経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

長く愛され続ける。伝統とはブランド構築そのもの。#3

【デポリーバのブランド論】第3回<最終回>

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日本古来の繊細な裂き織り(駿河裂き織り)と刺子に、国内・海外産の高級レザーを取り入れたデザインで人気を博す「depoliva(デポリーバ)」。日本の優れた伝統文化・素材を選び抜いてつくられる鞄や小物は、味わい深い独特の雰囲気が特徴だ。「低コスト」「大量生産」とは正反対。伝統が織りなす良いものを世界に向けて提案し続ける、株式会社depインダストリーの代表取締役 杉本哲氏にモノづくりに対するこだわりを訊いた。

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

Made in Japanを海外から逆輸入したい。

———–今後の展望を教えてください。

店舗としては東京と静岡の2店舗しかありませんので、国内は10店舗くらいまで広げたいなと思っています。首都圏で数店舗。あとは神戸や福岡あたりに出店できたらと考えています。そのためにも、私たちのブランドの認知度をもっともっと高めていく必要があります。それから、できるだけ早く海外に展開していきたいとも思っています。ブランド名の「depoliva」は、ベトナム語の「dep(美しい)」と「Oliva(オリーブ=平和の象徴)」を合わせたものです。こうしたブランド名にしたのも、早く海外に進出したいという想いがあったからです。国内の戦略を練っていくよりも、海外で認知されて逆輸入した方が結果として国内でも早く広められるのではと思っています。実際に海外のお客様も多いので、まずは海外で扱ってくれるところを見つけたいですね。その先に実店舗を持てればと考えています。

 

伝統に共感性のある国で勝負する

———–具体的にエリアを検討されているのですか?

当然ですが、どこの国でやるかによって、マーケティングやターゲティングも変わってきます。たとえばですが、中国の方は、なんとなく赤やオレンジのカラーを好むというイメージがありますが、実は鞄は違うんです。うちにご来店いただいたお客様でも、紺の鞄を買っていく方が多かったりします。また、以前アメリカに持って行ったことがあるのですが、うまくいきませんでした。私たちが大切にしている「伝統」にあまり共感を得られなかったんです。伝統よりも「使いやすさ」や「大きさ」を重視しているようでした。そういう意味では、伝統への意識が強いヨーロッパの国の方が展開しやすいかもしれませんね。あとは、前職時代に東南アジアに出張で行っていたこともあり、そこでのマーケティングやターゲティングは多少できるので、東南アジアへの進出も検討しています。

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長く愛されるために、こだわり続ける。

———–今後に向けて、取り組むべきことはどんなことでしょうか。

根底として、これまでやってきたことを崩すつもりはありません。長く愛されるために、こだわり続ける。そして、お客様の意見にしっかりと耳を傾けることですね。流行は特別意識しませんが、しなさすぎるのも良くありません。ベーシックな部分はおさえつつ、そこから派生させてオリジナリティを生み出していければと考えています。日本の流行だけを追うことはしません。実際に今もイタリアから染料を持ってきて、日本の職人に染めてもらうというような工夫をしています。流行はあくまでも参考にする程度ですね。それから、職人の数を増やしていきたいです。現在は、外部の職人と組んでやっていますが、自社で職人を育てていけたらと考えています。古き良き伝統を絶やさないためにも、つくる側の拡大は必須の課題ですから。ブランド名の通り、世界中の一人でも多くの方にうちの鞄を使っていただき、その方たちの生活が平和で豊かなものであったらと思っています。ものづくりを通して、そんな風に人の生活をより良くすることに貢献できたらと考えています。

(おわり)

 

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株式会社depインダストリー 代表取締役 杉本哲

大学院を卒業後、英会話スクールを運営する企業に勤務。出張で全国各地を飛び回る中、裂き織りという伝統的な織物と出会い、地元静岡の魅力を世の中に発信したいという想いから、2012年に株式会社depインダストリーを設立。出身地である静岡で受け継がれる「駿河裂き織り」を活かし、「depoliva(デポリーバ)」ブランドで鞄や小物等の製造・販売を行う。




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