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【レポート】日本ブランド経営学会Salon#6 インナーブランディングの突破口とは?

ライターの長尾です。日本で唯一となるブランディングに特化した学会こと「日本ブランド経営学会」の取材を担当しています。

日本ブランド経営学会は考えるだけでなく、参加者同士の創発を促し、行動を手助けする学会です。

2019年1月31日(木)、「日本ブランド経営学会 salon #7」が開催されました。今回のテーマは、「インナーブランディング」です。これまでのブランド経営学会 salonでも、ブランド構築のプロセスにおけるインナーブランディングの大切さが、繰り返し出てきました。例えば、金融会社のfolioの場合には、リブランディングにおいて「なぜ変えるのか」ということを、社内で徹底したとのことでした。この課程を経ないと、コストと時間をかけてブランドを定義したとしても、社員がブランドを上手く使えないという問題が発生するからです。

ブランドとは、プロモーションのための「飾り」ではないのです。

さて今回は、インナーブランディングに取り組む方が2名登壇しました。インナーブランディングについては、まだ書籍などの資料も少なく、また抽象化して説明するのが難しいため、実際の事例を通じて学ぶことが欠かせません。

来場者の期待が高まります。

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社内の思考の「見える化」でインナーブランディングの問題解決

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1人目の登壇者は、株式会社ミナカラの川崎亜美香さん。薬剤師を経て、美術大学に入り直してデザインを学び、今は医療×ITを掲げる株式会社ミナカラにて組織づくりのサポートを社内外で行っています。トークのテーマは、「組織の中に伝える力」です。

川崎さんは「組織において大切なのは”どこにむかっているか明確にすること”」だと語ります。

このことについて、自社の例を引いて、解説してくれました。

当初、メディア事業をコアにして立ち上がったミナカラでしたが、ある時からe-コマース事業へとシフトすることになりました。
このことが、社内に「ネガティブな空気」をもたらしました。
というのも、ライターとして勤務する予定の社員が、想定と違うバックオフィスなどの業務をするようになるなど、ミスマッチが生まれたからです。

そこで川崎さんは社内の組織改革に乗り出しました。

社内での1対1のミーティングを行うことが突破口になったと川崎さんは語ります。社内でのギャップが広がったときに、1対1のミーティングというのは、それほど珍しい手法ではないのですが、川崎さんの場合にはデザインの考え方をつかって、社員の考え方を「見える化」してマッピングしていきました。こうすることで、「不安」や「違和感」の正体をあぶり出していき、解決策を図ったとのことでした。

今回の事例は、リブランディングにおいて社員がついてこないケースをどのように避けるか、という問題でした。川崎さんの事例のように、儀式やポーズとしての1対1ミーティングではなく、具体的なソリューションに結びつける1対1ミーティングは有効策なのかもしれません。

コーポレートブランドの成功の鍵は「社内の議論」

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2人目の登壇者は、シークレットゲストとして登壇。お名前と顔写真は出すことができないのですが、Yさんとしておきます。

誰もがその名前を知っている国内メーカーのコーポレートブランディングの担当者です。

ある日、グローバルブランディングを任されたYさんでしたが、「数字しか信じない社風」があるなか、社内にブランドの意義をどうすれば認識してもらえるかという点で模索を繰り返しました。まさに、インナーブランディングに取り組んだ事例といえます。

そこでYさんがとった施策は、社内での徹底した議論でした。

日本全国にある支社や営業所を含めて100人以上の社員と言葉を交わしたり、役員同士のトークバトルを開催したり、一言を言いたい人を招いて意見を語ってもらったり。グローバルブランディング担当対社内という構図だけでなく、社内対社内での議論が活発化するように、刺激策を打っていきました。

その結果として、グローバルブランドができあがったときには、社内全体に「このブランドは俺がつくった」という実感をもつひとが数多く生まれました。このような背景があるため、社員が自社のブランドについて自信をもって語れます。また、議論のプロセスから関わっているため、思いつき程度ではブレることがありません。

Yさんの事例は、グローバル規模の会社においても、インナーブランディングでは「社内の議論をどれだけ活発化できるか」にかかっているという事実を示してくれました。日本人は議論を避ける傾向にありますが、インナーブランディングに限らず、社内における問題解決では議論を活発化するほうが、時間はかかってもブレない組織を作るのかもしれません。

次回は2019年2月21日(木)です。

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今回は、2人の登壇者に登場していただき、インナーブランディングについて事例を通じて語っていただきました。「ブランドをつくったけど効果がわからない」とか「ブランディングが社内で迷走している」などの問題に直面している方にとっては、ひとつの問題解決のヒントが得られたのではないでしょうか。

次回の日本ブランド経営学会 salon は2019年2月21日(木)の19:30より、Hoops Link Tokyo(渋谷)にてです。テーマは「ブランド構築に効くコピーライティング」です。ブランドについて考えたい皆様のご来場をお待ちしております。

 

文/撮影:長尾和也

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