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TPPは日本ブランド強化のチャンス。

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対処療法ではなく、しくみを。

TPPに完全に移行した場合、特に米の販売価格の下落が大きく懸念されているようです。約780万トンの米の流通量が日本にはあるようですが、そのうち1%程度が輸入になる見込みのようです。輸入米が入ることで、米価が下がり、日本の農家がバタバタと潰れていくのではないか、という懸念が広がっているとのこと。そのため政府は米価維持のため一定量、米を買い取ることを検討しているそうです。

TPPは、ブランド論的に言うと、チャンスです。いかに日本の農作物が、おいしくて、質の高いものか。世界で日本食人気が高まっている中で、結局、輸入されるということは、輸出できるチャンスも広がるわけで、まさに日本の農作物ブランドをつくっていく時期に来ていると思うわけです。

ですから、それぞれの農家のみなさんが、愛情を込めて作っている農産物を、どうしたら、ブランド化することができるのか、その「しくみ」をつくることで、それぞれの農家が自ら高い付加価値をつけて世界へ販売していく道すじをつけることが大切なのではないか、と思います。政府が買い取るだけでは、単なる対処療法に過ぎず、それぞれの農家の競争力がついていくとは思えません。

そのしくみをつくる上での課題は、日本のほとんどの農家が「組織」ではなく「家業」である点でしょう。圧倒的に日本の農家は規模が小さい。規模が小さければ、つくることに専念せざるをえず、どう売るか、どうファンをつくっていくか、という「付加価値」の部分まで手が回らないことが容易に考えられます。

 

同じ米を違う味にする「想い」。

「付加価値」とはすなわち情報です。例えば、有機栽培で手間暇をかけている。こんな肥料をつかっている。温度管理を徹底することで甘みを増す。などなど、農家のみなさんにとって「アタリマエ」のことも、多くの人たちにとっては、新鮮な情報であり、思わず人に話したくなるほどの「付加価値」かもしれません。これは普段、ブランディングを行っているすべての企業で起こり得ることです。なかなか中にいる人たちだけでは、気づかないことが多いです。

そして、それぞれの農家がどんな「想い」で農作物をつくっているのか。その想いこそ、同じ米をつくっていたとしても、他とは違う味を感じてしまう差別化の源泉でしょう。

TPPに参加し、交渉がまとまった以上、これが覆ることはありえません。変化をせざるを得ないことになります。価格の問題ばかりがクローズアップされていますが、そこばかりにこだわりすぎると、自らコモディティ化を進めてしまうことになります。

価格勝負ではなく、日本の得意な質の勝負へどれだけ持ち込めるか。そのためのしくみをつくれるか。これこそ、日本の農作物ブランド化への第一歩だと思うのです。

 

文:BRAND THINKING編集部




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