経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説|ブランド シンキング

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経営に正しいブランディングを。わかりやすく解説

自分のやってきたこと、こうすればいいを組み合わせたら、まだないものができあがった。

【セクション・エイトのブランド論 第1回】

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かつては「居酒屋はなこ」、今は「相席屋」をメインに展開するセクション・エイト。「相席屋」はすでに全国に70店舗を越え(2016.11月現在)、この事業だけで80億円近い売上を誇る。最近では結婚相談所や結婚式場の運営まで手がけ、「恋愛」の出会いから成就までを事業の柱に据えている。さまざまな事業を手がける独自のブランド論を、代表取締役・横山淳司氏に聴いた。

聴き手・文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

 

日本一、新宿歌舞伎町での挑戦。ラッキーが重なった。

——2006年、いきなり新宿歌舞伎町に「居酒屋はなこ」をオープンするところから始まるんですよね。

今思えば、いろんなことを知らなかったからできたことってたくさんあると思います。今の知識とスキルでもし昔に戻れたら、「はなこ」はやったかもしれないけど、いきなり歌舞伎町には出さないでしょう(笑)。最初の数ヶ月は赤字続き。貯めていた資金もどんどん減っていきました。なんとかやっとお金が回るようになった半年後に、ちょうどいい物件が五反田に出たんです。少しお金ができて、たくさんあるように錯覚していたのでしょう。安くて、居抜きで使えそうだった。だから2店舗目もやりました。はっきりいって無謀ですよね。ここも若さゆえだったかもしれません(笑)。でもここでその後の「はなこ」の基盤ができました。トレードマークになった、へそ出しの制服。それを店の看板に大きく使用したんです。興味を惹いたのか、あっという間に行列になりました。歌舞伎町店もさっそく変更したところ、これが当たりました。当初から北海道の素材にこだわっていましたから、変えたのは女の子の制服だけ。どうせ飲むなら、おいしくて、カワイイ女の子が接客してくれるところで飲みたい、というニーズをうまくとらえられたのだと思います。この流れは本当にラッキーでした。

 

 

やってきたことしかできない。でも知らないからできた。

——そもそも「北海道の素材」✕「カワイイ女性の接客」という発想はどこから出てきたのでしょうか。

高校はみんな大学へ進学したはずです。でも自分はどうしても大学へ行く意味を見いだせなくて、アルバイトしていた飲食店がとてもおもしろく、いつか自分も商売をしたいと漠然と考えていました。そのためにはすぐに働こうと。正社員としてキャバクラで働いていました。決めていたのは、友達が大学卒業する4年後には自分の会社を作ること。そのために必死で働きました。少しばかり夜の世界を見ましたが、知っているがゆえ、同じ業態で独立したいとは思えない。だからといって、例えば不動産とかITとか今の世界からかけ離れすぎたことは、経験がなさすぎてできない。だとしたら、自分は何で会社をやるのか。そう考えたとき、「北海道の素材を活かした料理」✕「カワイイ女の子の接客」を思いついたんです。「北海道」という響きには、おいしいイメージがあります。素材を活かすのであれば、難しい調理もいらないから、料理人は必要ありません。そして、どうせ行くなら「カワイイ女の子」に接客してほしいと誰もが思うはず。キャバクラほどベタベタもせず、もう少し気軽に、付かず離れずで接客して欲しいというニーズがあるはずだと思ったんです。多くの女性を見てきた自分の経験も活きますし、でも他に存在する業態でもない。だったらやってみよう。そんなチャレンジだったのだと思います。

 

 

カワイイ子の、楽しくて丁寧な接客。それが強み。

——「居酒屋はなこ」は7年ほどで32店舗まで伸びます。その要因をどうとらえていますか。

他のどこにもない業態でしたし、メディアにも何度も取り上げていただきました。いろいろ要因がある中で、一番の強みになっていたのは、やはり「カワイイ女性が、楽しくて、丁寧な接客をする」という部分だと思います。へそ出しの特徴的な制服で、一見派手でちゃらちゃらしてそうなんだけど、しっかり礼節も大切にする。帰りもお店の前までお見送りしていましたから。当時から居酒屋甲子園にも出ていましたし、研修にも力を入れていました。店員の女の子を見て、男同士で「あの子かわいいね」と言いながら、盛り上がって、その場も楽しくなる。度々その子も接客に来て会話に加わってくれる。そんなニーズが、世の中のビジネスパーソンに的確に届いたのだと思っています。料理の素材は、協力会社さんにお願いすれば、ちゃんと届きますので、やはり生命線は、採用と教育だったと思います。とくに採用。当時は媒体に掲載すれば、たくさん応募がありました。だから今のように採用に困ったという印象はなかったですね。しかし、徐々に類似の店舗が出てくるようになり、じわりじわりと、ピーク時よりも売上を上げられなくなっていきました。出店の年数をかけすぎてしまったこと。ここが「居酒屋はなこ」を展開していた中での数多くの反省点のひとつです。

(第2回は2/6月公開です)

 

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株式会社セクション・エイト 代表取締役 横山淳司

2006年、22歳のときに会社設立。500万円の自己資金を手に、北海道の食材✕カワイイ女の子が制服を着て接客する新業態「居酒屋はなこ」を新宿歌舞伎町にオープン。2014年、「相席屋」を赤羽にオープン。約2年で70店舗までに成長させた。これまで立ち上げた業態は40以上。

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