経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

Made in Japanのこだわりや価値を、日本人にこそ知ってほしい。#2

【デポリーバのブランド論】第2回

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日本古来の繊細な裂き織り(駿河裂き織り)と刺子に、国内・海外産の高級レザーを取り入れたデザインで人気を博す「depoliva(デポリーバ)」。日本の優れた伝統文化・素材を選び抜いてつくられる鞄や小物は、味わい深い独特の雰囲気が特徴だ。「低コスト」「大量生産」とは正反対。伝統が織りなす良いものを世界に向けて提案し続ける、株式会社depインダストリーの代表取締役 杉本哲氏にモノづくりに対するこだわりを訊いた。

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

こだわりこそが人を惹きつける。

———–お客様はどういう方が多いですか?

年齢で言えば50代の方が多く、職業で言えば会社経営者や個人事業主、医師といった方が多いです。東京と静岡に店舗がありますが、東京の店舗は銀座という土地柄もあって女性のお客様が多いですね。逆に静岡の店舗では男性のお客様が多いので、性別の割合は半々くらいだと思います。ものに対するこだわりが強い方、良いものが分かる方、良いものを持ちたいという想いの強い方が多いですね。いわゆる海外ブランドを好まれるような方は、あまりうちにはいらっしゃいません。名前ではなく、ものとしての本当の良さに重きを置いていらっしゃる方が多いように思います。オーダーメイドも承っていますので、とにかくお客様にご納得いただけるものかどうかを製品づくりにおいては第一に考えています。お客様とのお付き合いが長くなると、みなさんフルオーダーを選ばれるようになっていきますが、最初はセミオーダーで依頼されるお客様がほとんどです。私たちのブランドにより興味を持っていただけるように、私たち自身も最初はセミオーダーをオススメしています。

 

日本人にこそ日本の良さを伝えたい

———–どんな人にいちばんのファンになって欲しいですか?

理想としては、やはりMade in Japanの良さや価値を理解している方にファンになっていただきたいですね。日本製ってやっぱりいいよね。そう思っていただける方に愛されるブランドでありたいと思っています。前職時代に付き合いのあった外国の知人からは、「日本人はなぜ日本のものを買わないのか」と言われたことがあるんです。海外ブランドへの憧れのようなものがいまだに日本人にはあると思います。インバウンド需要で、中国をはじめとした海外の方が来店し、日本製であることに興味を持ってご購入いただくこともありますが、日本人にももっと日本の伝統製品の価値を知ってほしいと感じています。自国の良さ、自国ブランドの価値を日本人自身が分かっていないのはおかしいですよね。そういう意味でも、日本人のお客様にもっとファンになっていただけたらと思っています。

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良いものを長く大切に使う社会であってほしい。

———–日本人に愛されるためにはどんなことが必要でしょうか。

伝統を絶やさないように、これから先も続けていくことが何より大事だと感じています。どの業界もそうですが、「職人」は減っています。日本人がもっと自分たちの国を愛するとか、もっと誇りを持つことが大事だと思うんです。自国の良さに目を向ける人が増えれば、日本製品が売れることにも繋がるでしょうし、職人不足の問題も良い方向に向くかもしれません。私たちのブランドも、日本製にこだわり、丁寧なものづくりをこれからも続けていきます。安いものを買って、すぐに捨てて次を買うというのではなく、高くても良いものを買って、長く大切に使う。そういう社会になって欲しいと思います。もちろん、たくさん買っていただけた方が商売としてはありがたいですが、一度ご購入いただいたものを、長く使ってほしいという気持ちの方が強いですね。そんな想いで良いものを作り続けていれば、口コミが広がりやすい時代ですし、お客様が新しいお客様を連れて来てくれます。一人のお客様の購入頻度を増やすというよりも、お客様の数を増やしていく方が、私たちのブランドらしいと感じています。

 

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株式会社depインダストリー 代表取締役 杉本哲

大学院を卒業後、英会話スクールを運営する企業に勤務。出張で全国各地を飛び回る中、裂き織りという伝統的な織物と出会い、地元静岡の魅力を世の中に発信したいという想いから、2012年に株式会社depインダストリーを設立。出身地である静岡で受け継がれる「駿河裂き織り」を活かし、「depoliva(デポリーバ)」ブランドで鞄や小物等の製造・販売を行う。

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