経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

黄色い社長は、商売上、とてもいい。#1

【バーガー研究家・白根智彦のバーガー・ビジョン 第1回】

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今や「ハンバーガー」のお店は日本全国にあり、誰でも手軽に食べられる。ハンバーガーを食べたことのない人はごく少数だろう。そんな中「正しいハンバーガー」の認知を広めるために「バーガー研究家」として活動している人物がいる。その名も「黄色い社長」こと白根智彦氏。株式会社イエローズの代表取締役として飲食店も経営している。白根氏に飲食店経営やバーガー研究家になった経緯や、今後の展望を聞いた。

 

聞き手・文:BRAND THINKING編集部 撮影:落合陽城

 

飲食にもハンバーガーにも興味はなかった。

——-元々、飲食に興味があって飲食業界に入ったのでしょうか?

飲食業界には興味はありませんでした。僕が大学生だった当時、ベンチャービジネスが流行っていました。もともと大手企業に興味がなかった僕は、ベンチャービジネスに興味を持っていて、その中で就職活動時は色々なベンチャー企業を当たっていました。その当時ロイヤル株式会社の副社長だった井上恵次さんが新しくハンバーガーの会社(ベッカーズ)を立ち上げようとしているときで、「ハンバーガーで世界一になる!」ということを言っていたんです。その時の僕には「世界一」という言葉がとにかく響いて、その会社に面接に行きました。しかもその当時は珍しかったんですが、直々に面接を行ってくれたんです。実際に井上社長に会ってみたら、すごく気いってもらえて握手までされて(笑)それでその会社に入社したという経緯です。

——-ハンバーガーには興味はあったのでしょうか?

ハンバーガーに関しても元々興味はなかったです。むしろハンバーガー屋では、働きたくないとさえ思っていました(笑)。大学生の当時は、僕の周りでもハンバーガー屋でアルバイトする人はあまりいませんでした。某ハンバーガー屋の当時の時給が700円。僕は家庭教師や塾の講師のアルバイトをしていましたが、時給は2500円。職も溢れていたし、バブルが始まるころだったので、わざわざ飲食なんて選ばず、時給や給料がいい会社を選びますよね。あくまで僕はベンチャーがやりたかったので、そこがたまたま飲食だっただけです。でもいざ入ってみると、優秀な大学の出身者や、ハンバーガー屋で、ほぼ社員と同じ働きをしていたような元バイトリーダーなどがうじゃうじゃいて、僕は落ちこぼれでした。しかし運良く、1年くらいで本社に配属されました。

 

標準化セクションがすべての基礎をつくってくれた。

——-本社ではどのような事を行っていたのでしょうか?

本社では主に標準化セクションというところで、マニュアルや決めごとを作ったりしていたのですが、ここに配属されたことが僕の1つ目のターニングポイントでした。自分で会社を作る際には、このマニュアル作りや決めごとを考えたりしていたことが非常に役に立っています。経営者をやっていると、周りも社長ばかりになりますが、社長の中でもそういったことが苦手な人がいっぱいいるんですよ。
例えば、手の洗い方1つや、チェーンストアは5分前にスタンバイをしないといけないといったような、基本的なことを知らない人がけっこういます。

——-ちなみに標準化セクションには何年くらいいらっしゃったのでしょうか?

二年くらいです。その後、JRのグループ会社だった「ジェイアール東日本レストラン」がベッカーズを買収しました。そこから商品開発をさせていただくことになりました。標準化セクションで学んだことを活かしながら、メニューやレシピを作ったりしていて、ここで僕のすべての基礎、下地ができました。標準化セクションで学んだ、マニュアルを作るということや、商品開発の経験が、後々ハンバーガーの仕事をする上でもコンサルティングする上でも、会社を立ち上げる上でも、すべてにおいて活きていますね。

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結論に最短に届くにはどうすればいいか。

——-具体的にはどのように活きているのでしょうか?

店舗で店員として働いていたときに、このままずっと店員のままだったらどうしようと考えていたときがありまして、ちょうどその時に標準化のセクションになって、プロセスを文章にするということをやり始めました。その時に、どのようにすればこの問題は解決するんだろうといったような、プロセスを考えることが楽しいと思うようになりました。今でも難しいことをやることになったときの、達成するための手段を考えることが好きで、例えば僕は宅建の資格を持っているんですが、何をどのように勉強すればいいのかということ自体を考えることが面白くて、1年勉強して資格を取りました。ソムリエの資格も勉強して取得しましたが、特にワインが好きなわけではありません。(笑)無駄なことはせず、結論に最短で届くにはどうすればいいのかという、総合コーディネート力みたいなものは、ベッカーズで身につきました。

——-白根さんは「黄色い社長」として名前が通っていますし、会社も「イエローズ」という社名ですが、なぜ黄色にこだわりだしたんですか?

特に黄色を意識していたわけではないんですが、僕の身の周りに黄色いものが増えてきたんですね。その時に、飲食業界の仲間と、何かしらで尖って目立たないといけないという話をしていました。何で尖っていこうかと考えていたときに、知り合いから、君、今日も黄色いねと言われたので、じゃあセルフプロデュースとして黄色でまとめようというふうに思いました。そのときに会社を起ち上げたので、社名もイエローズってノリでつけてしまいました(笑)。「黄色い社長」ということで認識してもらいやすいので、商売上はすごく都合がいいんです。

 

第2回へ続く

 

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株式会社イエローズ 代表取締役・バーガー研究家
白根智彦
大学卒業後、ハンバーガーチェーン「ベッカーズ」の創業メンバーとして入社。
幅広い店舗のプロデュースの経験をきっかけに、株式会社イエローズを設立。
同時に、社内でハンバーガーの商品開発を行ったことをきっかけに、バーガー研究家となり、正しいハンバーガーの認知を広めるために活動中。

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