教授も取材のときに話していましたし、「サステナブルブランドジャパン」のページにもコラムで書いていますが、自身が理事長のやまなしサイクルプロジェクトも、今年で10年目になるワインツーリズムも、ONOMICHI U2もみんな自治体を巻き込んでいるものの、主体は自治体ではありません。地域の企業や住民を巻き込んで、横の連携をつくって継続しています。これを青木教授は「クロスバリューチェーン」と名付けてモデル化していますが、自分もやってみて、そのほうがスピード感が出るし、PDCAも早く回せるので、理にかなっていると実感を持って言えます。

では、なぜ自治体が主体になるとうまくいかないのでしょうか。それは単純な理由で、商売の感覚がないからです。どこかに集中して、推し進めていく勝負どころが自治体のみなさんには難しいのだと思います。税金には公共性がありますから、平等性を最も重視します。だからなかなか決まらないし、計画が決まっても実行されないことがほとんどです。これは、官僚主義的な文化も影響しています。誰かがトップのときに決めたことでも、自分は認めていないから、その計画は実行しない。聴いた話ではありますが、リアルにこういうことが起こるそうです。

また、仮に自治体が主体になってやったとしても、平等性の問題や利益がでなかったりで、いつ予算が打ち切りになるかわかりません。そうなると、地域活性が継続しない可能性もあります。そもそも、地域活性をすることで、そこで利益が生まれ、地域の経済が回っていくことが理想で、そうであるからこそ、継続性が出てきます。企業や住民自身が自ら動くほうが本質的です。補助輪的な位置づけとして自治体があるほうが最もうまくいく構図になります。後援として名前を連ねてくれるだけでも信用力を担保してくれますし、協力者になってくれそうな人を紹介してくれることも大変ありがたいことです。「まちいくふじかわプロジェクト」でも、最終的には本菱のお披露目に志村町長が参加してくれましたし、県会議員の望月利樹氏も足を運んでくれました。そうしてとても盛り上げていただきました。

数年前から地域活性はブームのようになっていますが、大切なのは自治体になにかをしてもらう姿勢ではなく、自分たちで「なんのために動くのか」=ビジョンを定めること。その大義に沿ってプロジェクトを立ち上げ、賛同者の輪を広げていくことが最も重要なことだと思います。この点は、青木茂樹氏も「サステナブル・ブランディング」をしていく上で、もっとも重要な項目として位置づけています。

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むすび株式会社 代表取締役
深澤 了

ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター、BRAND THINKING編集長。2002年早稲田大学商学部卒業後、山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。広告代理店アドブレーン社制作局配属。CMプランナー/コピーライターとしてテレビ・ラジオのCM制作を年間数百本行う。2006年パラドックス・クリエイティブ(現パラドックス)へ転職。企業、商品、採用領域のブランドの基礎固めから、VI、ネーミング、スローガン開発や広告制作まで一気通貫して行う。2015年早稲田大学ビジネススクール修了(MBA)。同年むすび設立。地域ブランディングプロジェクト「まちいく事業」を立ち上げ、山梨県富士川町で「本菱」を、埼玉県戸田市で「かけはし」と、立て続けに日本酒をプロデュース。山梨県都留市ではネクタイブランドの立ち上げも行う。

むすび株式会社




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