経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

大手のブランドがお金をかけていい理由と、中小企業がそれをしてはいけない理由。

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ブランド論の4つの基本的な考え方から。

実際のところ、プロモーションの成否がブランド構築になると思っている人が多いように思います。大手企業のブランドが派手にプロモーションをすることで、当然目立ちますから、そう思う方が多くなってしかたがない面がありますが、中小企業が同じことをしても、結局、予算の差で負けてしまいます。もしくは、やりたいけど、結局、お金がかかるから、できない。だからブランド構築は金がかかるという論理です。

まず、大手はなぜプロモーションにお金をかけてもいいのか。それをブランド論的に説明してみたいと思います。ブランド論の骨格を成すのは、「ブランドは企業の資産である」と定義したアーカーの「ブランド・エクイティ理論」です。ブランドが、他の商品や企業との「区別」を成すためのものから、「企業資産」である、として画期的な理論でした。

「ブランド」とは、結局人の頭のなかにある「そのブランドへのイメージ」の総体であり、それは企業の売上を上げていく上で非常に重要なので、マネジメントしていく必要がありますよね、といのうが、乱暴に言えばこれまでのブランド論なわけです。

では、ブランドは企業の資産である、としたときに、「ブランド」には、4つの重要な視点があります。それが、下記の4つです。(簡単な説明も加えております)

1,認知:知っている人の数
2,連想:そのブランドから受けるイメージの広さと深さ
3,知覚品質:受け手が抱いている品質イメージ
4,ロイヤリティ:リピート購買

大手のブランドが1が多いのはいわずもがな、でしょう。そもそも、3も4いいから、大手企業に育っているわけです。しかし、大手と中小の差を決定づけているのは、実は2なんですね。大手企業のブランドは多くの人が知っているブランドです。ということは、そのブランドに抱くイメージに広さや深まりがあることで、人の脳内にそのブランドへの相当な情報量が詰まっていると言えます。

例えば、トヨタの「プリウス」。誰でも知っているブランドです。性能がいいことは誰でもわかっています。以前プリウスに乗っていた人がまた乗る、ということも当然あるでしょう。だからロイヤリティも高い。(そうでなければプリウスはすでにないブランドになっているはずです)

 

 

プリウスには「プラスの情報量」が多い。

ここで、2,ブランド連想について考えます。プリウスについて、そこから連想されるイメージを書き出すとすると、

燃費がいい、エコ、性能がいい、未来、
セダン、多くの人が乗っている、
安心のトヨタ車、ピンク色、北野武、
ディカプリオ・・・

とざっと数十秒考えても、これだけ出てきます。人によって出てくる言葉の種類はまた異なってくると思いますが、ここの言葉が、

1,なるべくたくさん出てきて、
2,それが他の車では言えないこと
3,プラスのイメージ

これが「ブランド連想」ではいいとされています。つまり、ブランド連想=「プラスの情報量」なわけで、これを効率的に刺激する(加える)という意味で、大手企業はマス媒体を中心としたプロモーションをする意味があります。だから、広告には発見や違う角度の視点を入れると、有効です。

 

 

大手企業と同じ戦い方をしない。

中小企業のブランドには、多くの人の頭のなかに「プラスの情報量」がもともとありません。お金も大手企業ほど投下できません。では、どうするか。

だからこそ、

1,ブランド・ビジョン(理念)を決める
2,バリューを約束する

をまずはしっかり整えて、ブランドを魅力的な人格にしてから、オウンドメディア→Webのプロモーションという順序で広げていく施策が考えられます。プロモーションほどお金のかからない方法をまずは考えて、口コミを誘発するだけの魅力的なブランドに育てていくわけです。

ここまで書くと、では急成長したいベンチャーはどうすればいいのか、と考えると思います。その場合は、上記を整えた上で、ベンチャーキャピタル(VC)から資金調達してプロモーションにお金を投下するという施策が考えられます。しかし、VCから資金調達しても優先すべきは、社員の採用や教育への投資だと考える人もいるでしょう。そして人が増えるのであればオフィスの移転を考えるでしょう。 ですから、プロモーションにお金をかけるとしても、2度め以降の資金調達後か、あるいはキャッシュが生まれた後のほうになるというが現実的です。

大手企業のマス広告を中心としたプロモーションには、実はブランド連想=そのブランドへのプラスの情報量を効率的に増やすことに意味があります。(一方で、知名度至上主義でこれができていない大手ブランドも多いとは思います)

では、どうすれば中小企業のブランドが、この「ブランド連想」を効率的に増やせるのか。それを大手とは違った方法で考えるところに、これから育つブランドをつくる醍醐味があるのだと思います。

 

 

文:BRAND THINKING編集部

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