経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

2017.05.17

理念を言語化することは、判断軸をつくり、覚悟を決めること。

【効果が出なければブランド構築じゃない。第2回】

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「ブランドをつくろう!」と思った時に、何から始めればいいのか悩む経営者は多い。おそらく、外部のさまざまなパートナーを検討するだろう。そこでブランディングのプロは何を考え、どのようなところに留意してブランドづくりを行っているのか。独自のビジネスモデルを持ち、成長意欲の高い企業群がクライアントに多い、株式会社パラドックスの執行役員ブランディング・プロデューサーで経営管理修士(MBA)、TCC会員でもある鈴木祐介氏にその極意を聴いた。

 

企業と商品、つくるブランドでメンバーを変える。

——ブランディング・プロジェクトのメンバーは多様な方がいいのでしょうか。

企業理念という極めて会社の根幹を決めるようなものの場合、これからの企業の行く先を決められる人がメンバーにいるべきだと思います。そうなると必然的に責任ある人になっていくでしょうが、会社が期待をかけていきたい次世代のメンバーでも、会社を背負って立つ覚悟があるのであれば、メンバーに入れるべきだと思います。もしそこで現場の意見が必要なのであれば、ヒアリングするか、オブザーバーで会議に参加してもらってもいいと思います。一方、商品や事業ブランドをつくる場合は、少々事情が異なります。例えば30代向けの女性がターゲットであった場合、60代の男性ばかりになってもズレた議論しかできないかもしれません。やはり顧客に近いところにいるメンバーは必須になると思います。例えば、とある不動産会社が発売するマンション・ブランドのブランディング・プロジェクトの場合、決済者は専務。そして開発部長や営業部長の他に、営業や管理会社の担当者にも入ってもらっています。

 

私やメンバー間のコミュニケーションが、いいものをつくる。

——プロジェクトメンバーには事前に詳しくヒアリングをしておくのでしょうか。

選ばれたメンバーには事前に必ず個別面談します。ひとり30分は時間をとっていただきます。どんなブランドにしたいのかや、今思っている課題などを聞いていきます。当然みんなそれぞれ持っている意見は違うので、そのブレを知っておくことで、その後のメンバー全体でのセッション時に議論が進んでいきます。例えば、あるメンバーが課題感があったとして、セッションで言いにくかった時。事前の取材で私は把握しているので、セッション時にそのメンバーが意見を出さなくても、私がそこで話を振ることで、いろんな意見を踏まえて議論を進めることができます。もちろん、何でも言いやすい雰囲気を私自身がつくっておくことは、いつも大切にしてます。セッションを進めていくと、たいていメンバーみんながモヤモヤするんです。答えが出てくるのは、最後のほうですから、時間がかかります。「本当にこのままでうまくいくのか」という疑問を持つ方もいます。でもそれでいいんです。「モヤモヤしながらまた来てください」と伝えています。そのかわり、私やメンバー、メンバー同士のコミュニケーションを密にして、お互いの信頼関係を醸成することに腐心しますね。それが、「大丈夫、このまま行けばきっといいものができる」という気持ちにつながっていきます。

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理念の言語化は「覚悟」を問う作業でもある。

——ビジョンを構築していく中で、気をつけていることは何ですか。

セッションの終盤になっていくと、ビジョンやミッションを構築していくフェーズになるのですが、大きな方向感を一緒に決めていくようにしています。その場で言葉の細部まで詰める人もいると思うのですが、言葉は設計です。「てにをは」を変えるだけでニュアンスが変わりますし、ビジョンからミッションへの言葉のつながりやそれぞれの役割まで考えて言語化していくべきと考えています。一度頭の熱を冷まし、冷静になって検証しながら設計すべきだと思います。その言葉がそのまま「戦略」になるかもしれないですからね。会社の行く末を決める大事な言語化です。また、セッション毎に常に仮説を持っていきます。事前に取材もしていますので、ある程度頭に描くものがあります。セッションを進めていくと、それらを踏まえていろんな疑問が必ず出てきますので、それをそのままぶつけていくようにしています。「この議論だと、会社の方向性的に、Aという場合もあるし、Bという場合も考えられる。どうしますか?」と。最終的にビジョンやミッションは言語化しますが、単に言語化そのものがアウトプットなのではなく、企業や事業の「判断軸」を決めていくわけですからね。どちらに向かうか、メンバー自身の覚悟を問う作業であることの「覚悟」を持ってやっています。

 

第5回「目指す姿に会社を成長させるエンジンが、ブランド構築だ。

第4回「その言葉は、企業の未来を切り拓くか。」

第3回「心の底に想いがあるブランドは、きっとうまくいく。 」

第1回「ビジョンが決まったら、すぐに走り出せる準備ができているか」

 

聴き手・構成:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

鈴木 祐介

株式会社パラドックス 執行役員
鈴木 祐介

ブランディング・プロデューサー。慶應義塾大学法学部卒業後、広告代理店へ。その後、パラドックスへ移籍。創立期から会社を支えるメンバーのひとり。企業、商品、採用領域のブランドの土台づくりから、最終アウトプットまで一気通貫した、きめ細かいプロデュース、ディレクションを得意とする。グロービス経営大学院大学修了(MBA)。日本BtoB広告賞、福岡コピーライターズクラブ(FCC)新人賞など受賞多数。東京コピーライターズクラブ(TCC)会員。

株式会社パラドックス




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