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採用を成功させるためのブランド論 実践編②〜コンセプトの重要性

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自社の「強み」を現場の社員が言えるか。

前回、実践編の①で独自の採用フローの重要性をブランド論の側面から説きました。その独自の採用フローを構築するには、その会社でしか言えないことを軸にしたコンセプトの構築が重要です。コンセプトの構築にはさまざまな手順がありますが、必ず整理しなければならないのは、

1,会社の強み
2,理想のターゲット像の設定

です。

1は自社の強みをどのように認識しているかが重要です。採用担当者や責任者、経営者は話せてあたりまえ。大事なのは、採用に関わる現場の社員が自社の強みを自分の体験に沿って話せるかどうかです。

たいてい、現場の社員や経営者で自社の強みの認識は異なります。そこで、コンセプトを一貫する採用フローを構築するには、まずは採用に関わる人全員が、自社の強みの認識を統一する必要があります。そこで出てきた強みの何種類かの中から、最大3つまで、重要な要素を選びます。なぜ優先順位をつけるかというと、例えば10個強みが並んだとしても、目の前に応募者がいたとして、伝えられることは2,3個が限界のはずです。逆に10個全部伝えたとしても、応募者側は覚えきれませんし、覚えきれないということは、「これだ!」という印象を残せないことにもつながります。

自社でしか言えない強みを選び、認識を統一させることで、それぞれの役職に合った事例を採用活動時に話せるようになります。それが応募者にとっては、異口同音ながらも一貫性を持った会社と映り、ひとつの強いイメージが脳内で作られていくのです。

 

とても曖昧な採用現場のターゲット像。

もう一つ重要なのは2のターゲット像の設定です。「貴社がほしいターゲットは誰ですか?」と聞くと、たいてい、「素直で正直」とか「やる気がある」とか、とても曖昧な答えが返ってきます。

それを通常のマーケティングで例えると、「20代女性にうれるものをつくれ」くらい曖昧な指示。広告をつくるコピーライターの立場からすると、「20代の女性」ではふわっとした言葉しか生まれません。つまり誰にも届かない言葉になってしまうのです。

しかし、例えば次のような人物像を想像したらどうでしょうか。

—-
21歳、早稲田大学国際教養学部の女性、
出身は山梨で、甲府第一高校英語科出身。
英語教師の母の影響で、英語を使って仕事をするのが夢。
早稲田にしたのは、多くの個性的な人たちがいそうだから。
ゼミは異文化コミュニケーション。留学はイギリスへ。
サークルは英語劇のサークルで脚本を担当。
自分が前に出るよりは、人を活かすのが好き。
趣味はカフェ。休日はよく海外の留学生と一緒に神社や仏閣を巡る。
卒業したら教師ではなく、もっと広い世界を見たいので、
商社やメーカー系の海外勤務があるところを志望中。
—-

ここまで細かく設定すると、どんな言葉を投げかければいいか、単純に20代、明るく、正直な女性と設定していたときよりも、具体的に想像できるようになると思います。

これも、単に採用担当者が設定するだけでなく、採用に関わる人全員が共有すると、また採用活動に一貫性が生まれます。同じイメージの人を想像すると、採用活動時に出会った人の中から、「この人ターゲットに近い!」と想像できるようになります。すると伝え方の熱も変わってきますし、何よりも何人とも共有することで、出会う確率も上がりますよね。そして「なんでこんな奴を選考に上げたんだ!」という、上司と部下のよくある認識のズレが減っていきます。

 

ターゲットに対して投げかける強みの説明がコンセプト。

こういう細かく「ペルソナ化」したターゲット像に対して、自社の優先順位をつけた強みをなんと説明するのか。それが採用フローを通して貫くべき「コンセプト」です。そしてすべての採用活動はそのコンセプトに紐づく形で、活動を行っていくことで、応募者の脳内の自社へのイメージを「強くて、好ましくて、ユニーク」なものにしていきます。

多くの企業はターゲットの設定が曖昧で、自社の強みの整理もまた曖昧です。それでは独自性と一貫性を持った採用フローはつくれず、大手企業には勝てません。

そして、このことは社内だけでなく、ツール類にも一貫性を持たせることが重要です。このあたりの話をするとまた長くなりますので、次回にしましょう。

 

「採用を成功させるためのブランド論 実践編③〜こんなツールは失敗する。」はこちらです。

 

文:BRAND THINKING編集部/むすび株式会社 代表取締役 深澤 了

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深澤 了 ブランディング・ディレクター/クリエイティブ・ディレクター BRAND THINKING編集長

2002年早稲田大学商学部卒。山梨日日新聞社・山梨放送グループ入社。グループの広告代理店、アドブレーン社制作局にて、CMプランナー/コピーライター。2006年株式会社パラドックスへ。企業、商品、採用領域におけるブランドの基礎づくりから、CI・VI、ネーミング、スローガン開発、各種ツール、広告制作まで一貫したブランドづくりに携わる。手掛けた企業は採用関連のみで800社以上。2015年早稲田大学ビジネス・スクール修了(MBA)。同年むすび株式会社設立。2016年12月BRAND THINKING立ち上げ。初代編集長となる。




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