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いつか日本企業の総務を、花形職種にする。

【月刊総務のブランド論 第3回】

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月刊総務は創刊から54年続く老舗雑誌。これまで何回か出版元の会社は変わったものの、月刊総務のブランドはずっと続いている。わかっているだけでも3人の編集長がこれまでいた中で、脈々と受け継がれ、そして何を変え、これから企業の中にある総務をどう変えていきたいのか。総務の未来とブランド論を、現在の編集長、豊田健一氏に聴いた。

 

経営者が総務に期待する雑誌へ。

——総務が戦略総務になる条件は、自分たちの意識改革の他に何があるのでしょうか。

海外の総務は、プロフェッショナルの世界です。総務なら基本的にずっと総務のキャリア。だからこそプロとして尊敬の対象になります。しかし日本において、ずっと総務というのはほとんどありえない。ジョブローテーションの一環です。どんな組織でも総務は必要なのに、でもあまり尊敬されていない。その現実を変えていくためには、総務のみなさんの意識を変えるだけでなく、経営者自身の目も変えていかなければならないと考えています。経営者も、営業やマーケティング、会計など、企業の基幹となる部分には興味のある人が多いのですが、総務を重要視している経営者は少ないように思います。しかし、今は先の見えない乱気流の中を経営していく時代です。そうなると、経営で何が飛んで来るのかわからない。そこでどう打ち返すか。なんでも対応できる力、すなわち総務の登場になってくると思います。そういう意味で、いろんな部署を経験し、他の部署がやらないこと、やれないことをやってきている日本の総務はこれから強いと思います。そこを経営者のみなさんにしっかり伝えていきたいですよね。

 

総務の「よろず屋」としての強みを伸ばしたい。

——「よろず屋」としての総務は経営の中でどのような位置を占めていくのでしょうか。

理論は海外の方が進んでいます。しかし、先ほど申し上げた背景から総務としてのマインドは日本の「よろず屋」としての精神を大切すべきと思います。総務オーナーは経営者です。でもユーザーは現場社員。必然的に板挟みになる構造ができています。オーナーの考えは聞きつつも、現場が飲みやすい「処方箋」をつくって伝えることが、総務が現場で大事にしなければならないことでしょう。戦略総務であろうとすることで、やがて経営者の参謀役として活躍できるようになるはずです。一方で経営者側から「与える」ことも重要です。それは人員かもしれないし、予算かもしれない。でも一番重要なのは総務の失敗を許容するということです。とある日本企業では、ビル移転を直前でやめた総務に関して、取締役会で責任追及の声が挙がりました。しかしそこで社長が言った一言が、「総務も戦略性を持って動けば失敗する」。この言葉を言える経営者が今、どれだけいるでしょうか。総務が経営者の参謀役になり、経営者も総務に期待する。そういう土壌をますます広げていきたいと考えています。

 

総務を花形職種に。

——これからの「月刊総務」の方向性について教えてください。

単に専門家の意見を集めてくる雑誌にはしないということです。理論や事例を紹介する一方で、現場から見た時どうなの?という視点を大事にしていきたいと考えています。総論はイメージできるけど、自社に即して考えた時にイメージできないでは、雑誌としてのバリューがありません。また、大企業だけの事例に偏らないようにするのも大事だと思っています。大企業の事例は「わかる。けど、自分たちはできない」となりがちです。でも小さな企業のいい事例は「うちでもできるかな」となる。そうなると、日本の総務全体が動いていく話になっていくと思います。また、総務は突発的なことが多いので、PDCAサイクルを回しにくい部署だとも思われていますが、これを変えたい。実は定性的なことも定量に置き換えていくことは可能です。例えばリフレッシュルームがあまり使われていないとなれば1時間でもその前に座ってカウントしてみればいい。10人だけしか利用していないなら、あと5人どう使わせようかと考えるきっかけになる。強い会社は総務もPDCAを回していますよ。月刊総務が、日本の総務を変え、総務を花形職種にするお手伝いができればと思っています。

(おわり)

文:BRAND THINKIKNG編集部 撮影:落合陽城

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月刊総務編集長 豊田健一
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルート、株式会社魚力で総務課長を経験後、ウィズワークス株式会社入社。現在、日本で唯一の総務向け専門誌『月刊総務』編集長。総務育成大学校主席講師。総務経験、社内報の企画編集の実績を生かした総務と社内コミュニケーションのコンサルや講演など多数。著書に「マンガでやさしくわかる総務の仕事」(日本能率協会マネジメントセンター)。




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