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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

ストーリーを持つ酒を山梨から。覚悟を持って取り組み続ける。#3

【勝沼ワイナリーマーケット・新田商店のブランド論】第3回<最終回>

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現在、日本で一番良いワインとされるものは、甲州種ぶどうが原料と言われている。そんな山梨の中でひときわぶどう栽培に適した丘陵地帯「勝沼町」に、創業61年の歴史を持ち、勝沼ワインを通して地元や県外の人たちから圧倒的な人気を受ける店がある。その名は、新田商店(勝沼ワイナリーマーケット)。奥深いストーリーを持ったワインやお酒を扱い、山梨の魅力を発信し続ける同店の代表取締役 新田正明氏に、地元山梨への想い、ワインやお酒に対するこだわりを訊いた。

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:大堀力

 

大切にしているのは、ストーリーを伝えること

———–ワインツーリズムがスタートし、どんな変化がありましたか?

ワインツーリズムが始まって、地元の飲食店への売上よりも、県外のホテルや飲食店、ワイン愛好家のみなさんへの売上の方が逆転しました。今でもうちの売上のほとんどは県外のお客様によるものです。直接電話をいただくこともありますし、お越しいただくこともあります。Facebookで少し情報発信はしますが、ほとんどが口コミによって広がっているようです。私たちは、そのワインのストーリーを伝えることを特に大事にしています。そういうバックボーンはお客様は知りませんし、ワインは嗜好品だから、しっかり伝えていくことが重要だと思うんです。ストーリーを伝えることは、私の強み、武器だと思っています。だから、甘口であるとか、辛口であるとかはうちでは書いていません。背景を説明しているんです。そして、ストーリーのあるワインやお酒を蔵から集めています。金額は関係ありません。最近では販売単価も高まっています。価格競争とは別の次元の競争が始まっています。絵でも音楽でも、良いコンセプトのものに人が集まる時代になっています。それは、ワインやお酒でも同じだと思いますね。

 

山梨の魅力を発信し続けるという覚悟。

———–ワインツーリズムを通じて、山梨や勝沼への意識が強くなりましたか?

自信を持たせてくれたのがワイナリーです。これはいいぞ、というものが数多く出てきました。新潟にも、秋田にも、山形にもそのストーリーはない、というものがたくさん出てくるようになりました。日本酒「本菱」も、120年ぶりに復活させ、街の新たな地域資産にするというストーリーにオリジナリティがありますよね。感度の高い人、鼻の効く人はきっとファンになってくれると思うんです。私たちは、そういうワインやお酒を大事にしていきたいと考えています。たとえば都内であれば、これが売れなくなったらこっちとか、流行によって移り変わっていくものだと思います。でも、私たちは山梨のワインやお酒がなくなったら、商売をやっていけません。覚悟が違います。地元に対する強い思い入れを持って取り組んでいくことが重要だと感じています。現在は、JR東日本の「TRAIN SUITE 四季島」にも参加しています。30人限定、1泊2日の旅。山梨の峡東地域を回り、ワイナリーの説明や食事の際のワインの説明、ワインセミナーなどを行っています。こうした様々な取り組みを通じて、山梨のワインやお酒、「山梨」のブランドを色濃く打ち出していきたいですね。

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覚悟を持って、それを貫くこと

———–今後の展望について聞かせてください。

2002年くらいから、ぶどうづくりに興味を持つ人が移住してきたり、将来は自分のワインを作ってみたいという人が出始めて、少しずつ周辺の環境が変わってきています。こうした人たちのモチベーションを上げるためにも、ぶどうを買い上げて、ワイナリーに依頼してワインをつくり、販売するという流れを作ってあげることも大事になります。そうすれば彼らのモチベーションも上がりますし、移住に対する不安を自信に変えることもできます。ぶどうが減れば、ワインは売れない。ワインが売れないなら、化粧品の販売でも始めましょうかというわけにもいきません。地元の農家さんのやりがいをいかにつくるか。覚悟を持って、貫くことが大事だと思っています。そして、大きな夢を語ること。それが世の中を動かしていくのだと思います。年齢とともに体力も落ちていきますが、ワインやお酒を通して、これからも「山梨」のおいしい魅力を発信し続けていきたいですね。

(おわり)

 

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新田商店 代表取締役 新田正明

大学を卒業後、映像制作の会社に就職。7年間の勤務を経て、30歳の時に地元勝沼に戻り、3代目社長に就任。先代が築いてきた歴史を受け継ぎなら、勝沼産や山梨産のこだわりのワインやお酒を販売している。現在は、ワインツーリズムや山梨ワインの産地を紹介するコンシェルジュやワインセミナーなどを開催。勝沼や山梨の活性化を目指して様々な活動に積極的に参画している。




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