経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

愛され続けるために、一つひとつのパンに想いや愛を挟みこむ。#3

【吉田パンのブランド論】第3回<最終回>

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「吉田パンを食べて吉がくる・・・そんなコッペパンでありたい。」というコピーを掲げ、朝から行列ができるほどの人気を博すコッペパン専門店が東京・亀有にある。その名も、吉田パン。盛岡では知らない人はいないとまで言われるコッペパンの老舗「福田パン」に師事し、多くのファンから愛されるコッペパンをつくりつづける株式会社吉田屋 代表取締役 吉田知史氏に、パンづくりに対するこだわりや想いを訊いた。

 

 

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

時代が変わっても、想いは変わらない。

———–今後の展望を教えてください。

私は、130年くらい続いている日本橋の経営者の人たちがつくった財団のサロンに属させてもらっているんです。本当の商いの人たちだけが集まっているのですが、そこには300年、400年企業の経営者が多いんです。そこで、経営者の先輩たちから「吉田くん、長くやらないとダメだよ」と言われます。日本橋は100年以上の老舗企業が多いですよね。日本橋への出店のお話も何度かいただいています。全国の百貨店や海外からもそうしたお話はいただいています。ただ、検討はしていますが、今働いてくれている人たちのことを第一に考えています。そして、店舗の数を増やしていくことよりも、長く続くお店を目指したい。おいしいパンをつくって、人においしいと言ってもらう。そこにテーマがあります。おいしいと思っていただけて、将来的には、実は吉田パンのパンはおいしいだけじゃなくて体に良いんだっていうふうになっていきたいと思っています。それが、うちが目指す400年。時代がどんなに変わろうと、その間に何があろうと、パンづくりに対する想いや姿勢は変えずに、お客様に提案し続けていく。ただただそれだけなんです。

 

出会いに感謝し、学びの場をつくりたい。

———–今後の展開として、他に考えられていることは何かありますか?

唯一、私が人に誇れることがあるとしたら、それは「出会い」の多さだと思います。これまでの数々のご縁がありました。それにどうお返ししていったらいいかというのが私個人の課題です。周りの方々に愛していただけるように、これからも商いを続けていくことしかないかなと今は思っています。その意味で、吉田パンとは少し離れてしまうのですが、将来的に今の商業をやりながら実業をやりたいとも考えています。世の中をより良くするための仕組みづくり。イメージとしては、学校のような教育機関や学びの場をつくることです。私がこれまで多くの人との出会いの中で学んできたように、次の世代の人たちを育てていける場をつくれたらと思っています。経営者の会で、「日本には宗教はない。日本にあるのは哲学だ」と教わりました。今いるスタッフも、私のパンづくりに対する志に共感・賛同しているから、働いてくれているのだと思います。組織によって考え方も見える景色も全然違います。そうした見方や考え方をしっかりと学べる場をつくって、世の中に貢献できたらと思っています。

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店に来てくれる人がいることを、奇跡と思えるか。

———–400年続けるという目標に向けて、どんなことが大切になりますか。

商売である以上、マーケティングから入っていかないわけにはいかないんですけど、「人を感動させること」をまずベースにすることが大事だと思っています。こうやったらこれだけ売れるだろうということよりも、まず一人の人を感動させることができるかどうか。それしかないと思います。小売業は、たった一人でも、店に来てくれる人がいることを奇跡と思いなさいとメンバーにいつも伝えています。そう思えないのであれば、小売業をやめたほうがいいと思うんです。お客様が一人でも来てくださることに感謝し、心から嬉しいと思える心を大切にしたいです。それから、「俺のパンだ」なんて思ったことは一度もありませんが、そのくらいの想いをパンに込めなければと思っています。お金を払って買っていただく商品に己の想いが入っていないのはおかしいですからね。言ってみれば基本的なことなのですが、こうした想い・志の部分は大事にしたいと考えています。小さな街のパン屋ですが、1日およそ400人、ルミネ北千住店を入れれば600〜700人くらいのお客様に来ていただいています。ほんの少しでも、その人の日常が幸せになるように、一生懸命パンをつくる。そんな毎日の連続ですね。

(おわり)

 

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株式会社吉田屋 代表取締役 吉田知史

専門学校を卒業後、アパレル小売店を起業。その後、2009年に株式会社吉田屋を設立し、ファッション事業や広告・プロモーションに関わる事業を展開。ある時、義理の弟にもらって食べた盛岡「福田パン」の「あんバターサンド」に衝撃を受け、福田パンに師事して独自のノウハウを教わる。フランチャイズや暖簾分けではなく、福田パンの精神や心意気を受け継ぐ「同志」として、2013年にコッペパン専門店の「吉田パン」をオープン。以来、朝から行列ができるほどの人気を博している。




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