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【レポート】日本ブランド経営学会サロン#13「経営を取り巻く課題」 

 

2019年8月21日、hoops link tokyo(渋谷)にて日本ブランド経営学会サロンの第13回が開催されました。

日本ブランド経営学会は、ブランディングの視点から日本の企業経営を変えていくという志をもった学びの集まりです。なかでも活動を特徴づけるサロン活動には、「ブランディング」という共通の関心事をテーマに社会人が集まり、創発的な取り組みのきっかけの場にもなっています。

サロンでは、ブランディングの現場に携わる方をスピーカーとして招き、明日からでも役立てる生きたブランディングの知恵を参加者で共有します。

今回のテーマは、「経営を取り巻く課題」です。今回から4月にブランド経営学会で出した「ブランド経営宣言」に基づき、第1章を執筆した岩林誠氏にまずは登壇いただき、その後みなさんでグループになって「経営を取り巻く課題」について議論をしていきました。

 

日本企業は、ブランド力がない!

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まずは岩林誠さんの登壇。今、ブランド資産は増大傾向となっています。トップ10で8800億ドルのブランド価値となっているそうです。インターブランドが毎年算出しているブランドランキングでは、トヨタが世界で7位と検討しているものの、ほとんど日本以外の企業がランキング入り。かつての日本企業の勢いはありません。2011~2013年を境にほとんどランキング上位は変わらないそうです。

岩林さんが示唆しているのは、日本企業において欠けている要素がブランド力なのだとすれば、それを分解すれば①「ビックアイデア」、②「フォーカス」、③「スピード」の3要素。①は「人々の生活や社会を大きく変える製品、サービス、プラットフォームの発想力」のこと。②は「コアの強みに集中した明確なビジネスモデルの構想力と実現力」、③「時代の変化を読み、次々と技術革新を重ね、次々とニュースを生み出す開発力」なのだと、指摘します。

そして、ブランドとは、「すべての発想の源であり、すべての活動のエンジンである」と岩林さんは定義します。しかし一方で、(日本)企業はなかなかブランディングに取り組むことはありません。その理由は何なのか。それはブランディングが有効であることを説明しにくい理由があると話してくれました。1,短期的財務業績の力、2,短期的財務業績の力、3,マーケティングを企業文化として持たない。と3つの課題を指摘します。

ブランドが有効性を持つことの証明方法として、デービッド・アーカーが著作で示した4つの方法をあげて説明してくれました。そして、アーカーが提示するブランディングの流れを「基本、実線、活性、強化、拡大」とまとめ、これを「ブランディング・ジャーニー」と名付けてわかりやすく紹介。

最後に、日本ブランド経営学会が今後行うべき研究の示唆を提示して、登壇を終えました。

 

なぜ日本にブランディングが根付かないのか。

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講演のあとは、それぞれグループになって「日本の経営になぜブランディングが根付かないのか」、「日本ブランド経営学会はなにをすべきなのか」を議論しました。

30分ほどそれぞれのグループで議論し、話した内容を全員で共有します。実にさまざまな意見が出ました。

「ネットの時代になり、多様な価値観が生まれ、これまで説明しなくてもよかったことを説明しなくてはいけない。一方でだからこそ異なる価値観同士で、『泥試合』のような議論をすることで、そこから新しい価値観が生まれていくのではないか」。

「これからブランディングを根付かせていくには、小学校からの教育が重要ではないか。まずはブランド経営学会から積極的に社会へ発信していくことが重要」。

「ブランドはそもそも日本にないのか、というと、そうではない。例えば水戸黄門の印籠だって、ひとつのブランド。単にまだグローバルでないだけ」。

「中小企業の創業社長と大企業の社員では意識が異なる。組織も個の集合体であれば、個々人のブランディングを考えていくことも必要」。

「日本は技術思考が強い。相変わらず良いものを作って、大規模な広告やプロモーションをすればいいと思っている」。

熱い議論の2時間は、いつもどおりあっという間に過ぎ、次回の告知がされて、今回は終了となりました。

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ブランド経営学会のサロン、次回は第14回「ブランディング、日本と世界」をテーマに9/22(火)開催されます。
https://jbms14.peatix.com/

また、研究発表会を渋谷で10/26(土)に開催。初の試みは、多くの実務家からの発表の参加表明がありました。間違いなく国内で最先端のブランド研究の最先端。実戦から生み出された知がつまっていることでしょう。
https://jbms201910.peatix.com/

 

写真/文:BRAND THINKING編集部

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